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あ〜/か〜/さ〜/た〜/な〜/は〜/ま〜/や〜/ら〜/わ〜

 

 

タイトル・著者
その他

感想メモ

N-19 「このささやかな眠り」
マイケル・ナーヴァ
創元推理文庫

【2011年5月3日読了】

ゲイ・ミステリーというカテゴリーがあることを初めて知った。はじめから終りまで、静かに話は進むが、底には怒りが感じられる。ゲイでヒスパニックという二重のマイノリティを抱えている主人公ヘンリーは弁護士である。麻薬に関することで知り合ったヒューと関係が始まったばかりだったのに、彼が謎の死を遂げてしまい、その謎をヘンリーが解き明かす。続きも読んでみたい。
N-18 「聖☆お兄さん」第六巻
中村光
モーニングKC
(漫画)

【2010年12月29日読了】

面白かった〜。どんどんネタがディープ化してるけど、自分が知らないネタでも笑えるくらいオカシイ。ロックしてる弁天様とか想像できなかったけど、ついつい想像して笑ってしまった。弟子にも天使にも女性がいないので、女性が少ないから、もしかしたらマグダラのマリヤとか出てもおかしくないのにな〜と思う。

N-18

「聖☆おにいさん」
第1巻、第2巻、第3巻
中村光
KCモーニング(漫画
)

第1巻【2010年10月23日読了】
第2巻【2010年10月27日読了】
第3巻【2010年10月29日読了】

イエス・キリストとブッダが天上でも仲良しで、下界で休暇を一緒にアパートの一部屋で過ごしているのが、日本の立川というシュールな設定が、まず面白い。そして、かなり2人の人生や、宗教上の細部にわたっても細かく書かれていたりして、結構びっくり。しかもそれをギャグにしてしまうセンス。どこからそのような発想が得られたのか、一度調べてみたい。

N-17

「音楽を仕事にして」
中藤泰雄
ぴあ
(単行本)

【2010年3月15日読了】

ジャパンアーツ会長の中藤さんが、音楽家を招聘したり、日本のアーティストを海外に送り出したり、などという仕事を始めてからの30年間のさまざまなことお書きになった本。私はバレエの招聘元としてのジャパンアーツを知っていたが、どちらかというと音楽家に強い会社かなとは思っていた。舞台製作というよりはコンサート系に強い方だったんですね。
N-16 「わたし猫語がわかるのよ」
日本ペンクラブ編
光文社文庫

【2010年3月11日読了】

日本ペンクラブの会員による猫関連エッセー。殆ど知らない人たちだったが、浅田次郎や米原万理などの文章が印象的。どの猫も皆飼い主との関係がそれぞれ独自な関係でほぼ人間関係のようで面白い。私も猫語が分かる人間の一人らしいので(猫を飼っているので)、歴史を作っているということかな。

N-15

「漱石の思い出」
夏目鏡子述/松岡譲筆録
文春文庫

【2009年10月2日読了】

文豪夏目漱石の妻、夏目鏡子が長女の婿であり、夏目晩年の弟子の一人でもあった松岡譲に語って聞かせた、夏目漱石と見合いをしてから死別するまでの20年間。鏡子は恐妻と言われていたらしいが、私から見れば、明治時代の女性としては珍しく、きちんと夫婦の愛情も見られるし、夏目漱石に関して、身近で見て知っていることをきちんと後代に伝えている良い思い出話だと思った。
N-14 「猫は何を思って顔を洗うのか
キャット不思議ウォッチング」
沼田朗
PHP文庫

【2009年3月4日読了】

猫に関する話を雑誌に掲載していたものをまとめた本、だそうです。作者の父親は犬に関する本を書いた方だそうで、犬も猫もOKな家庭とはなかなか面白いですね。大体は読んだことがあるような内容でしたが、作者の接していた猫の行動を例にとって話が書かれていて、それって上手すぎないか?とか思ったこともあるが、実際問題として、自分の飼猫と飼い主の関係は一筋縄では行かないので、本当のことだとしても驚かない。
N-13 「のだめカンタービレ」25巻
二ノ宮知子
講談社コミックスキス

【2011年1月15日読了】

本当に本当の最終巻。ほんわか皆を幸せにしてくれるような終り方でよかった。そして、特別書き下ろしの「ターニャ・カンタービレ」がなんとも言えない!ターニャは自分勝手で我がままみたいだけど、実はそうじゃないって言う部分が描かれていて、しかもそれを黒木君のいとこが判る、という仕組み。このいとこが読者みんなの代表みたいに思えた。
N-13

「のだめカンタービレ」24巻
二ノ宮知子
講談社コミックスキス

【2010年5月18日読了】

本編終了後のサイド・ストーリー的なオペラ編。一応本編の続きという形は取っているものの、焦点になっているのは、千秋とのだめの恋愛や人間成長物語ではなく(一応色々なことが行われていくうえで、人間の成長は含まれてるけど)、民間オペラ公演を成功させるための活動に関して。本編以上に一癖も二癖もある仲間が集まっている。しかし、一番びっくりしたのは黒木君のターニャへの告白でしょう。
N-13

「のだめカンタービレ」23巻
二ノ宮知子
講談社コミックスキス
(漫画)

【2010年2月28日読了】

いやあ、いきなり最終巻ですよ。外伝があるらしいのですが、まだ単行本化してないので、読めていません。連載派の方は読んでいらっしゃるのでしょうね。結構色んな意見があった最終巻ですが、私的には納得できる終わり方だなあと。二ノ宮先生、ご苦労様でした。ここまで映画とかアニメとかになってしまって、ある意味自分の手を離れてしまった(しかも連載中に)作品を終わらせるのは大変だったと思いますが、次の作品も期待してます。
N-13 「のだめカンタービレ#0
キャラクターブック」
二ノ宮知子
講談社

【2009年3月15日読了】

これは多分コミックの別冊、という感じでしょうか。今のところ「のだめカンタービレ」を1巻から21巻まで読んでいて、このキャラクターブックは1巻から13巻までの登場人物を網羅しているらしいです。大体は分かっていたことだけど、いくつか発見したこともあるし、結構な割合で血液型はB型が多いとか、変なことが気になりました。

N-13

「のだめカンタービレ」
二ノ宮知子
講談社コミックスキス

1−5巻
【2008年12月21日読了】
6−21巻
【2009年2月23日読了】
22巻
【2009年12月23日読了】

前から読みたいと思っていた作品。まとめて読める機会が回ってきたので借りてきました。いやいや、ちょっとお下品なところもありますが、がいして面白いですね。先が楽しみ。

16冊一気読み。しかも、何度も繰り返して読んでしまった。最初の5巻だけを前に読んでいたが、後半になって俄然面白くなってきた。勿論これは人間関係が深くなっていることと関係があると思う。登場人物の相互関係などもどんどん変化していて、次を読みたくてたまらない。 23巻が最終巻だそうで。その後オペラ編があるらしい。そっちも楽しみ。

N-12

「猛スピードで母は」
長嶋有
文春文庫

【2008年11月30日読了】

第126回芥川賞受賞作である表題作と文学界新人賞受賞作「サイドカーに犬」が収録されている。初読み作家。作者が男だと読む前から分かっていたのだが、知らなかったらきっと女性だと思ってしまったほど、女性に関する描写が鋭い。しかも思春期の子供の心の動きも上手くかけている。不思議な作者。

N-11

「ザ・ウィスキー・キャット」
W・C・ニコル/著
森山徹/写真
講談社文庫

【2008年10月5日読了】

ウィスキーを造るスコットランドの酒蔵に住んでいる猫が物語る、古きよき時代の酒蔵猫に関するお話。一匹のオス猫の目から見た、師匠であるメス猫との関係や、怖い銃を持った人間のこと、エネミーという名の凶暴な巨大なねずみとの死闘で亡くなった師匠猫のこと、その後やってきた子猫、引退したジムじいさんの話。どれもこれも暖かくなるお話がたくさん。写真もたくさん。

N-10

「漱石の孫」
夏目房之介
新潮文庫

【2007年10月4日読了】

夏目漱石の孫による、祖父である漱石、父である純一、孫である自分という3代について書かれたエッセイ…かと思いきや、途中で作者の専門分野である漫画論が書かれていたり、どんどん脱線していく。私は特に漱石が好きなわけでもなく、作品もそんなに読んでいるわけでもないのだが、ノンフィクション的なものも興味があるので読んでみました(こういうのをノンフェクションに分類するのかどうかは別として)。有名人の家族というのは大変なんだなあというのが感想です。しかし、いくら孫でも漱石本人に会ったことがなければ、漱石だって、ただの有名人ですよね、はい。

N-9

「旅猫三昧」
新美敬子
講談社文庫

【2007年5月21日読了】

猫と犬を中心に撮影している女性カメラマンのエッセイ。よく猫雑誌で見かけていた人なので、何気なく手に取ったが、かなり自分を持った人で、曲げないところが良く出ている。日本人的にはきつすぎるかもしれないが、ここまで明快だと凄いと思う。元々はカメラマンではなく郵便局勤務だったとか。

N-8

「猫とフトンとゲームがあれば、
今日も明日も大丈夫!」
のみねこ
新風舎

【2007年4月21日読了】

ブログで公開されていた1こま、もしくは2こま漫画が本になったもの。擬人化されたマックPCがいい味出してる。3匹の猫が出てくるが、結局今の同居猫は1匹らしい。猫の猫らしい部分が良く描かれていると思う。うちの猫でもよくあるよ、こういうこと、って同意できる部分が多いし。ほんわかしたい猫の好きな方にどうぞ、とおすすめしたい。

N-7

「人呼んで純情正ちゃん」
ねじめ正一
集英社文庫

【2008年7月30日読了】

詩人、エッセイスト、小説家のねじめ正一のエッセイ。これを読んだら、人間何かが好きで、一生懸命願っていればかなうこともあるんだなと思った。ねじめさんの場合は、長嶋が好きで、会いたいと願い続けて、結局はTVの仕事の関係か何かで対談という形でお会いできたということだが。なんとなく地元の話も笑えて面白い。

N-7

「本日開店」
高円寺純情商店街
ねじめ正一
新潮文庫

【2007年3月13日読了】

ねじめ正一の直木賞受賞作「高円寺純情商店街」の続編。実家がかなり近い場所に位置していて、何となく身近に感じる杉並区である。実家のそばの商店街の酒屋でバイトをしたこともある身として、商店街の話は何となく見過ごせない感じ。作者と同じ名前の主人公が進路をどうするか決める頃、商店街の将来も大型スーパーの進出が決まり、ご近所さんも引っ越して行ったりする。寂しい感じで終わっている。

N-6

「吾輩は猫である」
夏目漱石
新潮文庫

【2008年10月30日読了】

読了までやたらと時間がかかりました。やっぱり古典ですね。注釈が異常に多かったのにも惑わされました。話がすんなり進まずに(まあ、何か事件が起こるとか、そういう筋でもないけれど)、うんちくも多いし、関係ない話でぐだぐだ続いていて、読むための集中力がかなり必要で疲れました。。。

N-6

「坊ちゃん」
夏目漱石
集英社文庫

【2007年1月16日読了】

古典と呼ばれる文学作品の作者と作品名、粗筋は知っていても、自分で読んだことがないものが多いことに気が付いたので、手元にあるものから読んでみることにした。手始めにこの作品である。今もこんなに正直で素直な人がいたら大変だと思うのだが、いてくれるといいなあという気にもなる。何故か思っていた以上にマドンナが活躍していないことに気が付いた。思い込みとは困ったものである。

N-5

「十津川警部 
赤と青の幻想」
西村京太郎
文春文庫

【2006年11月4日読了】

十津川警部シリーズがたくさんあるのは知ってるけど、あんまりこの作品だけを読んでも、彼のことは分からない。シリーズ物の場合、もちろん第一作から読むのが良いに決まっているのだが、そうでなく、途中から読んだ場合でも、ある程度人間関係とか、主人公に関して分かるようにしてもらいたいものです。それに、ミステリーの解決が、かなりいい加減です。強引過ぎ。終わり方も尻切れトンボだったかも。かなり不満が残る作品。

N-4

「てるてる坊主の照子さん」
上中下巻
なかにし礼
新潮文庫

【2006年8月13日読了】

以前に放送されたNHKの朝の連続ドラマの原作。戦前から戦後にかけて、結婚して4人の子供を育てながら、家業のパン屋と喫茶店を経営した照子さん一家の明るいながらもほろりとする小説。この一家にはモデルがあり、4人の姉妹は長女が68年のグルノービル・オリンピックに出場した石田治子、次女は女優、歌手であるいしだあゆみ、四女は宝塚音楽学校を卒業し、1年足らず歌手をやって、その後作詞家なかにし礼夫人となったそうである。連続ドラマの方は1−2回見たくらいだったけれども、面白そうな話だったので、いつか原作が読みたかったのだ。なかにし礼の作品は暗いという印象があったが、この作品は照子さんが思いっきり前向きで明るいためか、印象がかなり違っている。お勧め作品です。

N−3

「沼地のある森を抜けて」
梨木香歩
新潮文庫

【2009年12月8日読了】

「家守綺譚」や「村田エフェンディ滞土録」が好きで、その他の作品も読み進めてきたが、この作品はかなり毛色が違う気がする。ファンタジーなのか、妄想なのか。物語の途中で挿入されている寓話?のようなものもあり、少しだけ村上春樹を髣髴とさせる。曽祖父母から伝わった「ぬかどこ」から始まる生命の神秘なのか。風野さんの言葉遣いがだんだん女性っぽくなくなっていったところが気に入った。第16回紫式部文学賞受賞作品。第5回センス・オブ・ジェンダー大賞受賞作品。

N−3

「西の魔女が死んだ」
梨木香歩
新潮文庫

【2008年4月18日読了】

以前に単行本で読んでいた作品。文庫本になって、後日談ともいえる「渡りの一日」が追加されたので、再読。まいのその後の様子が分かるけれども、ちょっと堅苦しく成長しているようである。その堅さは人生において欠点にも美点にもなりそうです。

N−3

「村田エフェンディ滞土録」
梨木香歩
角川文庫

【2007年7月12日読了】

梨木さんの「家守綺譚」と登場人物が若干重なる作品。どちらも読むと、より理解が深まると思われる。 100年ほど前の、当時の外国にいた日本人の様子や下宿での外国人同士の交流、土耳古の人々との交流など淡々と話は進むが、最後にショックな報告が。梨木さんがイギリスに滞在していた時の下宿がモデルになっているのでは?と思える下宿の人々の交流の様子が印象的。

N−3

「春になったら苺を摘みに」
梨木香歩
新潮文庫

【2007年5月1日読了】

梨木さんがイギリスに留学していた時の下宿先の女主人ウェスト夫人と、彼女の知り合いのさまざまな人々との交流を書いたエッセイ。大学生時代の留学時とさらに20年ほど経った後に再びイギリスに長期で滞在した時の話、またNYでのウェスト夫人一家とのクリスマスの話などが書かれている。梨木さんは本当にまじめな人だという印象を持ちました。

N−3

「家守綺譚」
梨木香歩
新潮文庫

【2007年2月3日読了】

 

話のどこにも書かれていないが、文章を読んだだけで明治か大正の頃の文章だと感じることが出来る。日本語というものは美しかったのだなあと感じ入った。ある意味、「しゃばけシリーズ」の妖たちのような小鬼などが出てくるのだが、それに対して主人公の征四郎も、飼い犬の世話をしてくれる隣のおかみも全く動じないのが良い。動じないどころか当たり前という態度。話に出てくる征四郎の友人の村田の土耳古滞在記も出ているので、そのうち読みたいものだ。

N−3

「エンジェル エンジェル 
エンジェル」
梨木香歩
新潮文庫

【2006年12月15日読了】

とっても不思議な梨木ワールド。主人公の年齢設定がイマイチはっきりしないものの、中学生か高校生。ほぼ寝たきりの祖母を両親が引き取ったことにより、祖母の夜中のトイレ補助を手伝う代わりに熱帯魚を買うことになる。祖母はほぼ寝たきりで、老人性痴呆症も進んでいるようだが、熱帯魚を飼い始めてから、夜中に主人公と、まるで同年代の少女のように話を始める。間に祖母である「さわちゃん」の女学生時代の思い出が、当時の書き言葉で挟まれている。「さわちゃん」のおばあさんのこと、学校での話、教会でのこと、それが何故か現在のコウコの生活などにも影響があるのかな、と思わせるような内容。ほっこりしました。

N−3

「裏庭」
梨木香歩
新潮文庫

【2006年8月18日読了】

1995年に第一回児童文学ファンタジー大賞を受賞した作品。児童文学とはいえ、内容はかなり高尚。中学生でも難しいかもしれない。主人公は13歳の少女照美。両親がレストランを経営している関係で、一人で留守番をしていることが多い。その照美には6年前に亡くなった双子の弟がいた。また、町外れに今は誰も住まないバーンズ屋敷があり、戦前にはイギリス人一家が住んでいた。照美はそのバーンズ屋敷の「裏庭」に入り込み、崩壊してゆく「裏庭」で仕事をすることになる。ここでのテーマは「癒し」と「他人との関係」。家族でも関係を築くのが難しい場合もあるし、他人でも関係を築きやすい場合もある。日本ではファンタジーは難しい分野だと思うが(伝承の話とファンタジーは別だし)、イギリス人一家を配することによって、無理なくファンタジーの世界にいざなってくれる作品。

N−3

「からくりからくさ」
梨木香歩
新潮文庫

【2006年7月31日読了】

7月1日に読み終わった「りかさん」の前の話。時間的には「りかさん」の時に小学生だったようこが高校を卒業した後の話なので、「りかさん」を先に読んでいても、あまり問題はなかった。「りかさん」に同時収録されている「ミゲルの庭」でミゲルを置いて留学しているアメリカ人女性のことも書かれているし、この4作品はそれぞれが絡んでいて面白い。読む前に考えていたよりも、「からくりからくさ」は重い内容だった。しかし、読んでいて嫌になるような重さではなく、先が気になる重さ、かな。先祖の謎解きのようなものも含まれていて、一気に読ませる。これは絶対に児童文学ではないと思う。

N−3

「りかさん」
梨木香歩
新潮文庫

【2006年7月1日読了】

梨木さんの著作は「西の魔女が死んだ」に続いて2冊目です(「西の〜」は05年8月に読了)。分野的には児童文学になると思われる作品ですが、子供向け、というわけでもなく、読んだ後に不思議な気分になります。この「りかさん」はリカちゃん人形が欲しかった小学生のようこがおばあちゃんから「りかさん」という人形をもらうところから話が始まります。この「りかさん」はようこと話が出来るのです。またようこもりかさんを通して、他の人形の話している内容が分かったりします。ファンタジーなだけではなく、おばあちゃんとようこの両親の関係とか、色々な話が絡んできます。

「ミゲルの庭」という書き下ろし作品も同時収録されていました。あとがきを読むまで、この作品に出てくる「容子」が「りかさん」のようこだとは気が付きませんでした。なんでもこの書き下ろし作品は「からくりからくさ」という作品の続編になっているらしく、そちらにもりかさんとようこが出てくるらしい。これは絶対に「からくりからくさ」も読まなくては。

N-2 「自白」土門功太郎
乃南アサ
文藝春秋
(単行本)

【2011年1月16日読了】

土門を主人公に据えた、昭和を舞台にした刑事小説。なぜか牧歌的。乃南さんの作品なので、サクサク読めるのだが、あまり後には残らないかもしれない。乃南さんの作品では女性が主人公の方が、話に入れるというか、世界観がまとまっている気がする。

N-2

「いつか陽のあたる場所で」
乃南アサ
新潮文庫

【2010年8月17日読了】

受刑者が出所してからどう自分の人生を立て直していくか、というかなり重いテーマを2人の女性を対比させながら書いた本。そこに「ボクの町」「駆け込み交番」の高木聖大君まで登場するとあっては読まないわけには行かない。シリーズ化するようなので、続きが出たらぜひ読みたい。

N-2

「しゃぼん玉」
乃南アサ
新潮文庫

【2008年5月16日読了】

自暴自棄になってひったくりや強盗傷害を起こしてヒッチハイクをした挙句に運転手を脅していたのに、気が付いたら山奥で置き去りにされていた伊豆見翔人が、ひょんなことで助けた老婆の家で寝起きをするようになり、近所の人たちから孫と間違われて、段々人間らしい交流をするようになり、自分から自首をして、またその寒村に戻ってくると言う話。家庭らしい家庭もなかった小さい頃のことから今までの人生を振り返って、やり直そうと思う翔人の回生の物語。

N-2

「駆けこみ交番」
乃南アサ
新潮文庫

【2007年11月13日読了】

「ボクの町」の続編。「ボクの町」では見習い巡査だった聖大が正式な巡査として都内の住宅地にある交番で勤務についています。大きな事件はないけれど、地域のお年寄りのグループと仲良くなったり、そのグループが、実は色々な活動をしているのを、彼自身は知らずに手伝っていたり、捻りが効いています。同じ作者の別の作品にもちらっと聖大が顔をだしているものがあるそうなので、そちらも読んでみたいです。

N-2

「嗤う闇」女刑事音道貴子
乃南アサ
新潮文庫

【2007年5月21日読了】

音道シリーズの短編集第三弾。他に音道が主人公の長編が3つある。乃南さんのホラー物はあまり好きではないが、音道が主人公の作品は結構好きで、新作が出ると読んでいる。今回の作品4編は音道が隅田川東署に異動になってからの作品。前の部署の時から付き合っている相手とも安定しているようで、結構な事だ。仕事での以前のパートナーである(しかし音道は苦手としている)滝沢の娘夫婦のいざこざに巻き込まれる「木綿の部屋」が良かった。
N-2 「風邪の墓碑銘」
乃南アサ
新潮社

【2006年10月30日読了】

女刑事・音道貴子シリーズ。最初の作品でコンビを組んだ中年の滝沢刑事と、再びコンビを組んで事件を追う。事件自体は結構すさんだ話で、こんな救いようがない事件を良くも考えるなと思ったけど、今の世の中なら何でもアリかも、とも思ったり。他に同じ署に勤める鑑識の女性奈苗がからみ、女性の嫌らしい面も思いっきり書かれている。こういう嫌な話、乃南さん、得意です。
N-2 「鎖」上下
乃南アサ
新潮文庫
プライドの高い星野と言う刑事とパートナーを組まされることになった音道貴子刑事が事件に巻き込まれ、刑事自身が監禁される。配置換えになった以前のパートナー、滝沢刑事も登場し、音道ファンの読者にはたまらない2冊(上下巻ですので)。
N-2

「女刑事音道貴子
花散る頃の殺人」

「鎖」上下

「未練」
女刑事音道貴子
【2006年5月読了】

乃南アサ
新潮文庫

「凍える牙」で活躍した刑事、音道を主人公とする短編連作集。凄いヒーローと言う訳でもなく、女性だから悩んでいる事もあるし、かなり等身大の30代のワーキングウーマンと言う感じ。私は好きです。最後の特別付録、「滝沢刑事と著者の架空対談」が良かった。読んでいない方は「凍える牙」から読んで下さい。

「鎖」は「凍える牙」の後に起こった話です。なんと今度は音道自身が捕らわれて監禁される、というショッキングなお話。しかも、町自体が寂れてしまい、営業しなくなった旅館街の一角、という見つかる可能性が少ない場所。本来であれば2人一組で聞き込みをしなくてはならない警察官が、相棒になった男性刑事の身勝手さによって一人で聞き込みをしたがためにこのようなことに。かなり女性として身のつまされる部分もありましたが、救いだったのは、以前音道と組んで仕事をした刑事が助け出してくれたことでしょう。

「未練」は短編集。「鎖」の直後と思われる音道の何気ない話なども書かれていて、良かったです。最後の「殺人者」はほんのちょっとだけしか音道は出てこないけど、いい話です。

N-1

「日本夫婦げんか考」
永井路子
中公文庫

【2010年10月28日読了】

日本史上の有名な17例の夫婦げんかから、夫婦の在り方を探ったエッセー。古代から江戸時代までと範囲が広い上に、神話の夫婦まで取り上げているので、本当にさまざまである。日本史を別の角度から眺めるための本。
N-1 「日本史にみる女の愛と生き方」
永井路子
新潮文庫

【2010年10月16日読了】

日本の美女、賢女などの九項目について、それぞれ3−5人の例を挙げながら、永井さんの思うところを書いた物。知らない人についても書かれていたので、色々考えさせられた。
N-1 「噂の皇子」
永井路子
文春文庫

【2009年4月7日読了】

王朝物語短編集。8つの作品が収められているが、藤原道長の時代の前後くらいのもので、1つの話の登場人物が次の話にもチラッと顔を出していたりして、少しずつだが、時代が重なっているのが分かる感じ。上手いつくりだと思う。また永井さんの作品は安心して読めるのがいい。最後の作品だけ、読みにくく感じた。
N-1 「姫の戦国」上下
永井路子
文春文庫

【2008年11月16日読了】

今川義元の母、寿桂尼が京の貴族の娘だったところから、今川家に嫁ぎ、17歳年上の夫に仕え、夫が急死した後も子供達を支え、しかも3人の息子が全員亡くなった後も生き延びたところまで描いている。徳川家康の最初の妻は今川の人間とは聞いていたが、今川家の人間ではなく、その家臣の娘だったと初めて知った。
N-1 「裸足の皇女(ひめみこ)」
永井路子
文春文庫

【2007年6月22日読了】

王朝物短編連作。天智天皇から藤原4兄弟がのし上がって来る頃辺りの時代物。9作品中7作品が登場人物が重なり合っていて、ちょっとずつつながったお話という印象を持つ。この時代の作品は、考古学的発見によっても事実が大きく変化するため、書かれた年代にも注目してみたが、ほぼ70年代半ばから80年間後半で、10−15年間に書かれた作品が集められていた。
N-1 「王者の妻」上下
永井路子
PHP文庫
「秀吉の妻おねね」という副題が示すとおり、おねねを主人公にした戦国時代の話。知っているようで知らなかった話などもあり、結構面白かった。ずっと何故か下巻だけが手元にあったので、わざわざ日本から上巻を持ってきてもらったもの。

 

 

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