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Booksのページ「ま〜」

 

 

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あ〜/か〜/さ〜/た〜/な〜/は〜/ま〜/や〜/ら〜/わ〜

 

タイトル・著者
その他

感想メモ

M-34

「天才画の女」
松本清張
新潮文庫

【2011年5月1日読了】

松本清張なので、少し時代を感じたが面白く読んだ。日本の画商と美術評論家などの裏の世界を知らないので、何故商売敵の画商が、新人画家のルーツを探るのか、今一つ説得力にかけているようにも思えるが、それはそれで謎解きという意味では面白かった。

M-33

「ラヴ・ストーリー」
森瑤子・アイヴァン・ブラッキン
角川文庫

【2011年1月12日読了】

森瑤子と彼女の夫による月刊誌に連載されたエッセー。ブラッキン氏が本当にあの日本語文章を書いたのかどうか、かなり気になる。確かに30年以上日本在住なのだから、書けてもおかしくないとは思うのだが。森さんのエッセーなどから、かなり頑固な夫を想像していたが、確かに頑固なのかもしれない。

M-32

「恋するアラブ人」
師岡カリーマ・エルサムニー
白水社(単行本)

【2010年12月23日読了】

最初は小説かと思ったが、実はNHK外国語ラジオ放送のアナウンサーも勤める、日本とエジプトにルーツをもつ女性の書いたエッセーということが判り、興味がわいた。実際問題としては、自分はエジプトに行ったこともないし、特にアラブ社会に興味を持っているわけでもないが、知らないことを知ることが出来るという意味ではとっかかりになる一冊と言えるかも知れない。

M-31

「アンのゆりかご 
村岡花子の生涯」
村岡恵理
マガジンハウス
(単行本)

【2010年11月10日読了】

赤毛のアンシリーズをはじめ、20世紀前半の女流作品を翻訳したことで有名な村岡花子の人生を、孫である恵理が綴ったもの。実は、学生時代に著者を知っていたので、感慨深い思いでページを開いた。個人的に知っている人間の祖母というだけでなく、明治、大正、昭和を生き抜いた女性の人生ということで、興味深い本。

M-30

「猫探偵カルーソー」
クリスティーネ・マルティーニ
扶桑社ミステリー(文庫
)

【2010年10月26日読了】

ベネツィアを舞台にした殺人ミステリーだが、猫が主役。カルーソーは街一番のボスで、仲間が見つけてきたゴンドラの中の人間の死体の周りをかぎまわり、自分の仲良し猫の飼い主である刑事が事件を解決するように協力する。現実味の薄い話。

M-29

「母」
三浦綾子
角川文庫

【2010年10月17日読了】

「蟹工船」で有名な小林多喜二の母についての本。多喜二については、「蟹工船」の著者ということ以外、よく知らなかったのだが、興味を持って読んでみた。三浦さんも多喜二について詳しかったわけではなく、多喜二の母がキリスト教者だったとのことで、興味を持ったそうだ。

M-28

「鴎外の子供たち-
あとに残されたものの記録」
森類
ちくま文庫

【2010年9月15日読了】

森鴎外の三男、森類の書いた家族、特に兄弟に関する話。ただし、終戦後に本屋を開いたところまでしか書かれていないので、なにか尻切れトンボな感じがする。大正の終わりから昭和の終戦後までの日本人の生活の一端を垣間見れるが、かなりお坊ちゃん的な生活だったようだ。彼の姉妹の書いた物も読んでみたい。

M-27

「キス・アンド・クライ」
ニコライ・モロゾフ
講談社
(単行本)

【2010年4月24日読了】

フィギュア・スケートのコーチで、安藤美姫や高橋大輔、荒川静香などと仕事をした話が書かれていた。多分実際には彼は口頭で話をして、それをライターがまとめた本なのだと思う。私は彼のインタビューなどを、他の機会に読んだことは無いが、ここに書かれていることを鵜呑みにすることはない。全てが自分にいいように書かれている。それでも興味深かった。

M-26

「ロシアの源流」
中心なき森と草原から
第三のローマへ
三浦清美
講談社選書メチエ274

【2010年2月14日読了】

古代ルーシの頃からイワン雷帝時代までの、ロシアの歴史を豊富な資料を活用して、まとめたもの。この手の書籍にしてはかなり読みやすい。今まで読んだものよりも、もう一つ踏み込んでいる感じがする(自分が今まで読んできたものが入門編だったのかもしれないが)。科目としてロシア史を勉強したことがないので、何となく知っていた人物の名前が、互いに闘ったり、反目したりしていることが分かった。ロシアの初期の歴史に興味のある方は読んでみてください。

M-25

「日本橋物語 蜻蛉屋お瑛」
森真沙子
二見時代小説文庫

【2010年2月9日読了】

草木染の反物やちょっとした陶器の器などを並べた店をやっているお瑛。しかし、日本橋通りという大通りにこのような店が持てること自体すごく不自然だし、なんだか読んでいて違和感がある。日本橋通りからちょっと入ったところでも良かったのに。本当の父親の名前しか分からないこと、何故自分が今の養い親の所に来たのか、など、お瑛自身が知りたいことがたくさんある。それは読者も知りたいこと。続きを読みたい。

M-24

「気まずい二人」
三谷幸喜
角川文庫

【2010年11月28日読了】

人見知りをする三谷さんが、人見知りを克服するために対談の連載をした時の対談集。ギャグ芝居を書かせると面白い三谷さんなのに、何故会話では盛り上がらないのかが不思議。対談相手も、盛り上げようとする人、一緒に黙ってしまう人など、さまざま。対談って、実は大変なんですね。

M-24

「オンリー・ミー 私だけを」
三谷幸喜
幻冬舎文庫

【2010年1月28日読了】

以前どこかで読んだような気もするが、記憶があいまいなので再読することにした。ここのところエッセーを読む機会に恵まれている女優、小林聡美の夫君である。この本自体は93年に出たものなので、かなり前のもの。私がこの人を認識したのは、ドラマや映画の脚本家だったのだが、その後映画監督もやり、自分で出演したり、色々な分野での活動が目立つ。朝日新聞に連載中のエッセーが現時点で8巻まで出版されている。しかし、夫婦揃って自分を落として笑いを取るタイプとは…。

M-23

「しずかなおはなし」
サムイル・マルシャーク
福音書店
(絵本)

【2010年1月23日読了】

「森は生きている」という有名な話(原題は「12ヶ月」)を書いたソ連の作家、マルシャークの書いた詩に、ウラジミル・レーベデフが何故かほっこりと暖かくなるような絵を付けた絵本。ハリネズミの一家と夫婦者のおおかみの話。

M-22

「猫と薔薇の日々」
松苗あけみ
ワイドKCキス

【2009年8月30日読了】

松苗あけみの家の12匹の猫達がどのようにやってきたのか、猫関係を含めて描かれている。実際には既に亡くなった2匹の猫のことにも触れているため、全部で14匹の猫に関して描かれている。猫の顔と擬人化した場合の顔もあって、今ひとつどの猫が誰だか分かりにくかったりもしたが、年取った時には年寄りに描かれていて笑った。

M-21

「虫眼とアニ眼」
養老孟司&宮崎駿
新潮文庫

【2009年3月19日読了】

脳学者の養老さんとアニメ監督の宮崎さんの3回の対談を書籍化したもの。どちらの方も有名なので名前と顔は知っていたけれど、それぞれの考えていることを言葉として読んだのは初めて。2人とも自分のこだわっている物に関して、確固たる物を持っている人なので、読んでいて潔さを感じた。巻頭の宮崎さんの描き下ろしイラストが楽しい。

M-20

「無手勝流ロシア語通訳−
ジグザグ道をまっしぐら」
ユーラシア・ブックレット126
三浦みどり
東洋書店

【2009年1月31日読了】

思ったほど面白くはなかった。有名人通訳は実名で、それ以外の方々はイニシャルか、知り合いで済まされていました。確かに実名では問題がある場合が多いのも納得は出来ますが、そのせいでか、なんだか奥歯に物が挟まった状態で、今ひとつすっきりしなかった気がします。自分で通訳と翻訳は全く別物だなあと思っていましたが、実際に通訳をやってらっしゃる方は、通訳の仕事が来ないときも毎日練習はおこたらないと分かって、感心しました。

M-19

「ホルモー六景」
万城目学
角川書店(単行本)

【2009年3月16日読了】

「鴨川ホルモー」のサイドストーリー6編。出来れば本編に続けて読んだ方が、内容が分かりやすいし、楽しめる。大学生の青春物なのに、ホルモーが絡むとこうなっちゃう、みたいな。しかし京都だけじゃなかったんですね、ホルモー。

M-19

「鹿男あをによし」
万城目学
幻冬舎(ソフトカバー単行本)

【2009年1月24日読了】

ドラマ化された作品らしい。1作目の「鴨川ホルモー」でも、日本史の古代史に当たる部分に詳しいなと思ったけど、今回も舞台が奈良で、卑弥呼関連の話題が詳しかった。それなのに、鏡とデジカメの写真では鹿男に見えてしまう自分、というのがおかしい。ポッキー好きの鹿、という設定も笑える。確かにドラマにしやすいかもしれない。

M-19

「鴨川ホルモー」
万城目学
産業編集センター(単行本)

【2009年1月6日読了】

初読み作家。第四回ボイルドエッグズ新人賞受賞作品。ネットで話題になっていたので読んでみた。奇想天外な青春物、という感じ。それなりに陰陽道のことなどが詳しく書かれていたりして、なかなか。しかし、京都が舞台なのに、登場人物が誰も京都弁を話さないのはいかがなものか。皆地方出身なんだろうか。

M-18

「だれも猫には気づかない」
アン・マキャフリー
創元推理文庫

【2008年12月25日読了】

初読み作家。元々はSF作家らしいのだが、これは中世ロマンチックもの。若い領主を残して、老摂政が亡くなったが、彼が残した秘策は、彼の飼っていた猫だった。領主の恋と政治的陰謀が絡み…という話。しかし、領主の思い人が余り魅力的に書かれていなくて、どうして彼女を選んだのか良く分からない部分もあったり。話としては面白く読みました。

M-17

「プーシキンへの誘い」
ユーラシアブックレットNo.24
藻利佳彦
東洋書店

【2008年9月15日読了】

タイトルだけで選んで読んでみたが、前半は面白かったものの、後半はかなり偏った内容で、プーシキンのことを余り知らない人には難しすぎたかもしれない。私自身もプーシキンのことをそこまで知らなかったので、ちょっと興ざめ だった。後半はいくつかの詩の内容を学術的に解釈して、それについて述べるという、どちらかというと論文のような内容 。タイトルが詩の解釈とかになっていれば最初から分かっていたのに、「誘い」という割には誘っていないないようだった。

M-16

「素顔」
三浦哲郎
朝日文庫

【2008年5月26日読了】

初読み作家。自伝的作品が多い作家だと言うことだが、この作品も自身をモデルにしたと思われる、東京郊外の家に住む娘3人と作家とその妻とブルドッグのカポネの一家の日常をつづった作品。事件と言うほどの事件は起きないが、娘達も年齢が離れている割には仲良しで、素直な感じが好ましい。

M-15

「かけがえのない贈り物−ままやと
姉・向田邦子」
向田和子
文春文庫

【2009年4月2日読了】

向田邦子さんの妹和子さんによるエッセー。ご自身の幼少の頃からのことも踏まえ、時折邦子さんの話も混ぜながら、自分の半生を語ったもの。当然姉なので邦子さんも折に付け顔を出す。本を出した時はまだ「ままや」は営業していたが、1998年に閉店となったそうだ。残念。そろそろ向田邦子さんの本も読んでみようかと思う。

M-15

「向田邦子の恋文」
向田和子
新潮社

【2008年5月2日読了】

向田邦子の妹による、邦子とその秘めたるパートナーであったN氏との手紙、N氏の日記、和子のエッセーで構成されている作品。邦子の死後20年経ってからこの作品が世に出されている。邦子の作品をまだ読んでいないので何とも言えないが、それだけのものを書いた女性の秘めた恋というものに興味があり、読んでみた。

M-14

「姉貴の尻尾−向田邦子の思い出」
向田保雄
文化出版社

【2007年10月27日読了】

向田邦子の弟が飛行機事故で逝ってしまった姉の思い出をつづったエッセー。事故の時、事故現場の台湾まで出向いて、遺体確認をし、事故現場まで出向き、遺体を火葬にして連れて帰った話も書かれていて心に響いた。向田邦子の本を読んだことはないが(手元には持っているが、まだ未読)、これからじっくり読んでみたいと思った。

M-13

「狐狸の恋」お鳥見女房
諸田玲子
新潮文庫

【2009年1月25日読了】

お鳥見女房シリーズ第4弾。今までは主人の不在で家族が一致団結していた様子が描かれていましたが、この巻では、主人が戻った後の子供達の恋物語が主に語られて、長男も次男もそれぞれ思いが実ったらしいところで終わっている。大人しかった長男の清張の様子が伺えて良かった。次の巻では、きっと息子達の結婚についての話になるのではなかろうか。

M-13

「鷹姫さま」お鳥見女房
諸田玲子
新潮文庫

【2008年2月11日読了】

お鳥見女房シリーズ第三作。前作の最後で約2年間行方不明だった主様が戻ってきたが、彼は心に大きな傷を抱えていた。珠世の悩みは心を閉ざしている主様のこと、思いがけない相手からの申し出のあった長男のこと、恋に悩んでいる次女のこと、色々ある。しかし、次女も長年の思い人のところに嫁に行くことになった。主様も少しずつ回復の兆しが見えてきた。次の巻では長男と次男の恋物語がどうなるのか、気になる。

M-13

「蛍の行方」お鳥見女房
諸田玲子
新潮文庫

【200年1月8日読了】

お鳥見女房シリーズ第二作。第一作で行方不明になった主様(珠世の旦那様)のことが心配で、それでも珠世の日々の生活は流れていく。連作短編集だが、きちんと筋が通っていて、最後にはほっとさせられたが、次の巻でどうなるか、そこら辺もうまく書かれていて、早く次の巻が読みたいところ。

M-13

「お鳥見女房」
諸田玲子
新潮文庫

【2007年7月29日読了】

初読みの作家さんです。最近は時代物、特に江戸を舞台にした作品が人気で江戸物とか言われているようですが、これは江戸が舞台でも、よくある市井物とは違って、捕物とかでもありません。将軍が鷹狩りをするために、狩場をよい状態にし、鷹を世話し、餌を飼育し、色々な仕事が発生する中、お鳥見というお役もあり、そのお役の父を持ち、養子を迎え子供たちを育て一家を守っている珠世一家のお話。何故か家族よりも多くの居候を抱え、しかし皆が仲良くやっている中で、様々な問題が発生する。珠世さんのおおらかさが頼もしい。

M-12

「クマのプーさん」
A・A・ミルン
岩波少年文庫

【2007年5月18日読了】

ディズニーのアニメでも有名なプーさんの原作。物語の中で語られているお話、という形を取っている。児童書だけど、とても楽しくなるような本で、大人にもたくさん読んでもらいたいと思った。しかし、この本を読むまで、プーさんがこんなに詩を読むクマだとは知らなかった。やっぱりイギリス人が創作したクマだけあるなあ。続編も読んでみたい。

M-11

「エミリーの求めるもの」
モンゴメリ
新潮文庫

【2010年4月10日読了】

エミリー・シリーズの3冊目にして最終巻。1巻目の「可愛いエミリー」の時からエミリーのお気に入りだったテディ、仲良しだったイルゼ、ペリーの4人の恋愛模様と、地元に残ったエミリーと、地元を旅立った3人の対比など、3冊の中でも一番青春物らしい本となっている。

M-11

「エミリーはのぼる」
モンゴメリ
新潮文庫

【2010年4月10日読了】

エミリー・シリーズ2冊目。エミリーの日記形式のところと、そうでないところが入り組んでいて、ちょっと読む方の波に乗れなかった。途中からはいい感じで読めたけれど、前半はややだれた感じが否めなかった。次の「エミリーの求めるもの」で完結。

M-11

「可愛いエミリー」
モンゴメリ
新潮文庫

【2010年3月3日読了】

赤毛のアン・シリーズで有名なモンゴメリの別のシリーズ。こちらの作品の方が、より自伝的要素が強いと言われているらしい。第一次大戦前の家の格というものが重要視されていた頃のカナダ。ニュームーン農場に引き取られたエミリーは自分の母親の年上の姉達2人とその従兄弟のジミーと一緒に住むことになる。彼女の母親は彼女の父親と駆け落ちをした後エミリーを生んで亡くなったので、伯母達は自分達の妹の面影を求めているが、父親の面影も見え隠れして、なんともやるせない。しかし、エミリーと彼女を取巻く人々、環境の描写が素晴らしい。少し翻訳がもったりして思えるが、40年前の翻訳では致し方ないかも。

M-11

「続アンの仲間たち」
モンゴメリ
篠崎書林
モンゴメリが「赤毛のアン」を発表する前に新聞に書いた短編集。今読むとかなり説教臭い話が多い。また、身寄りのない少女が親戚を発見するパターンが多いのも気になる。

M-10

「淳之介さんのこと」
宮城まり子
文春文庫

【2007年2月21日読了】

女優で養護施設「ねむの木学園」を設立した宮城まり子が、入籍はしなかったものの、人生の伴侶として寄り添った作家吉行淳之介について書いたエッセイ。実は宮城まり子の女優としての功績も、作家の吉行淳之介の作品に関しても、殆ど知らなかったので、この本を読む資格もなかったかもしれないが、これを読んで、逆に興味をもった。

M-9

「獅子座の女シャネル」
ポール・モラン
文化出版社

【2007年2月18日読了】

シャネルが前からの知り合いであった作家のモランに1947年にスイスで語った物語である。本当のことを書いてあるのか、彼女が隠したい事は書かれていないのか、謎だし、この後も彼女はカムバックして71年に亡くなるまで活躍していたので、彼女の人生後半は書かれていないわけで、そういう点が気になる人は読まない方がいいかも。でも、彼女が自分の人生の前半分をどう見せたいか、ということが書かれている点ではとても興味深かった。

M-8

「風に舞い上がる
ビニールシート」
森絵都
文藝春秋

【2006年12月14日読了】

表題作で第135回直木賞を受賞した作家の短編集(6作品)。児童文学者として認識していたので、直木賞受賞はかなりびっくりしました。表題作では国連と難民に関して、「犬の散歩」では保険所で処分されそうな犬たちを助けるボランティアに関して、「器を探して」では美濃焼という器に関して、など知らないことが知れてよかったかも。中でも私が気に入ったのは「ジェネレーションX」でした。意外性があった。

M-7

「まほろ駅前多田便利軒」
三浦しをん
文藝春秋

【2006年12月7日読了】

第135回直木賞受賞作品。かなり妄想癖のあるエッセーが楽しいと聞いていた作家の作品。初読みです。読み終わって一番最初に考えたのは、この作品が直木賞っていうのもねえ、というものでした。別に悪くもないけど、良くもない、という感想。主人公の多田のところに転がり込んでくる高校時代の同級生行天。かなりキャラの際立った人間だけれども、登場人物が皆それぞれかなりくせもの。一番普通の人間が多田なのでは?最後は人間関係に希望が持てます。

M-6

「香乱記」第四巻
宮城谷昌光
新潮文庫

【2010年8月30日読了】

とうとう兄の田栄も王になったが、親戚の裏切りでその子、田広が即位し、田横は宰相となるも、劉邦の使者に裏切られて、田広は死に、田横が(殆ど国という実体の無い斉の)王となった。だが、戦っては負けて、負けては退いて、最後には海岸まで出てしまい、その先にある島に渡ったのに、再度劉邦からの要請で漢の首都に向かった田横。その田横が首都に到着する直前に、いきなり自殺するとは思っていなくて、びっくりした。確かに甥の田広が死んでからの田横は死に向かっているだけの人だったのかもしれない。でも、自分の妻に子どもが出来ていたのだから、その子が生まれて成長するのを見たくはなかったのだろうか。

M-6

「香乱記」第三巻
宮城谷昌光
新潮文庫

【2010年8月25日読了】

ここにきて、項羽の動きが活発に。始皇帝の後を継いだ二世皇帝が死んだところまでが描かれている。始皇帝は知っていたが、彼の国は3代持たなかったのか、と思うと、世は儚いね。占いで、田栄と田横も王になると言われているので、最終巻で2人が王になるのかどうか、気になる。

M-6

「香乱記」第二巻
宮城谷昌光
新潮文庫

【2010年8月23日読了】

いわゆる日本史だと乱世の時代って感じですね。ただ、土地勘が無いので、新しい地名が出てくるたびに巻頭の地図でいちいち探さなくてはならないところが面倒。毎日新聞で連載されていた作品なので、短いインターバルでどんどん読めていく。挿絵が版画なのだが、これは連載時には毎日違う絵だったのかと思うと、全て見られなくて残念。
M-6 「香乱記」第一巻
宮城谷昌光
新潮文庫

【2010年8月22日読了】

毛色の変わったものが読みたくなって、本棚の奥から引っ張り出してきたもの。登場人物と土地名の読み方が難しいものの、読み出すと止まらない面白さがある。「項羽と劉邦」などを読んでいる人の方が、時代性を理解しているのでより面白いかもしれない。

M-6

「青雲はるかに」上下巻
宮城谷昌光
集英社文庫

上巻【2008年8月4日読了】
下巻【2008年8月5日読了】

久し振りの宮城谷作品。この人の作品は壮大な物が多く、登場人物も多いし、人の名前、地名を覚えるのに一苦労するので、覚悟してかからないと読み始められないのが難だが、一度読み始めてしまうと、途中でやめられなくなるという困った作品が殆どでいつも読み始める前に躊躇してしまう。しかし、読み終わると壮大な古代中国のロマンにうっとりするという特権が付いてくる。

M-6

「玉人」
宮城谷昌光
新潮文庫

【2007年4月30日読了】

宮城谷さんにしては珍しく、男女の色っぽい話を6つ集めた短編集。私が今まで読んだこの作者の作品はあまり色っぽいエピソードは出てこなかったように思う。色っぽい話と書いたが、色っぽいエピソードも含まれているが、結局は古代中国を題材にして、人生観を書き出したもの。「風と白猿」はミステリー風な味付け。それも宮城谷さん的には珍しかった。
M-6 「華栄の丘」
宮城谷昌光 
文春文庫
私はこの著者の作品に結構はまっています。特に中国文化が好きでもない私が、何故ここまではまっているのかは謎です。元々歴史物は好きだけど、何でだろ〜?自分でも不思議。多分読ませる作品で、ストーリーが先を読みたくなるドラマティックな展開だからかもしれませんね。
M-5 「対談集 解体新書」
群ようこ
新潮文庫

【2011年4月11日読了】

元々知り合いの人との対談と、初顔合わせの対談があったようだが、内容的にはやはり元上司の椎名誠との対談が面白かった。群ようこが、群ようこではない時代も知ってるというか。都はるみ以外はもともとの知り合いとの対談だったようで、仲の良さがしみじみ判る対談となっている。
M-5 「いいわけ劇場」
群ようこ
講談社文庫

【2011年3月31日読了】

最初は毒が効いていて良いかなと思ったが、読み進めて行くうちに、くどくなってきた。最後は流し読み。他人から見たら、なんだこりゃ、なことも、本人が勝手な理由をつけて、当然のようにやってることはよくある話だが、これは誇張されすぎている。よくもこれだけネタを拾い集めたな、と思った。
M-5

「小美代姐さん愛縁奇縁」
群ようこ
集英社文庫

【2010年11月8日読了】

「小美代姐さん花乱万丈」のサイドストーリー的な作品。前作で書かれていない、新婚生活の様子や、2人の旦那とのご縁とその妻との関係など、特に2人目の旦那とは88歳と68歳で正式に結婚もして、最後は介護もして見送ったりしたことなどが書かれている。群さんの文章は結構あっけらかんと書かれているが、小美代姐さん自身もそういう方なのだと思う。
M-5

「妖精と妖怪のあいだ」
平林たい子伝
群ようこ
文春文庫

【2010年10月22日読了】

実は平林たい子という作家については、全く知らなかったのだが、第一回女流文学賞を受賞している方らしい。群ようこ独特の突き放したような伝記を読んでいると、こういう人も居たのか、と興味がそそられた。
M-5 「あたしが帰る家」
群ようこ
文藝春秋
(ハードカバー)

【2010年4月20日読了】

短編小説集となっていたが、私の読後感では、彼女の幼少期を書いたエッセーだと思われる。今までいくつか彼女のエッセーを読んでいたが、まさに彼女の幼少期の設定どおりだから。しかし、小学生にしてはかなり冷めた目で両親を見ているし、今の彼女の元はこうして作られたのかと感心してしまった。
M-5 「小美代姐さん花乱万丈」
群ようこ
集英社文庫

【2010年4月13日読了】

群さんの三味線のお師匠がモデルの小説。ある意味、淡々と物語は進む。実際は淡々としていないのだが、何故か群さんの文章は淡々として感じる。自らの意思で14歳で芸者になり、その後結婚してからもかなりの苦労をしているのだが、持ち前の明るさで激動の昭和を乗り切った小美代姐さんである。続編があるそうなので、こちらも読破してみたい。
M-5

「あなたみたいな明治の女」
群ようこ
朝日文庫

【2010年1月9日読了】

最近群さんが得意としているエッセー絡みの人物評伝。今回は明治時代の女性を8人紹介している。ここで読まなければ、そういう人物がいたとは知らなかった、という人もいるし、名前は知ってても、そういう人だったのか、という目からウロコの人もいた。しかし、明治時代は近代だけど、実は結構古めかしいということが分かった。
M-5

「贅沢貧乏のマリア」
群ようこ
角川文庫

【2010年1月5日読了】

群さんによる森茉莉(森鴎外の娘)の評伝エッセイ。群さんは自分のことを書きながら、森茉莉のことにすんなり移行して、無理がない文章を書いている。森茉莉の書いたものをまだ読んだことがないのだが、人となりに興味を持ったので、とりあえずこの本を読んでみた。次は森茉莉の書いたものを読んでみようと思う。
M-5 「ぢぞうはみんな知っている」
群ようこ
新潮社(ソフトカバー)

【2009年8月2日読了】

群さんのエッセー。群家は群母がかなりキョーレツで、群弟もかなり自分勝手で、読んでるだけだと腹を抱えて笑ってしまうのだが、自分が群さんの立場だったら怒りまくるよな、と思ってしまう。そして群さんの飼猫とお隣の猫の話も良かった。猫ってやっぱり面白いですよ。自分が猫好きなだけかもしれないけど。
M-5 「一葉の口紅 曙のリボン」
群ようこ
ちくま文庫

【2009年3月22日読了】

群ようこが書いた明治の女性文筆家2人の話。とはいえ、2人だけについて書いたわけでもなく、他にも何人も女性文筆家は出てくるし、前に思い描いていた樋口一葉の人生とはちょっと違うような気もしたが、それは私がきちんと彼女について知らなかっただけなのかも、と思わされた。
M-5 「ビーの話」
群ようこ
ちくま文庫

【2009年2月28日読了】

群さんの住んでいるマンションの隣の部屋に住んでいる知り合いの飼い猫、ビーに関する話を中心に、群さんが猫に関する話を書いたエッセー。このビーという猫はかなり人間の話が判るように書かれているが、そういうこともあるよな、と思わせる文章はさすが。読みやすいし、猫に対する愛が感じられる。
M-5

「ネコの住所録」
群ようこ
文春文庫

【2007年2月21日読了】

エッセイを書かせると右に出るものがいないくらい、底抜けに明るい群さんの幼少からの動物との関連のある思い出などのエッセイ。自分ではペットを飼っていないのに、町内のペットたちと仲良しである様子がほほえましい。しかし、動物に絡めて、人間に対するちょっとした批判なども書かれていたりして、笑えるだけの本ではないな、と思わされた。
M-5 「亜細亜ふむふむ紀行」
群ようこ 
新潮文庫
ご自分が行った旅行に関するエッセイ。時間がないけど、擬似体験したい、という時にはうってつけかも。でも、他人がどんな旅行をしているかに興味がなかったら、つまらないでしょう。ソウル編に出てくる鷺沢萠さんが、そんなに明るいキャラだとはじめて知りました。それに彼女がソウルに留学していた事も。
M-4 「使いみちのない風景」
村上春樹
稲越功一(写真)
中公文庫

【2011年4月23日読了】

前半はタイトルどおりの写真というか風景に関するエッセー。何故かそこに使われている写真にロシアの写真があり、場所も特定できるものまであって、びっくりした。何故ここでこの写真が?3番目のエッセーに書かれている旅行好きの猫がいたら私も飼いたいものだ。
M-4

「東京するめクラブ 
地球のはぐれ方」
村上春樹吉元由美・都築響一
文春文庫

【2011年4月9日読了】

村上春樹主催の東京するめクラブによる、色々な地方へ行って、その土地について書かれている本。場所の選び方が半端じゃない。何故に名古屋とハワイと熱海とサハリン?と思ってしまう。また、それらを真面目に考証しているのが笑える。やっぱり村上さんはエッセーが好きだ。
M-4

「辺境・近境」写真篇
村上春樹・松村映三
新潮文庫

【2011年4月4日読了】

「辺境・近境」の旅に同行していたカメラマン松村映三による写真集。それぞれに付いている村上さんのコメントが結構笑える。中国の動物園の虎の子との記念撮影写真の村上さんは膝が内股になっちゃってて、顔も引きつってますね。いくら猫が好きでも、さすがに虎の子はやっぱり虎でしたか。
M-4 「辺境・近境」
村上春樹
新潮文庫

【2011年4月3日読了】

いくつかのエッセーがまとめられた本。すべてが旅行関係。讃岐にうどんを食べに行く旅が一番軽く、ノモンハン行きが肉体的にもきついかなと思ったが、地震の数年後に自身が育った西宮から神戸を歩いた記録も気分的には重たい物だと思った。アメリカを車で横断する部分は、アメリカに興味がないせいもあるけど、まあ、普通の記録かなと。写真篇もあるので見てみたい。
M-4 「ねじまき鳥クロニクル」第三部
村上春樹
新潮文庫

【2011年2月17日読了】

読了に思った以上に時間がかかった。結局はいわゆる謎の解明はなく、謎は謎のまま残っているが、人と人のかかわりや意識レベルの現実との曖昧さなどが強く印象に残った。80年代半ばの設定なのだが、家庭用コンピューターがあったりして、多分まだDOSの頃だろうし、難しそうな感じを受ける。笠原メイとの人間関係も不思議。
M-4 「ねじまき鳥クロニクル」第二部
村上春樹
新潮文庫

【2011年2月12日読了】

相変わらずの不思議な村上春樹ワールドが展開されている。夢の世界と現実が繋がっているようで、境目がはっきりしない。猫が戻ってきたことは何を象徴しているのだろうか。第三部で全ての謎が解明されるのか。
M-4 「ねじまき鳥クロニクル」第一部
村上春樹
新潮文庫

【2011年2月10日読了】

以前に読んだはずなのに覚えてなかったので再読。村上春樹はさらさらと読めてしまうのだが、イマイチ理解不能。それでも読んでみようと思ってしまうのも、才能なのだろうか。この作品も村上春樹ワールドが堪能できる。
M-4 「1Q84」Book3
村上春樹
新潮社(ハードカバー
)

【2010年8月15日読了】

Book1とBook2はそれぞれ青豆と天吾の視点で交互に語られていたのが、ここにきて牛河さんの視点からの章が挟まれることに。かなりびっくり。そしてふかえりはフェードアウト。牛河さんは他の作品にも出ているらしいので、そちらも読まないと。最後はある意味ハッピーエンドだったような。村上春樹ならあり得る話だ。
M-4

「1Q84」Book2
村上春樹
新潮社(ハードカバー
)

【2010年8月7日読了】

Book1から続けて読んでいるが、天吾と青豆の視点で交互に語られており、最後の方でやっと話がクロスするかに思えたが、話はBook3に持ち越された。リーダーは本当に特別な才能を持っていたのか、天吾は何故自分が青豆を求めているのか判っているのか、など興味深い点がいくつかあるので、続編であるBook3を楽しみに読みたい。
M-4 「1Q84」BOOK
村上春樹
新潮社(ハードカバー単行本)

【2010年8月2日読了】

話題作。村上春樹の作品はいつも「判らん」と思いながら、それでも読んでいる。青豆と天吾、それぞれの視点で書かれている章が交互に出てくる。今のところ、まだその世界が交わることはない。そして、相変わらず登場人物の仲良しが自殺していて、主要人物の男には年上のガールフレンドがいる(しかも毎度のことながら名前すらない)。村上春樹特有の摩訶不思議な世界がこれから出てくるのだと思われる。
M-4 「ふわふわ」
村上春樹・安西水丸
講談社文庫

【2010年6月25日読了】

猫好きの村上さんらしい童話のようなお話。安西さんのウマ下手?な絵と一緒になると、猫のふわふわ感が増している感じがする。しかし、村上ファンでも、猫を特に好きでもない人が読むと、「なんだこれ」にならないとも限らないので、要注意。
M-4 「風の歌を聴け」
村上春樹
講談社文庫

【2010年3月31日読了】

村上春樹のデビュー作。前に読んでいるはずなのだが、記憶が遠い彼方なので再読してみた。大学生で、休みの間に故郷の町に帰省している僕とその友達の「鼠」の話。僕と交流のある四本しか指のない女性の話とかも絡んでくる。今にして思えば、その後の村上作品が全て凝縮して入っている感じもする。
M-4 TVピープル
村上春樹
文春文庫

【2010年1月28日読了】

6つの短編を集めた作品集。ちょっと不思議なSFっぽいと言うか、ファンタジーというか、奇妙な物語。私はもしかしたら、村上さんの長編よりも短編とエッセイが好きかもしれない。読む前はTV番組に関する話かと思っていたのだが、確かにTVなんて見そうにない村上さんがそんな本を書くわけもなく、なぜそう思い込んだのかは謎。
M-4 「日出る国の工場」
村上春樹
/安西水丸
新潮文庫

【2010年1月15日読了】

村上安西コンビの色々な工場見学記。珍しいところでは結婚式場も。したことないけど、結婚式を挙げた気になれます。というか、やりたくなくなるかも、これ読んだら。モスクワ郊外の陶器工場の工程見学に行ったことを思い出した。目の付け所が面白い。村上さんも安西さんも。しかし、村上さんはエッセーだと無駄口とも思える饒舌さ加減がおかし過ぎる。
M-4

「シドニー!ワラビー熱血篇」
村上春樹
文春文庫

【2010年1月1日読了】

村上春樹によるシドニー・オリンピック観戦記の2冊目。自分でもマラソンを走る村上さんの目で見るオリンピックは一風変わった感じがする。自分も同じ時期にシドニーに滞在して、オリンピックを見ていたのだが(高橋尚子のスタジアムでのゴールは私も同じ場所に居て見ていた)、見る人が違うと、全く見えているものも違うという見本のような感じ。最後にシドニー・オリンピックの男子マラソンで途中棄権した犬伏選手と出場できなかった有森選手のインタビュー付き。
M-4 「ポテト・スープが大好きな猫」
テリー・ファリッシュ作
村上春樹訳
講談社文庫

【2009年12月31日読了】

猫好きの村上春樹の翻訳した絵本。猫好きは中々ほくそ笑みそうな良い感じの本である。自分の飼い猫とこんな関係が築けたらいいと思う。バリー・ルート氏の描く絵もいい味を出している。
M-4 「蛍・納屋を焼く・その他の短編」
村上春樹
新潮文庫

【2009年12月19日読了】

以前読んだものを再読。その割には内容を忘れていた。これは作者の早い時期の短編集だが、読みやすいが中身が良く分からないという意味では昔からのスタイルなんだということを再確認した。「蛍」は「ノルウェイの森」の、「納屋を焼く」は「ダンス・ダンス・ダンス」の原型なのだそうだ。長編は長編の、短編は短編のよさがあると思う。
M-4

「村上朝日堂」
村上春樹
新潮文庫

【2009年11月23日読了】

村上春樹のエッセー。80年代前半の話(村上春樹が35歳頃の話)で、日刊アルバイトニュースに掲載されていたもの。これだけ時間が経っている物なのに、古く感じないのは同じ時代を自分が覚えているからだろうか。村上春樹の小説はイマイチぴんと来ないまま読み続けているが、彼のエッセーはかなり好きかもしれない。猫が好きで豆腐が好きというだけで親近感が沸く。
M-4 「村上朝日堂はいかにして
鍛えられたか」
村上春樹
新潮文庫

【2009年8月13日読了】

村上春樹&安西水丸のイラスト付きエッセイ。90年代半ばに週刊朝日に13ヶ月間連載されたもの。真面目に人生を考える話から、マンションやラブホテルの名前に関してまで、色々面白くて、ためになる話などが書かれていた。週刊誌連載エッセイの一番良いのは適度な短さなので、飽きる前に読み終えられることかもしれません。しかし、村上春樹、山羊座のA型だったとは知らなかったですね。
M-4 「村上ラヂオ」
村上春樹・大橋歩
新潮文庫

【2009年7月14日読了】

村上さんが雑誌「anan」に2000年3月から約1年間連載していた50編のエッセイがまとめられている。安西さんの挿絵も好きだが、大橋さんの版画もいい感じ。どちらもほのぼのした感じが共通している。村上さんの文章も結構ほのぼの系。村上さんのエッセーをまとめて読むと、大体彼が何を考えて生活してるのかがわかって面白い。
M-4 「国境の南、太陽の西」
村上春樹
講談社文庫

【2009年6月29日読了】

バーを経営しているという設定が、何となく昔の村上春樹を思い出させるような小説。相変わらず、読みやすいけれども、深い話で、主人公の小学校時代の同級生である島本さんが謎めいた存在。今何をしているのか、全くわからない人なのに、小学生時代の思い出で25年経ってからも激しい恋に落ちれるのだろうか…。
M-4 「雨天炎天−
ギリシャ・トルコ辺境紀行」
村上春樹
新潮文庫

【2009年6月8日読了】

80年代後半に村上春樹が女性が入れないギリシャの正教の聖地、アトス半島をカメラマンと編集者と回った記録、及びパジェロでのカメラマンと2人でのトルコ外周1週旅行記。その割にはトルコ旅行は最後まで書かれてないし(途中の街までのことしか書かれてなくて、なんとなく尻切れトンボ)、アトス半島も愚痴ばかり。女性が入れないので、旅行記を読むしかないので、そういう意味では面白かった。村上春樹は小説よりもエッセイや旅行記の方が面白いのは何故?
M-4 「シドニー!コアラ純情篇」
村上春樹
文春文庫

【2009年6月2日読了】

オリンピックに興味のない走る作家村上春樹の見たシドニーオリンピック日記その1.実際にシドニーオリンピックを見に行ったものとして、同じ時期に同じ場所にいた人がどういうものを見て、どう感じていたか知りたくて読んでみた。私とは全く見たものがシンクロしてなくて笑った。後半も楽しみ。
M-4 「ランゲルハンス島の午後」
村上春樹
新潮文庫

【2009年5月9日読了】

女性月刊誌に2年間に渡り、80年代の創刊時から連載されたエッセー24編+書き下ろし1編。安西画伯の絵もほのぼのとした印象を与えている。村上春樹の文章には普遍性があるというか、あまり地域性や時代性を感じさせない文章なので、いつどこで読んでも結構面白いと思う。
M-4 「回転木馬のデッド・ヒート」
村上春樹
講談社文庫

【2009年3月24日読了】

村上春樹の短編集。人から聞いた話を村上春樹が紹介するというパターンで書かれたものを集めている。しかし、どれもこれも中途半端というか、余韻のある終わり方というか、読者が後は考えてくれ、みたいなものを感じる。それはそれで面白いと思うし、相変わらず読みやすい文章で、さらさら読めてしまった。
M-4 「村上朝日堂の逆襲」
村上春樹・安西水丸
新潮文庫

【2009年3月16日読了】

村上さんのエッセーは好きだ。自分の主張がしっかりしている人だし。こだわりというか、そういう核になる部分があるので、読んでいて気持ちがいい。彼のエッセーは他にもたくさん出ているので、順番に読んでみたいと思う。安西さんの絵も楽しい。
M-4 「アフターダーク」
村上春樹
講談社(ハードカバー)

【2009年3月11日読了】

前から思っていたが、村上春樹の書く小説は読むのは簡単だが(読みやすい文体とでも言おうか、とにかくスラスラ読める)、書いてある内容は、実際に理解するのはとても難しい。この小説も同様。とある日の夜中から夜明けまでを、時間を追いつつ、色々な登場人物のちょっとした話を披露しながら進んでいく。摩訶不思議な村上ワールド。
M-4 「村上朝日堂はいほー!」
村上春樹
新潮文庫

【2009年1月16日読了】

村上春樹の小説はどちらかと言うと苦手なのだが(と言いながらも結構読んでいる)、エッセイは結構好きである。些細なことだけど、こだわりを持って生きていることが良く分かるし、頑固だよね、この人。独特の文体、というかリズムがあって、それが小説の時と同じような感じを受ける(当たり前か)。
M-4 「村上朝日堂ジャーナル
うずまき猫のみつけかた」
村上春樹
新潮文庫

【2008年11月25日読了】

村上春樹の小説は、読んでいると、なんだか難しくて良く分からないことが多いのだが(読みやすい平坦な文章なのだが、結局読み終わったら分からないことが多い。これは自分に問題があるのかもしれないけど)、エッセイは結構好きかもしれない。時期的には「やがて哀しき外国語」に続く時期に書かれたものだったので、知らずに続けて読んだけれども時期的にぴったりだった。
M-4 「やがて哀しき外国語」
村上春樹
講談社文庫

【2008年11月17日】

90年代半ばの2年間をフィッツジェラルドの母校である大学に所属して過ごした時期の村上春樹のエッセイ。プリンストン大学のスノッブさが鼻に付きますが、それ以外は、アメリカのとある大学町での生活が垣間見れて面白いかもしれません。結局日本人が日本以外のところで生活するということは、どの国でも似たようなものだなあと思った次第。
M-4 「夜のくもざる」
村上春樹+安西水丸
新潮文庫

【2008年9月9日読了】

4年間に渡って村上さんが雑誌上での宣伝のために書いた短編とそれに安西さんが描いた絵のコラボ。36編の短編と見開きの安西さんのイラストと替え歌。シュールな、でもちょっとほっこりするような村上さんと安西さんの世界が広がります。
M-4 「東京奇譚集」
村上春樹
新潮文庫

【2008年5月6日読了】

村上春樹の長編はあんまり良く分からなくて、自分は理解できないと思うことがしばしばあるが(それでも彼の結構な数の作品を読んでいるのも事実)、短編集は結構好きかもしれない。特にこの短編集はなんとなく気に入った。村上さんの作品では誰かの発言を、話し相手がそのまま一字一句繰り返す手法がよく取られていて、うざったいこともあるのだが、この短編集ではあまり気にならなかった。
M-4 「カンガルー日和」
村上春樹
講談社文庫

【2007年4月30日読了】

不思議な村上春樹ワールドの短編集。最後の「図書館奇譚」は短編6回分の長さがある。この作品には、村上作品によく出てくる羊男が登場(挿絵も村上作品でおなじみの佐々木マキさんのもの)。いつものように優柔不断で嬉しくなっちゃいましたね。読んでも、読んでもよくわからない村上短編集でした。
M-4

「羊男のクリスマス」
村上春樹
佐々木マキ
講談社文庫

【2007年2月10日読了】

村上さんが文章を書き、佐々木さんが絵を描いたお話。村上さんの「羊をめぐる冒険」などを読んでいると、より楽しめると思われます。夢がある感じ。ある呪を解くために、羊男が冒険に出かけるんですが、結局は皆が仕組んだパーティにたどり着く、というお話。ロシアでは村上春樹は人気があるんですが、この本は翻訳されているのかな。今度本屋で探してみましょう。
M-4 「海辺のカフカ」上下
村上春樹
新潮文庫

【2006年10月25日読了】

ロシア語にも翻訳されて、かなりロシアでも人気のある村上春樹ですが、読み始めはいつもすんなり入るのですが、途中からだんだん分からなくなってきて(村上春樹の世界に入るからか?)、今回も読了するのに、かなりの努力を要しました。疲れた。「ねじ巻き鳥…」と同様、2つの話が交互に出てきて、最後はひとつになるという感じなんですが、精神論みたいなものが辛かった。言葉が分かりやすいだけに、自分だけが分からないような焦燥感にかられてしまいます…。
M-4 「遠い太鼓」
村上春樹
講談社文庫
友人に勧められました。村上春樹はロシア語訳の本がロシアでもベストセラーになっています。でも、これはエッセーです。89年頃に著者が配偶者とローマを拠点にギリシャとイタリアの各地に移り住んだ時の話です。私は何度かイタリアに行っていて、以前から「ロシア人は暗いイタリア人だ」と思っていたのですが(笑)、この本を読んでその意見を更に強い物にしましたね。特にイタリア人に対して悪態をついているところ、イタリアの代わりにロシアの文字をいれても、全然違和感ありませんもの(爆)。イタリアかギリシャの生活、または村上春樹に興味がないと、ちょっと辛いかもしれません。
M-3 「すべてがFになる」
森博嗣
講談社文庫
S&Mシリーズの1作目。犀川先生(S)と萌絵(M)シリーズなのでしょう。頭が良い人って…不思議な人が多いのかな。すでに頭が良い人が登場人物に入っているだけで、現実味が薄れています。でも、読書というものが現実逃避というか、異世界へ入り込むためのものであれば、全然OKな設定でした。ちょっとついていけない世界もあったけど(バーチャルリアリティは判らん)。とりあえずシリーズ2作目が読みたいです。
M-2

「あんじゅう-
三島屋変調百物語事続」
宮部みゆき
中央公論社(ハードカバー
)

【2011年1月25日読了】

「おそろし」の続編に当たる作品。「おそろし」を読んだのは2010年1月12日。ほぼ1年後にその続編を読んだ。百物語にするには、まだまだ足りないけれども、ここに収められている4つの話はそれぞれが色々考えさせられる話だった。現代物ではかなりどぎつい話も書ける作者が、時代物やティーンエイジャーが主人公の話だと、ほっこり系の話が多いのも不思議。
M-2 「小暮写眞館」
宮部みゆき
講談社(単行本)

【2011年1月3日読了】

切ない話。そして長い。話としては4つの中篇が集まって長編になっている形。ある意味、日常の謎タイプのミステリー。そして、宮部さん得意の少年を主人公に据えているが、いつもよりは高学年(今回は高校生)だったので、少し大人っぽい雰囲気も。ここに書かれているいくつかの家庭はそれぞれが暖かいものだと思う。そして、こういう家庭があるうちは日本は大丈夫かなと思う。
M-2 「おそろし」
宮部みゆき
角川書店
(ハードカバー)

【2010年1月12日読了】

宮部みゆきは現代物も時代物も優れた作品を書いている。ただ、現代物がかなりハードな作品もあるのに比べて、時代物はホラーとかスリラー的な内容にもかかわらず、読後感がほっこり暖かい物が多い気がする。この作品もホラー的なファンタジー時代物とでも言おうか、亡くなった人間と生きている人間が交流する。読み終わった後、こんな世の中も悪くないかな、と思える作品。続編があるらしい。
M-2 「大極宮」
大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき
角川文庫

【2008年12月24日読了】

大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆきが所属している大沢オフィスの公式サイトの中の毎週の更新分+エトセトラ。2001年3月から2002年2月までの週刊大極宮が収められている。宮部さんの語るげーむの話も分からないし、京極さんの妖怪も分からん。大沢さんのゴルフも分からん。でも、なんとなく読んでて楽しい裏話。
M-2 「チチンプイプイ」
宮部みゆき・室井滋
文春文庫

【2008年9月26日読了】

作家宮部みゆきと女優・エッセイストの室井滋の対談集。室井さんの書いた短編が面白かった。最初は初対面だったのが、段々回を追うごとに仲良くなっているのが手に取るように分かった。しかし、一番最初のきっかけが何だったのか知りたい気もするなあ。
M-2 「あかんべえ」上下
宮部みゆき
新潮文庫

【2008年8月13日読了】

宮部みゆきの時代劇ファンタジー+ミステリー物。又もや主人公が12歳の少女で、子供を主役にしたら右に出るものがいない宮部さんが、定評のある時代物を書いているのだから、面白くないわけはない。安心して読める作品。
M-2 「楽園」上下巻
宮部みゆき
文芸春秋(ハードカバー)

上巻【2007年11月15日読了】
下巻【2007年11月17日読了】

「模倣犯」の事件に関わっていたフリーライター前畑滋子を主人公にした、彼女のその後を書いた作品。「模倣犯」を読んだはずなのにすっかり忘れている私。うーむ。「模倣犯」を読んで(内容を覚えて)いた方が、より深くこの作品も読めるかもしれないが、私のように忘れている人でも十分面白かった。やはり作者としての力量が違うと再確認した。 暗い内容だが、明るい未来を暗示するような終わり方にしようとした作者の努力が感じられる。
M-2 「日暮らし」上下巻
宮部みゆき
講談社

【2007年8月21日読了】

宮部みゆきの作品「ぼんくら」の続編。「ぼんくら」を読んでからでないと、全く分からない。しかし、相変わらず宮部さんはほのぼのとした人情に篤い話が上手く、また少年が活躍する話になるといきいきしてくる。今回も弓之助とおでこのコンビがいい味を出している。でも前回ほどおでこが活躍していないのが淋しい。
M-2 「魔術はささやく」
宮部みゆき
新潮文庫

【2007年8月2日読了】

宮部みゆきお得意の少年が主役の話。しかし、彼自身も当事者ではないものの事件に巻き込まれ、周りからのいじめにも遭い、それでもまっすぐに生きているところが宮部さんらしいと思った。しかし、主人公の友人で弱い子もいるし、いじめっ子もいて、それだけではなく、社会的な問題も呈していたりして、奥の深い話だと思った。
M-2 「スナーク狩り」
宮部みゆき
光文社文庫

【2007年6月13日読了】

穏やかで誰もが慕っている人も、誰にも話さない過去があり、誰にも分からない悩みを抱えていた。ただ一人だけ、その人の闇を覗き込んだ青年が、彼がやろうとしていることに気が付いて、その事件を誘発した人の代理の女性と一緒に後を追う。本当に残酷な部分は最後の50ページくらいで、それまでは「何故そんなことになったのか」が淡々と語られていく。しかもロードムービー的な感じで。この本を読む時は日本地図を用意して読んだ方が実感がわきますね。
M-2 「淋しい狩人」
宮部みゆき
新潮文庫

【2007年5月28日読了】

作者お得意の下町を舞台にした、古書店を任されているイワさんとその孫である稔、それにイワさんの雇い主である現役の刑事(イワさんの親友だった亡くなってしまったもともとの古書店主の息子)などが登場し、毎回書籍が絡んだ事件を解決していく連作短編集。後半には高校一年生の稔の恋愛事件なども絡んで、祖父としてのイワさんの心配事なども書かれているが、イワさんと親友の話とか、もっと出てくると思っていたのに肩透かしだった気が。
M-2 「幻色江戸ごよみ」
宮部みゆき
新潮文庫

【2007年4月9日読了】

宮部みゆきの江戸時代物。彼女お得意の物の怪、少年や少女が主役のお話が「こよみ」の順番で12並んでいる。哀しい話もあるし、心温まる話もある。これだけ色々なパターンを並べられる作者も相当だ。しかし、同じ作者の時代物短編集だったら、他のものの方が好きかも知れない。やはり核となる人物がいると、話がまとまりやすいような気がする。
M-2 「あやし」
宮部みゆき
角川文庫

【2007年4月3日読了】

宮部さんお得意の深川を舞台にした、それぞれ摩訶不思議な「怪」としか言えない出来事の数々。深川の岡っ引きの手下の政五郎がその中の2つばかりに顔を出して、1つでは主役とも言えるような役割を果たしていたのが嬉しい。政五郎、小さかったっけ?彼のおかみさんは相変わらず気が回るねえ、なんて思いながら読んだ。
M-2 「心とろかすような」
宮部みゆき
創元推理文庫

【2007年3月25日読了】

元警察犬マサの一人称の作品。こちらは短編集。犬もいろいろなことを考えているんだなあと思った。長編の方がより面白い感じがしないでもなかったが、この5つの短編も10年間の間に書かれたものだそうで、書かれた時期が違うと雰囲気も変わるから、しょうがないのかもしれない。蓮見探偵事務所の面々のその後にも興味があるのだが、続きはあるのだろうか。
M-2 「パーフェクト・ブルー」
宮部みゆき
創元推理文庫

【2007年3月25日読了】

宮部みゆき長編デビュー作だそうだ。この作品は元警察犬のマサの一人語りになっているが、犬がそんなことまで知ってるか?と突っ込みを入れたくなるような…(そんな人は猫日記をサイトにアップしている管理人くらいだろうが)。最初から途中まではぐいぐい引き込まれたが、最後の詰めが甘い感じがする。まあ、その後の作者の活躍具合から、欠点も美点に変えていったのだろうとは思うが。続編もあるそうなので、読んでみたい。
M-2

「初ものがたり」
宮部みゆき
PHP文庫

【2007年2月14日読了】

本所深川の岡っ引き「回向院の茂七」が毎回手下の下っ引きである糸吉、権三と共に事件を解決していく連作短編集。手下が以前とは変わっていて、また脇役と言うか、重要な役回りに以前の身分が不明な屋台の親父がいたり(この親父の作る食い物がやたらと上手そうなのが良い感じ)、10歳の子供の拝み屋が出てきたり、趣向が凝らされている。
M-2

「本所深川ふしぎ草紙」
宮部みゆき
新潮文庫

【2007年2月12日読了】

「深川の七不思議」がそれぞれ題材になっている、深川を舞台にした短編集。どの話にも出てくるのは回向院の茂七と呼ばれる岡っ引きの親分。しかも宮部さんの得意の若い子供を主人公にしたものが、やはり光っていると思える。宮部さんの作品は時代物も現代物も、読んだ後に気持ちが暖かくなるものが多いと思う。
M-2 「返事はいらない」
宮部みゆき
新潮文庫

【2007年1月30日読了】

直木賞の候補にもなった短編集。相変わらず宮部さんお得意の少年が主人公のものが2作品、「火車」の原型のような「裏切らないで」や読み進んでびっくりするような「ドルネシアへようこそ」などがある。この最後の作品の主人公は速記を勉強しているのだが、実際に作者が速記で給料 をもらっていたことがあるとどこかで読んだことがあった。
M-2 「ぼんくら」上下巻
宮部みゆき
講談社文庫

【2007年1月17日読了】

はじめに5つの短い話が続き、次に長い「長い影」が入り、また最後に短い話が入って終わり、という多分作者が良く考えに考えて書かれた作品。同心の平四朗とその甥っ子の壮絶な美少年、弓之助がとある長屋にかかわる奇怪な事件の解決を試みる。しかし、最後の最後まで、何でお露の兄が死んだのか、私には分からなかった。しかし、この作品には続編の「日暮らし」という作品があるそうで、そちらを読んでみたら、私の謎も解けるかもしれない。
M-2 「誰か」
宮部みゆき
光文社新書

【2006年10月11日読了】

こちらがシリーズ第一作。こちらを先に読まなくても、全然問題ありませんでしたが、せっかくなので、日本から持ってきてもらいました。妻の父である会長から依頼されて、義父のプライベート運転手の遺された娘たちが書きたがっている本に関してアドバイスをする、というある意味編集者にとっていつもの仕事の延長のようなことから、結局は見つかっていない犯人探しまで首を突っ込んでしまう三郎。最後にはかなりきつい、家族だからこそ、そこまでやってしまうというある意味救いようのない状況を暴いてしまう。確かに頼まれてないけど、事実は事実として知らせた方が今後の人生にはよかったのでしょう。続きがあったら、また読みたいです。
M-2 「名もなき毒」
宮部みゆき
幻冬舎

【2006年10月2日読了】

宮部みゆきの最新刊をお土産でもらいました。実はシリーズ物の2作目。シリーズ物は1作目から読みたい私としては、ちょっと残念でしたが、ついつい受け取った後の地下鉄で読み始めてしまい、家に帰ってからも何もしないで一気に読んでしまいました。主人公は財界の著名人の娘婿でいわゆる逆玉のこしに乗った三郎君。でも、さらっと書かれていて、本当はもっと心の奥底で葛藤とかあったのだろうと思われるのですが、後々シリーズが進んだ時に書く予定なのかも。各人の性格もしっかり書かれていて、状況なども無理がなく、とにかく家族が一番と言うことが物語の中心になっていて、納得できました。
M-2 「ステップファザー・ステップ」
宮部みゆき
講談社
少年を主人公にしたら他を寄せ付けない宮部さんの、中学生の双子を主人公にした連作。何故か両親がそれぞれの愛人と家を出てしまい、2人で生活をしている双子とひょんなことから知り合った俺。しかも俺はプロの泥棒なのに、何故か双子に懐かれて…。ホームドラマチックな、ユーモア溢れる会話で綴られたお話。
M-2 「長い長い殺人」
宮部みゆき
光文社文庫
お財布が主役の連作短編集。最初は何でこの話が並んでいるのか不思議だったのですが、いくつか読むと、内容が繋がっているのがわかりました。宮部さんはやっぱり才能があるのでしょう。どんな話も読ませてしまいますね。
M-2 「我らが隣人の犯罪」
宮部みゆき
文春文庫
中学生の男の子を主人公にして、余り違和感なくミステリーが構築出来る作家。短編集で5つの話が入っています。私は一番ミステリーっぽくない「サボテンの花」が好きでしたね。ほのぼのしたい方にお勧め。
M-2 「孤宿の人」
宮部みゆき
人物往来社
結構引き込まれて読んでしまいました。内容的には良かったですが、細かいことで、ちょっとだけ時代物だったら、こういう言葉使いをするのかなあ?とういう違和感がある部分がありましたが、そういうことを考えなければ問題ありませんでした。逆に、時代物ちっくな言葉使いでない方が、読者が多くなるかも?普段だったら文庫落ちしてからでないと読めないのですが、借りて読んだ本だったので、出版されてから半年以内に読むことができました。貸してくれたお友達に感謝、感謝。
M-1 「ひとたびはポプラに臥す」
五巻、六巻

宮本輝
講談社文庫

第五巻【2009年12月4日読了】
第六巻【2009年12月5日読了】

中国をずっと横切って、パキスタンに入るところで、それまでの苦楽を共にしてきたガイド達との別れが、周りの状況によって十分に感謝が伝えられなかったところがあまりにあっさり書かれているような。もともとの鳩摩羅什の足跡をたどるという目的は情報が少なすぎて、実際に達成できたのか出来なかったのか良く分からないまま。40日間もの不自由な生活とその後の4年間にわたる週一回の新聞への連載、お疲れ様でした。宮本さんのお父さんとしての顔も垣間見れて面白かった。第六巻の表紙の写真が好き。
M-1

「血の騒ぎを聴け」
宮本輝
新潮文庫

【2009年9月22日読了】

あまりエッセイを書かないと明言している(?)、宮本輝の若い頃から最近までのエッセイをまとめた本。エッセイではないにしても、紀行文などを書いているので、それもエッセイに近いといえば、近いかも。エッセイが好きではないという割には、私は彼のエッセイが気に入っている。このエッセイ集には、自分の作品について書いている部分があり、興味深かった。
M-1 「生きものたちの部屋」
宮本輝
新潮文庫

【2009年7月19日読了】

宮本輝の95年頃のエッセイ。自分の自宅を建てた話から、軽い沢の別荘の建替えの話、そして最後に自宅が阪神大震災で壊れるまでの話が時々の日常生活も披露しながら書かれている。家、書斎、小説を書く場所というものが、宮本輝という作家にとって、どれほど大切かがわかる。
M-1 「ひとたびはポプラに臥す」(1)−(4)
宮本輝
講談社文庫

第一巻【2009年4月6日読了】
第二巻【2009年5月24日読了】
第三巻【2009年5月25日読了】
第四巻【2009年5月27日読了】

宮本輝と北日本新聞社の記者、カメラマン、宮本氏の秘書、次男という男5人で、長安からイスラマバードまで陸路での移動を実行。この本はそのたびに関するエッセーで全6巻。インドでは下痢になるのは当たり前と思っていたが、中国でも同じことが起こっている。かなりびっくりした。まだまだ旅は始まったばかりである。中国の旅はディープである。想像を絶すると言った方がいいかもしれない。第三巻の表紙の写真の女の子がかわいい。第四巻になって、やっと連載のタイトルが決まったと書かれていた。それでもまだ中国から出れていない。イスラマバードまでは、まだまだ長い道のりである。
M-1

「天の夜曲」
流転の海第四部
宮本輝
新潮文庫

【2007年2月11日読了】

松坂熊吾一家を描いた昭和初期からの物語。作者の父親がモデルといわれている熊吾。その息子信仁は作者自身がモデルか。第一部から第四部までですでに20年にわたって書かれている。あと2−3部はあるようなので、さらに10年かかるのかどうか。ここまできたら最後まできちんと読みたいものである。第四部は熊吾一家とは縁もゆかりもない富山での生活についての話。一家は皆が一緒の方がいいと思わされた。
M-1 「月光の東」
宮本輝

【2006年2月22日読了】

「月光の東まで追いかけて」と謎の言葉を残して転校していった同級生の女性について、30年後になって調べ始めて主人公。淡い初恋の思い出と共に、その女性がどのような人生を送ったのかが分かり始める。しかし、最後まで本人とはすれ違いのまま…。相変わらず宮本さんらしい話。いつも納得できないのに、彼の作品を読んでしまうのはなぜでしょう。
M-1 「彗星物語」上下
宮本輝
角川文庫
いつもの宮本さんとちょっと違う感じでした。けれども、同じ宮本さんの「ドナウの旅人」でハンガリーの話が出てきて、それに関連しているのか、この「彗星物語」はハンガリー人の学生が、まだソ連が存在していた時代(ハンガリーも共産党の国でしたね)に日本に留学しに来て、ホームスティをし、そのことによって、その家族の間にいろいろな出来事が起こった、そのお話です。おじいさんと犬がいい味出してました。
M-1 「海岸列車」上下
宮本輝
文春文庫
幼い頃に母が父以外の男性の元へ行き、その直後に父が亡くなったために叔父じ引き取られた兄妹の自分探しについて書かれた作品。兄の方は人妻のツバメで、何人も乗り換えてきたのに、とある女性と香港に行った時から、自分の生活を見つめなおし、ついには仕事でアフリカへ向かう事が決まる。妹は叔父が亡くなった後、事業を継ぐが迷いに迷っていたが、最後にはやはりこの仕事をきちんと続けていく心構えが出来るというもの。人間、皆悩んでるのね、という作品。
M-1 「血脈の火」
流転の海第3部
宮本輝
新潮文庫
流転の海の第3部を読み終わりました。第2部では自分の田舎である南宇和に戻った熊吾一家でしたが、第3部でまた大阪に戻ってきました。息子伸仁が面白い子に育っていて、これからも益々楽しみに。熊吾の健康がちょっと心配かな。続きはいつ出るのでしょうか。
M-1 「睡蓮の長いまどろみ」
上下
宮本輝
文春文庫
だんだん宮本輝の話がわからなくなってきた。私がついていけないだけなのか、彼が独自の世界に行ってしまったのか…。最後まで読んでも、結局は作家が何を言いたいのかわからない作品がいくつかあって、宮本輝の場合、この作品もそうだし、「オレンジの壷」もそうだったんですよね。宮本ワールドのお好きな方には好まれるのかも…。私にはちょっとつらかったです。

 

 

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