homeBooks

サーチ:
キーワード:

Amazon.co.jpアソシエイト

Booksのページ「さ〜」

 

 

このページ以外にも感想があります。そちらは著者名ごとにページが別れています。

あ〜/か〜/さ〜/た〜/な〜/は〜/ま〜/や〜/ら〜/わ〜

 

タイトル・著者
その他

感想メモ

J-1 「アブダラと空飛ぶ絨毯」
ハウルの動く城2
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
徳間書店(ハードカバー)

【2008年9月3日読了】

ハウルの動く城第二弾。しかし、主人公はハウルではなく、隣の国の絨毯商人アブダラ。彼が恋した姫君がジンにさらわれたので、追いかけて行ったが、ハウルもその妻のソフィーも行方知れず。これはこれで面白い作品だが、ハウルとその妻のソフィーが好きだった人には面白くないかもしれない。最後にちょっとだけハウルとソフィー、その息子も出てくるけど。
J-1 「魔法使いハウルと火の悪魔」
ハウルの動く城1
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
徳間書店(ハードカバー)

【2008年9月1日読了】

宮崎駿アニメ「ハウルの動く城」の原作。アニメは原作を読んだ時点では未見。原作だけでも大変面白いので、きっとアニメも良い作品に違いない。少女が老婆に姿を変えられてしまい、しかもそれを自分から他人には言えない(他人に言われたら、その人には本当のことを言うことが出来る)という決まりがある。しかし、どうして他人の姿をしているのに、継母や妹には、それがソフィーだと分かるのか不思議。夢のある作品だと思う。続編あり。
S-36

「ロシアン・ジョーク」
酒井陸三
学研新書

【2010年11月2日読了】

タイトルの割には、アネクドートを交えた、著者の体験したここ19年間のソ連・ロシア事情というのが正直なところ。読みやすく、とっつきやすいのだが、ジョーク集を期待している人には向かない。それに、ジョーク集だと思って手にとらない人もいるかもしれないので、その点、残念である。タイトルは重要。
S-35 「飼猫ボタ子の生活と意見」
曽野綾子
河出文庫

【2010年4月12日読了】

実際の曽野綾子さんと三浦朱門夫婦をパロディ化しているような作家夫婦に飼われているボタ子という猫が書いた体裁を取っているエッセー。曽野綾子さんの仕事の関係で、どうしてもアフリカでのNPO活動の話とかが多く、ちょっと予想していたのとは違う内容だった。猫仲間は1匹しか出てこないし、家族との関係も曖昧過ぎるように思われる。しかし外飼いの猫はこんなものかもしれない。
S-34 「朗読者」
ベルンハルト・シュリンク
新潮文庫

【2010年1月22日読了】

映画「朗読者」の原作。原作はドイツ語で、タイトルは「読む男」という意味になるそうだ。映画を先に見たせいか、原作と映画の違いを意識しながら読んだ。映画は時系列に添って話が進んでいくが、原作は「僕」(ミヒャエル)の回想と一人語りで進んでいくので、時系列が進んだり戻ったりする。映画よりも深い部分で問題を捉えることができると思う。やはり映画の原作と映画とは別に考えた方がいいと思った。
S-33

「私の浅草」
沢村貞子
新潮文庫

【2010年1月6日読了】

名脇役で知られた女優沢村貞子の書いた自身が生まれ育った当時の浅草の生活の様子を中心に書いたエッセイ。大正、昭和初期の浅草の様子が良く分かり、今では失われてしまった庶民の生活ぶりが手に取るように書かれていて大変興味深い。文章も読みやすく、彼女の他のエッセーも読んでみたくなった。
S-32

「闘うバレエ」
佐々木忠次
新書館
(ハードカバー)

【2010年1月6日読了】

NBSを主催している佐々木氏のこれまでの活動に関して、自身で書かれた本。大変興味深く読んだ。勿論これだけの業績を残した人なので、人脈や運などに恵まれているのは判っていたことだが、自身の興味が最初はバレエになかったことなど、新鮮な気持ちで読んだ。ただし、他組織のやり方などに批判めいたことをちらっと書いている部分は、自分を抑えられなかったものと見える。
S-31 「イスタンブールからバスに乗って」
澁澤幸子
恒文社21
(単行本)

【2010年4月25日読了】

澁澤さんの本を読むのは2冊目。特にトルコに興味があるわけではないのだが、紀行文として読むのは大変面白い。トルコがこんなに遺跡だらけとは知らなかった。トルコ語が少しでもできると、トルコ人の態度が変わるというのはロシアも同じだと思うが、元々愛想がいいかどうかはまったく別の問題である。
S-31

「イスタンブール 時はゆるやかに」
澁澤幸子
新潮文庫

【2009年12月2日読了】

私は澁澤龍彦の作品を読んだことがない。この作者は澁澤龍彦の妹だそうだ。彼女がトルコにはまったきっかけと、何回目かの旅行を1冊の本にまとめたもの。この本を読んで、高橋由佳利の「わたしもトルコで考えた」を思い出した。渋澤さんの凄いところは、ちょっと話して、相手が信用できるかどうかを判断してしまうこと。そして、危ない目に遭っても自分で対処できている。トルコもロシアと同じで、はまると底なし沼のようである。
S-30

「巡査の休日」
佐々木譲
ハルキ文庫

【2011年6月13日読了】

道警シリーズ第四弾。小島巡査がメインで、逆に佐伯が殆ど目立たない。前作までの三作のまとめのような形になっている。今は別々の部署で働いているけれども、個人的に何かを調べたりする時には、信用できる仲間と動きたい、というのはとてもよく分かる。この面子はそういう仲間なのかな、と思う。
S-30

「警官の紋章」
佐々木譲
角川春樹事務所
(ハードカバー)

【2011年6月13日読了】

道警シリーズ第三弾。前の2冊の内容の詳細を忘れていたので、思い出すまでに時間がかかったが、それを気にしなければ、一気に読める。小島巡査の自信過剰がちょっと鼻に付くが、大臣を狙うストーカーの登場の仕方がハデだったり、いい意味で予想を裏切られた。小島と佐伯はどうなるのか興味がある。
S-30 「警官の血」上下巻
佐々木譲
新潮文庫

上巻【2010年3月7日読了】
下巻【2010年3月9日読了】

戦後から現代までの約60年間を3代の警察官を出した家族を軸に、初代の謎の死因を絡め、また時代性を存分に描き出した作品。戦後の混乱期の下町の様子や大学闘争時代の大学生の様子なども書かれていて興味深い。もっと家族の絆めいたものを書いた作品かとも思っていたが、そういう点ではあてが外れた。しかし、別の意味でとても興味深く読了した。
S-30 「警視庁から来た男」
佐々木譲
ハルキ文庫

【2009年12月10日読了】

「笑う警官」の続編ともいうべき話。道警シリーズ第二弾だそうだ。「笑う警官」で活躍した佐伯、新宮、津久井、小島たちがまたしても事件を解決する。こうも立て続けに同じ地域で事件があると、この地域はやばいなあと思ってしまうのだが、前の事件から引き続きという形であれば、無理もないかもしれない。シリーズの続きがあるので、楽しみ。
S-30 「制服捜査」
佐々木譲
新潮社(ハードカバー)

【2009年10月4日読了】

こちらは不祥事をめぐる玉突き人事のあおりで強行犯係の捜査官から一転して単身赴任の駐在勤務となった巡査部長が、人口6千人ほどの犯罪発生率管内最低の健全な町で、様々な過去からの因縁も含めた荒廃の兆しや些細な出来事から、裏の問題点を突くという作品。着眼点が素晴らしい。久々に最後まで読むのを止めたくなかった作品。
S-30 「笑う警官」
佐々木譲
ハルキ文庫

【2009年10月4日読了】

今度映画化されるらしい。佐々木譲の「エトロフ発緊急電」などを読んで、冒険ものというかスケールの大きな話を書く人だなとは思っていたけれど、警察物でこれだけ読ませる物を書くとは思わなかった。この人の警察物はどんどん読んでみたい。「うたう」とは警察の内部の話を公にチクることを指す。この作品の主人公、佐伯や津久井が活躍するシリーズ第二作も読んでみたい。 「うたう警官」改題。
S-29

「おとな二人の午後」
五木寛之、塩野七生
角川文庫

【2009年9月19日読了】

五木寛之も塩野七生も著作はそれなりに読んでいるので、その2人の対談とは面白そうだと思って読んでみた。この本のハードカバーは2000年に発売されており、元々は月刊誌に連載されていた対談なので、1999年頃に行われた対談なのでは、と思われる。対談は塩野七生が住んでいるローマで行われ、イタリア車のことから、洋服、カバン、文学、美術、政治、歴史、なんでもござれ状態。かなり面白かったです。
S-28 「ストロボ」
真保裕一
新潮文庫

【2010年2月5日読了】

成功したカメラマン、喜多川が主人公の物語。通常の小説であれば、年代を追って、若い時から年をとっていく様子を描くものだが、この作品は50代から始まって、40代、30代と本人の年齢が遡っていく。しかも第五章から始まって、第四章、第三章と遡る。遡ると、前に出てきたこれが、そういうことだったんだ、とか逆に判明して面白い。そういう意味ではミステリーのような感じ。
S-28 「灰色の北壁」
真保裕一
講談社文庫

【2009年3月25日読了】

新田次郎文学賞を受賞した山岳ミステリー集。3つの短編が収められている。以前に同じ著者の「ホワイトアウト」を読んでいたので、山岳関係の小説もいけるのでは、と思っていたが、圧巻。しかし、冬山登山の道具の名前や、方法など、知らないことがたくさん出てきて、頭がぐちゃぐちゃになった。
S-27 「チェーン・スモーキング」
沢木耕太郎
新潮文庫

【2009年3月16日読了】

「ロバート・キャパ」を翻訳した、どちらからというとノンフィクションに強い作家の書いたエッセー。作り方が上手いし、読ませる。時間があったらこの作家の他のエッセーも読んでみたい。
S-26 「コロボックル童話集」
佐藤さとる
講談社青い鳥文庫

【2010年7月11日読了】

「誰も知らない小さな国」から始まるコロボックルシリーズの1冊。この中の短篇の1つが後の長編の元になったりもしたそうで、確かに読んだことがあるようなないような、というお話も入っていた。大人になっても読み返したいシリーズの1冊であることは確か。
S-26 「おばあさんのひこうき」
佐藤さとる
小峰出版
(児童書)

【2009年12月23日読了】

コロボックル物語で有名な佐藤さとるさんと、その挿絵をいつも描いている村上勉さんのコンビの本。おばあさんの編んでいる肩掛けが浮かぶところから話が始まり、それを利用して飛行機を作ってしまうおばあさんが凄い。折角隣町まで飛んで行ったのに、娘夫婦と孫には会わないで戻ってきてしまう。編み物の特性である、編んだ物も解くと毛糸に戻る、という性質を良く分かっている作者。男性なのに、天晴れ。
S-26 「小さな国のつづきの話
コロボックル物語5」
佐藤さとる
講談社文庫

【2009年2月28日読了】

コロボックル物語シリーズの最終巻。ここでは、一巻目で主役だったせいたかさんの子供たちとその友達が中心に書かれている。こうやって次の世代になってもコロボックルとの交友関係が続いていくんだろうな、と思わせる心温かい話。一応この5巻目でシリーズは完結らしいが、短編で番外編が書かれているらしいので、それも是非読んでみたい。
S-25 「ロシア人と日本観光案内」
ユーラシアブックレットNo.130
さとう好明
東洋書店

【2009年2月28日読了】

日本観光関係のロシア語の表現に関して、かなり突っ込んだところまで書かれているので、有効活用できそうなものもあって重宝。ただし、アテンドに関して、ここまで細かく(当たり前と思えることまで)書かなくてはならないのか、ちょっと疑問。日本でのロシア人(ロシア語圏生活者)相手のガイドに関しての現状なども確認できて、とりあえず読んで損はないと思う。
S-24 「そういうふうにできている」
さくらももこ
新潮社(ハードカバー)

【2008年11月1日読了】

「ちびまる子ちゃん」の作者であるさくらももこさんの妊娠、出産体験記。面白おかしく、軽快な文章で書かれているので、どんどん読めてしまうが、書いてあることは結構重要。色々な人がいるのだろうけど、この人の場合は、こういう体験談だった、という話。息子さんも今では立派な中学生だろう。ちょっとびっくりした。
S-23 「ビューティフル」1巻〜4巻
さいとうちほ(フラワーコミックス)
小学館

【2008年10月26日読了】

久し振りに漫画を読んだ。バレエ漫画だが、設定がむちゃくちゃ(笑)。いくらペレストロイカの時期とはいえ、ボリショイ劇場で日本人バレリーナが踊ってるのも凄いし、その後その人がウクライナの片田舎で軍人と結婚して生活してるのも凄い。ボリショイバレエ学校はボリショイ劇場の中じゃないし。生々しい話も含まれているが、概ねユメユメしい話だった。
S-22 「鼓動」警察小説競作
新潮社編
新潮文庫

【2008年9月13日読了】

大沢在昌、今野敏、白川道、永瀬隼介、乃南アサの5人の作品が収められている。なかなかお買い得な一冊。大沢さんの作品はとても短いけれど、新宿鮫が出てくるもの。今野さんの作品は続編が書かれているようなので、どこかで読んでみたい。永瀬さんの作品は、とりあえずロシア人の苗字を在りそうなものに変えないとね。名前にリアリティがないと駄目だ。乃南さんのものは既読。

S-21

「モンマルトルのメグレ」
ジュルジュ・シムノン
河出文庫

【2008年8月15日読了】

有名なメグレ警視シリーズ物。前から一度読みたかったので、借りて読んでみました。これも時代が良く分からない。パリの地理関係が分からなくてもまあ大体理解できた。他にもあったら読んでみたい。

S-20

「シー・ラブズ・ユー」
東京バンドワゴン
小路幸也
集英社文庫

【2010年11月14日読了】

「東京バンドワゴン」の続編。いい意味でのホームドラマのよう。物語を、既に亡くなっている勘一の妻サチが幽霊となって、この家に存在していることにしているので、自由自在に場面設定が出来る。我南人の「やっぱりLOVEだよねぇ」が効いている。シリーズは現時点で5冊出版されているようなので、続きも是非読んでみたい。

S-20

「東京バンドワゴン」
小路幸也
集英社文庫

【2008年6月24日読了】

初読みの作家の作品。古きよき時代の家族団らんドラマのような作りになっている。4世代が一緒に住んでいる喫茶店と古本屋が一体になっているような「東京バンドワゴン」が舞台。一家は堀田さんだが、色々癖のある、キャラが立った家族。語り手がその一家の2年前に亡くなったじいちゃんの妻、というのも妙案。それこそドラマを撮影しているカメラと同じ役割が出来る。続編も2冊出ているそうで、機会があったら読んでみたい。

S-19

「ワーキング・ホリデー」
坂木司
文春文庫

【2011年6月22日読了】

元ヤンキーでホストの大和とつい最近彼が父親だと知らされた男の子の心温まる夏休みの間の交流話。登場人物が全員良い人過ぎる。ひねている人がいないせいか、読了後の気持ちが良いことも事実。次は冬休みの話があるらしいので、読んでみたい。

S-19

「シンデレラ・ティース」
坂木司
光文社文庫

【2011年6月12日読了】

同じ作者による「ホテル・ジューシー」姉妹編。両方読んでいると、表裏一体というか、同じ女子大生でも経験が違うのね、と分かるというか。この作者は作品ごとに職業が詳しく書かれていて、それが興味深い。四谷と咲子の後日談があると面白いのに。

S-19

「切れない糸」
坂木司
創元推理文庫

【2010年8月6日読了】

突然の父親の死により、実家のクリーニング屋で働き始めた和也。大学4年生の冬だったが、自分の就職も決まっていなかったので、集荷と配達を担当し、アルバイト感覚から抜け出れず、商店街の喫茶店でバイトをしていた同級生の沢田やアイロン職人のシゲさんなどに助けられつつ、さまざまな謎を解きながら人間的に成長する話。

S-19

「動物園の鳥」
坂木司
創元推理文庫

【2009年1月13日読了】

引きこもり探偵シリーズ第三弾。結局3冊全部読んだが、私には今ひとつ良さの分からないシリーズだった。読みやすく、さくさくと読み進めることは出来るのだが、なんとなく心に響かないというか。漫画やドラマにし易い作品かもしれないと思った。

S-19

「仔羊の巣」
坂木司
創元推理文庫

【2009年1月11日読了】

引きこもり探偵シリーズ第二弾。探偵物という割には、日常の謎程度で、しかも20代後半なのに、何故か皆高校生くらいにしか思えない登場人物たち。色々な世代の人間の交流を書く部分は確かにいいアイデアだとは思うけれど、だからと言って素晴らしいという感じはしない。とりあえず最終巻も読んでみたい。

S-19

「青空の卵」
坂木司
創元推理文庫

【2008年5月23日読了】

作者と同姓同名の外資系保険会社に勤める僕には自称ひきこもりの友人、鳥井真一がいる。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼と高校生の時に自分から願って友人になった僕。彼を外の世界に連れ出すために、僕は自分の周りで起こった不思議なことを解決してもらったり、知り合いに会わせたりして、2人で成長していく物語。僕が涙もろくて、その僕の涙を見て鳥井が動揺するパターン。ちょっと不思議な物語。

S-18

「贅沢なお産」
桜沢エリカ
新潮文庫

【2009年5月8日読了】

病院嫌いで、当たった担当医の反応にも納得出来ず、行きついた先が自宅出産。この作者の場合は健康で何も問題がなかったから、という条件付ですが、面白く、一知識として読んだ。猫漫画を描いている作者だが、このエッセーでは猫には殆ど触れておらず、自宅で出産した時の猫の反応も知りたかったと思った。

S-18

「シッポがともだち」4巻
桜沢エリカ
集英社

【2008年6月26日読了】

桜沢エリカの猫漫画の第四巻。第一巻から飼っていた猫が亡くなってしまった回が描かれていて、ちょっと淋しかったです。でも、猫を飼っている人って、皆同じようなことで困っていて、同じようなことで楽しくなってるのが分かりますね。一応最終巻だそうなので、続きがないのも淋しいですね。18年間の大集成です。

S-18

「シッポがともだち」1−3巻
桜沢エリカ
集英社

【2008年4月28日読了】

少女漫画家と3匹の猫の共同生活を描いた猫漫画。しかし、1匹ずつ増えていく様子や引越しの様子、他のペットの話、家族が増える話など、10年以上にわたる桜沢さんの生活が描かれている。4巻も楽しみ。

S-17

「ロシア陶磁器グジェーリ
白とコバルトブルーの魅力」
ユーラシア・ブックレットNo.106
鈴木伊佐夫・松沢孝明
東洋書店

【2008年4月15日読了】

実際に工場にまで製作工程を見学に行ったロシアの陶器グジェリについての小冊子。作者の1人は自分の会社でグジェリを日本に輸入して販売している人で、文中にも宣伝かと思われるような文章が含まれていて、ちょっと興ざめでした。しかし、グジェリについて、何も知らない人が興味を持ってもらうためには、丁度良い小冊子かもしれません。

S-16

「ロシア庭園めぐり」
ユーラシア・ブックレットNo.82
坂内知子
東洋書店

【2008年4月9日読了】

ロシアではウサージバという邸宅+庭園というスタイルが18世紀、19世紀に貴族の間で流行っていて、今でも残っているものが多く、それらを見学に行くのは楽しい。その案内書のようなものかと思って取り寄せてみたブックレット。知っていることも書いてあったし、知らないことも書いてあったので、なかなか良かったかも。でもウサージバについてのブックレットではなかったので、建物の薀蓄が少なかった。

S-15

「眉山」
さだまさし
幻冬舎文庫

【2007年10月15日読了】

私の中では歌手さだまさしの書いた本。しかし、歌手と思ってあなどるなかれ。細部まで書き込まれているわけではないのだが、押さえるところはしっかり押さえてあって、読ませます。確かにこの母だったら、娘も戻ってきて最後の時を一緒に過ごしたいと思うかもしれません。でも、私の性格だったら、こんなに素直に育たないかも。

S-14

「ジャンヌ・ダルクまたはロメ」
佐藤賢一
講談社文庫

【2009年2月4日読了】

短編集。ジャンヌ・ダルク関連が3作品、ダ・ビンチものが3作品、それ以外のものが1作品で7作品が収められています。同じ作家で、ジャンヌ・ダルクものの長編「傭兵ピエール」を読んでしまっているので、なんだか変な感じ。当時のフランスは確かにイギリスやらイタリアやらスペインなどとも絡んでいるので、ダ・ビンチに行くのも変じゃないかもしれませんが、うーむ。一番気に入ったのは10Pと短い親方の話ですね。

S-14

「傭兵ピエール」上下巻
佐藤賢一
集英社文庫

【2008年4月23日読了】

15世紀のフランスが舞台。ジャンヌ・ダルクは処刑されずにピエールと言う傭兵隊長に助け出されて、最後には幸せに暮らしましたとさ、というお話。勿論そんな簡単な話じゃなかったけれど。宝塚の原作として、舞台にもなったそうです。更には、漫画の原作にもなっているらしいです。

S-14

「黒い悪魔」
佐藤賢一
文藝春秋(ハードカバー)

【2008年4月14日読了】

文豪デュマの父親の人生ということで、ちょっと興味があって読んでみた。元々中世以降のフランス史を書かせたら定評のある佐藤賢一さんの作品だったので、安心して読めた。デュマは4分の1黒人の血が入ってたんですね。そして、父親の出身地はハイチとのこと。いや、びっくり。ナポレオンとの確執も辛いものが。男のプライドは馬鹿らしいと思うけど、大切なんでしょうね。

S-14

「カルチェ・ラタン」
佐藤賢一
集英社(ハードカバー)

【2007年7月1日読了】

長かった。中世フランス物なので、当時の時代背景、つまり宗教改革の事情が分かっていないと、相当混乱すると思われます。日本の時代物を読む時も、時代背景は重要ですが、ヨーロッパの中世物もつらいです。会話が全てかぎ括弧でくくられているわけではないというのも、最初慣れるまでは大変でしたが。それでも登場人物が魅力的なので最後まで読み通せました。

S-13

「イグアナくんのおじゃまな毎日」
佐藤多佳子
はらだたけひで画
中公文庫

【2007年6月15日読了】

児童文学である。佐藤多佳子は前から読んでみたいと思っていた作家。でも、結構このしゃべり言葉に慣れるのが辛かった。もう若くないってことか。小学生高学年の女の子が主人公で、自宅にいきなりイグアナが持ち込まれ、自分が世話をしなくてはならなくなる。父親は英語教師なのだが、なにかあるとすぐにこの女の子に平手打ちをするし、そういう意味では結構違和感が。でも、愛情じゃないけど、イグアナに情が湧いて行く過程が丁寧に書かれている。

S-12

「回転木馬」
柴田よしき
祥伝社文庫

【2011年1月31日読了】

「観覧車」の続編。失踪した夫を探す下澤唯。しかも、全く失踪する様子もなかった夫の失踪の様子や、その後についてが明らかに。まあ、なんか作り話とも思える(実際に小説は作り話だが)無理やり感が残念。戻ってくることを匂わせて終わったが、この夫婦にとって、これからの方が試練かもしれない。

S-12

所轄刑事・麻生龍太郎
柴田よしき
新潮文庫

【2010年5月22日読了】

後に敏腕刑事になる麻生の新米刑事時代の短編連作集。しかし、この時既に及川との関係に言及されている。いやいや、柴田さんの作品は書かれた順番に読まないと、大変なことになりますな。麻生の話はまだまだ続くようなので、この先も読んでいきたい。

S-12

「紫のアリス」
柴田よしき
文春文庫

【2010年5月6日読了】

ミステリーかと思いきや、これはどちらかというと私の苦手なホラー系?かと思わされるような作品。中学生の自分がやったことを憶えていないOLの周りで摩訶不思議な現象が?しかし、ここまで手の込んだ復讐とも言える行動をする人がいるのかと思うと、ぞっとする。結局謎は謎のままで、読後感は良くない。

S-12

「聖なる黒夜」上下巻
柴田よしき
角川文庫

上巻【2010年4月7日読了】
下巻【2010年4月8日読了】

麻生刑事と山内錬の物語。やっと韮崎がどうやって死んだのかが判ったし、女医先生との繋がりも理解できた。ハナちゃんシリーズとRIKOシリーズの両方の謎解きが一気に解決して、本当にすっきりした。もっと前に読んでいれば良かった(手に入れていたのに読んでいなかった)。しかし、中身が濃厚すぎて、付いてこれる人は限られているかもしれない。

S-12

「観覧車」
柴田よしき
祥伝社文庫

【2009年11月25日読了】

私立探偵だった夫が失踪し、その後を継いで探偵業を営んでいる下澤唯。夫が戻って来た時に家業が探偵業でなかったら、という思いで仕事をしているが、仕事の大半は浮気調査だったり。しかし、10年経って、仕事の最中に行方不明の夫を見かけてしまい…。というのがあらすじ。この作品だけでは完結していないので、続編とも言うべき「回転木馬」も読まなくては、何故唯の夫が失踪したのかという謎は解けない。

S-12

「シーセッド・ヒーセッド」
柴田よしき
講談社文庫

【2009年2月1日読了】

新宿二丁目の無認可保育園の園長兼探偵のハナちゃんシリーズ第三弾。3つの話がまとめられているが、それぞれ長さが違っていて、でも、なんとなく話は似ていて、ハナちゃんが活躍する。もちろん山内錬も登場。3話目に出てきたえっちゃんがいい味出していたので、今後も登場して欲しい。今までの2作ほどバイオレンスではなかった。

S-12

「ふたたびの虹」
柴田よしき
祥伝社文庫

【2008年8月3日読了】

東京丸の内にある京風小料理屋を舞台に、常連さんとそこの女将と、女将が常連となっている神田の古道具屋清水との人間関係とミステリータッチのお話。女将の過去が伏せられていて、段々それが明らかになっていく部分はかなりミステリアス。柴田さんらしくほっとする場面もあるが、彼女の作品としては、あまりパワーは感じられない。

S-12

「ワーキング・ガール・ウォーズ」
柴田よしき
新潮文庫

【2008年7月6日読了】

面白かった。各章によって、視点が主役の翔子になったり、彼女のメル友のオーストラリアのケアンズで旅行代理店で働いている愛美になったりする。ただ同じことに対しての別の視点ということではない。けれども愛美から見た翔子と翔子が主役として書かれている章ではちょっと違っているのが新鮮。37歳独身子無しの翔子を応援したくなる自分でした。

S-12

「消える密室の殺人−
猫探偵正太郎上京」
柴田よしき
角川文庫

【2008年7月2日読了】

猫探偵正太郎シリーズ。何故か琵琶湖のほとりに住んでいるミステリー作家とその飼猫正太郎が、突然上京する羽目に陥り、飼い主の計画性のなさで別の場所に泊まらせられたら、そこで殺人事件に巻き込まれてしまい…という奇想天外な物語。まあ、正太郎は猫仲間達と協力して、勝手に話を解決するが、それをどう飼い主に伝えるかが味噌でしたね、今回は。

S-12

「猫は引越で顔あらう」
猫探偵正太郎の冒険4
柴田よしき
光文社文庫

【2008年6月2日読了】

猫探偵正太郎シリーズ第4巻。長編も含めると6作品目。同居人の桜川ひとみの東京への転居に伴い、正太郎も住むところが変わった。仲良しだった猫仲間などと別れて、どうなるのかと思いきや、格安の一軒家の大家の飼い猫たちと仲良くなったり、今まではマンション猫だったのに、家から抜け出す床下の穴を見つけて外にでたりしている。楽しそうである。しかし、桜川ひとみの転居の理由となった交際相手は出てこないし、これは続編を楽しみにしていろということか。

S-12

「猫はこたつで丸くなる」
猫探偵正太郎の冒険3
柴田よしき
光文社文庫

【2008年5月24日読了】

正太郎シリーズの3巻。長編も含めると5冊目らしい。長編の2冊目を読んでいないけれども、問題なし。今回は長編第一作で出てきたトマシーナという純血種の雌猫も出てきます。正太郎の飼い主の桜川ひとみの恋愛も絡み、もしかしたら正太郎は引っ越すのかという問題も発生するのでしょうか。短編集のはずなのですが、それぞれが絡み合っていて、先が楽しみなシリーズです。

S-12

「猫は聖夜に推理する」
猫探偵・正太郎の冒険2
柴田よしき
光文社文庫

【2008年5月5日読了】

猫探偵・正太郎シリーズ。2巻目のようではあるが、これは短編集として2巻目であって、実は長編もあるので、そうなると実際には何巻目なのか良く分からん。短編集では、毎回1作ごとに猫が物語るものと人間が物語るものが交互に納められている。猫が物語る時はちゃんと言葉を話し、人間が物語る時は、猫は鳴き声のみ、という細かい書き分けがされている。今回は番外編で、おなじみの出演者はそのままで、22世紀に時代を移したものがあって結構面白かった。

S-12

「月神(ダイアナ)の浅き夢」
柴田よしき
角川文庫

【2008年5月1日読了】

RIKOシリーズ第三弾。結局子供の父親と同居し、入籍予定となった緑子は段々と警察を辞めることも考え始めていたが、警察官ばかりが連続して殺される事件が起きて、その応援捜査に借り出される。今までの事件での人間関係が更に深くなる感じがする作品。やっぱり山内のことが分からないです。山内を中心に据えている作品を読んでみたい。

S-12

「貴船菊の白」
柴田よしき
新潮文庫

【2008年3月12日読了】

柴田よしきの短編集。作品が7つ入っているが、読んでいて、結構一筋縄でいかないというか、予想と違うストーリーと言うか、思いがけない筋になっているものが多いと思った。しかも作家が出てくることが多い。京都に長年住んでいた柴田さんならではの京都を舞台にした作品は安心して読める。料理の説明で口の中につばが溜まりました。おいしそうです。

S-12

「聖母(マドンナ)の深き淵」
柴田よしき
角川文庫

【2008年2月25日読了】

RIKOシリーズ第二作。子供が生まれても、その父親とは入籍せず、独自の生活を送りつつ、妹の世話にもなり、刑事生活を続ける緑子だが、新宿署から辰巳署に異動になったにもかかわらず、やっぱりハードである。第一作を読まないと、この作品だけでは物語の深さが分からないと思われるので、ぜひ第一作から読んでください。

S-12

「風精(ゼフィルス)の棲む場所」
柴田よしき
光文社文庫

【2008年2月16日読了】

これも猫探偵正太郎シリーズに出てくる浅間寺の話。懐かしくて切なくなる読後感。ハードでバイセクシャルな話も書けるし、こういう切ない話も書ける柴田さんは引き出しの多い作家さんだと思う。特に浅間寺さんが出てくるものは、本人の性格がおっとりしているのか、ほんわかしてくる感じが味わえて、私は気に入っている。他にも浅間寺出演作があったら読んでみたい。
S-12

「桜さがし」
柴田よしき
集英社文庫

【2008年2月15日読了】

柴田さんの著作、猫探偵正太郎シリーズに出てくる浅間寺という人物の昔の教え子達の恋物語というか青春物というか、ちょっとミステリー入ってて、日常の謎解き関連もあったりして、結構ほっこりするパターンの短編連作集。著者が19年住んでいた京都を舞台にしていて、土地勘があるともっと楽しめるのかもしれない。もっとと年齢を重ねた綾たちの話も書いてもらえると嬉しい。

S-12

「RIKO−女神の永遠−」
柴田よしき
角川文庫

【2008年1月27日読了】

第十五回横溝正史賞受賞作品。RIKOシリーズの第一作。猫探偵正太郎シリーズと同じ作者とは思えない、かなりハードな内容の警察小説。こんなことあり得るのか?とも思えるが、頭が柔軟な人の方がこの作品を楽しめること請け合い。柴田さんの作品はシリーズ毎に個別になっていなくて、ちょくちょく別のシリーズで活躍している人が他のシリーズにも顔を出すらしいので、これから楽しみに先を読むつもり。

S-12

「ゆきの山荘の惨劇」
猫探偵正太郎登場
柴田よしき
角川文庫

【2008年1月17日読了】

猫探偵正太郎シリーズ第一作(のはず)。以前に「猫は密室でジャンプする」という正太郎物の短編集を読んでいたので、改めて第一作を読んでみることにした。猫と犬は会話できてるけど、人間には鳴き声にしか聞こえないパターン。確かに正太郎も推理(?)してるけど、私的には元々の正太郎の飼い主だった親父さんこと浅間寺さんの推理の方がいけてると思いました。浅間寺さんが主人公のシリーズもあるそうなので、そちらも読んでみたいです。
S-12

「フォー・ユア・プレジャー」
柴田よしき
講談社文庫

【2008年1月5日読了】

ハナちゃんシリーズ第二弾。前作で4千万円の借金を山内に作ったハナちゃん。今回は一緒に昼食を取るはずだった理紗が行方不明になり、その妹から電話がかかってきて…。今回は借金が3千万円に減ります。これもびっくりですが。みゆきちゃんという生後5ヶ月の可愛い赤ちゃんも出てきます。鈴奈という今時の保母も出てきます。次はどうなるのか楽しみ。
S-12

「フォー・ディア・ライフ」
柴田よしき
講談社文庫

【2008年1月4日読了】

無認可保育園園長兼私立探偵の花咲慎一郎ことハナちゃんシリーズ第一弾。花咲慎一郎は何故新宿二丁目で無認可保育園の園長をしているのか、何故私立探偵も兼任しているのか、何故…。ハナちゃんの過去も色々、現在も色々問題山積み。それでも子供達第一で解決方法を考えるハナちゃん。シリーズ全部読破してみたいです。

S-12

「猫探偵正太郎の冒険1」
猫は密室でジャンプする
柴田よしき
光文社カッパノベルズ

【2007年5月3日読了】

猫の正太郎とその飼い主(正太郎いわく同居人)である売れないミステリー作家の桜川ひとみが登場する短編連作集。6つの作品が収められているが、それぞれ作品のタイプが違う。人間の視点で語られるものと正太郎の視点で語られる話が交互に出てくる。猫の視点で語られている作品が面白い。人間には「にゃあ」としか聞こえない設定だけどね。今度はぜひ長編で正太郎の話を読んでみたい。
S-11 「窓際OLトホホな朝
ウフフの夜」
斎藤由香
新潮文庫

【2007年4月27日読了】

週刊新潮に連載されていた、大歌人斎藤茂吉の孫で、北杜夫の娘の書いたエッセイ。前半の軽い会社の話よりも、後半の家族の話や祖母の話などの方がよほど興味深い。会社はサントリーに勤務しているそうで、確かに他の会社で社内の事をこんなに書かれてしまったら、辞めさせられているかも、とは思うが、逆に宣伝にもなっていると思われているのだろうか…。今一つ良く分からない。
S-10

「殿様と私」
榊原喜佐子
草思社

【2007年月9日読了】

「徳川慶喜家の子ども部屋」の作者による、結婚後の生活に関しての話。本人が書き溜めた短歌が披露されているが、私は短歌が苦手で飛ばし読みしました。すいません。作者は世が世なら徳川のお姫様であったはずの女性で、明治になってから越後高田藩の榊原家の当主と結婚し、3人の子どもを生み、育てた。普通の生活がこちらから見ると違う世界で、こんな世界もあるのだなと興味深かった。
S-9 「真葛ヶ原の決闘」
祇園社神灯事件簿三
澤田ふじ子
中公文庫

【2006年11月29日読了】

江戸時代の京都、祇園社の神灯目付役となった公家の庶子、植松頼助を主人公とする短編連作シリーズ第三弾。頼助の後見人、惣十郎の子供も神灯目付役の見習いのようになり、段々シリーズ物としての楽しみが、と思っていたところに、前からの脇役、安蔵が殺されたりして、かなりの変化が。その割にはお互いに好意を抱いているような頼助とうず女の関係は全く進まない。というか、何故かうず女があまりでなくなってきた。どうしてだろう?
S-9 「夜の腕」
祇園社神灯事件簿二
澤田ふじ子
中公文庫

【2006年11月28日読了】

江戸時代の京都、祇園社の神灯目付役となった公家の庶子、植松頼助を主人公とする短編連作シリーズ第二弾。1巻目では、神灯目付役になったばかりだった頼助も、1年以上経ったので、仕事にも、町の様子にも慣れてきて、他人をあまり受け入れない京都っ子にも受け入れられているようで、面白い。ただ、相方の孫市、後見人の惣十郎との関係がぬるま湯のよう。
S-9 「奇妙な刺客」
祇園社神灯事件簿
澤田ふじ子
中公文庫

【2006年11月27日読了】

江戸時代の京都、祇園社の神灯目付役となった公家の庶子、植松頼助を主人公とする短編連作。シリーズの最初から、結構説明調が多くて、もっと話で事件だけでなく、主人公の人生や周りの人との関係のような謎を解く、みたいな部分が多いと思っていたので、ちょっとがっかりかな〜。でも、せっかく読み始めたので、シリーズが続いているなら、ちゃんと読みたいです。

S-8

「パイレーツ・オブ・カリビアン」
呪われた海賊たち
鈴木玲子ノヴェライズ
竹書房文庫

【2006年7月読了】

こちらも映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のノヴェライズもの。見たい、見たいと思っていた映画なのに、いまだに見ていない。それなのにノヴェライズの小説を先に読んでしまった。知り合いがDVDを貸してくれるというので、楽しみにしている。各人の性格描写が面白いが、映画でもココまで描かれているのだろうか?何故か最近キーラ・ナイトレイに縁があるらしい。気にはなるけど、好きな女優というわけではないんだけど。

S-7

「朝な朝な」
瀬戸内晴海
文春文庫
書かれた時代がかなり昔(とはいえ、35年くらい前)なので、時代を感じました。でも、最後までぐいぐい読んでしまったのは、やはり作家の力ですね。素晴らしい。良く考えたら、瀬戸内さんの作品って、あんまり読んだ事が無いかもしれません。機会があったらまた読んでみたいです。
S-6 「帰れぬ人々」
鷺沢萠  
文春文庫
この著者は大学のロシア語学科を中退しているんですよねえ。この文庫に入っている4つの作品は全て作者が20歳になる前に書いたものだというのは凄いと思います。それだけ。
S-6 「夢を見ずにおやすみ」  
鷺沢萠 
講談社文庫
連作作品集。1つ1つのタイトルが長いぞ(笑)。それぞれ中心に据えられている人物の性別、年齢もまちまちだけど、性格を描ききっているというか、納得できて面白かったです。このパターンを使えば、もっとシリーズ化できるのにね。
S-5 「ガリコン式映写装置」  
椎名誠 
幻冬舎文庫
シーナ式映画監督エッセー。多分雑誌に連載されている時に(興味を持って)読んでいれば、もっと面白かったと思われる。
S-4 「昭和史のおんな」
澤地久枝
文春文庫

【2009年10月11日読了】

頭がノンフィクションに切り替わるまで、大変読みにくかった。昭和史とはいえ、どちらかというと、戦前・戦中に起こった事件に関係のある女性に関する話が多く、昭和は63年間あったけれど、そのうちの前半の話、という感じがした。けれども、こういう本を読んでみないと、全く知りえない話もあったので、そういう意味では大変興味深かった。
S-4 「苦い蜜」わたしの人生地図
澤地久枝
文春文庫

【2008年12月11日読了】

「わが還暦・ゴッホへの旅」と全著作の「あとがき」を収めたもの。あとがきだけ読んでも、作品を読んでいないと、今ひとつ良く分からなかったので、作品もおいおい読んで行きたいと思う。本文あってのあとがきだものね。あとがきが自分の体調バロメーターのようになっているのが凄いかも。
S-4 「ボルガいのちの旅」
澤地久枝 
NHKライブラリー
この著者との最初の出会いは図書館の虫だった高校生の頃のことで、作品は「滄海よ眠れ」というミッドウェー海戦で亡くなった日米兵士各人にまつわる個人的な話を綿密な取材の元に書き上げたノンフィクションでした。今回はその著者が若い時にどれほどロシア文学に影響を受けたかという話と(更には彼女の健康状態も加味)、それを元にNHKの番組のためにボルガ川周辺を訪れた旅を語ったノンフィクション。
S-3 「大坂侍」
司馬遼太郎
講談社文庫

【2011年5月26日読了】

短篇集。読了本リストにあったが、記憶がなかったので再読。最初の作品は覚えていたものの、続きは覚えてなかったので、多分読了していないらしい。大坂にいた武士はいわゆる武士とは違うらしい。大阪弁で時代物を読むとは思わなかった。
S-3

「手掘り日本史」
司馬遼太郎
文春文庫

【2011年4月4日読了】

評論家とののべ18時間にわたるインタビューを文章にまとめた物。司馬遼太郎の歴史と小説に対する姿勢が判る読み物。歴史を専門にする学者と小説家の違いというか、資料の扱い方の違いが面白かった。資料を読んで、そこから立ち上ってくる物があって、初めて小説が書けるという話も。
S-3 「覇王の家」上下巻
司馬遼太郎
新潮文庫

上巻【2009年11月5日読了】
下巻【2009年12月30日読了】

司馬遼太郎が描く徳川家康像がどのようなものか興味があって読んでみた。同じ人物・事柄なのに、書く人が違うだけで全くの別人のようになってしまうのが面白い。家康はそれでもそこまで変わらないかな。大体一定の評価があるとは思う。家康本人よりも周りとの人間関係や、出来事に対する態度や印象などがこれまで読んできた家康関連の本とは違うかもしれない。 また、関ヶ原などの部分がまったく書かれていない。長久手の戦いの後、いきなり亡くなる直前の場面になる。いきなりやっつけ仕事のようで、興がそがれた。
S-3

「菜の花の沖」1巻〜6巻
司馬遼太郎
文春文庫

第一巻【2009年11月2日読了】
第二巻【2009年11月7日読了】
第三巻【2009年11月12日読了】
第四巻【2009年11月19日読了】
第五巻【2009年11月24日読了】
第六巻【2009年11月29日読了】

以前に途中まで読んで放置していた作品をまた頭から読み直してみた。実在の人物評伝である。主人公が次はどうなってしまうのか、先が気になってどんどん読めてしまう。 途中で意外な人物が登場した。別の作家の作品で出てきた近藤重蔵である。嘉兵衛も重蔵も実在の人物なので、こういうこともあり得るかも。ただ同時代の人間だと認識していなかったので、物凄く不思議な感じがする。第五巻に至っては、真ん中の部分は全て当時のロシアについての説明となっていて、嘉兵衛は全く出てこない。おふさのことも殆ど出てこず、子どもがいるのは分かっているが 詳細はほぼ書かれていない。ほぼ一ヶ月間かかって、全6冊読み終えた。読み始める前は、ロシアと関係がある小説だとは知らなくて、ロシアの有名なミュージカルの話(ユノナ号とアボシ号)まで出てきて、かなりびっくりした。カムチャッカから帰ってきた後は、あまりからだの調子も良くなかったらしく、とりたてて書くことはなかったのかもしれないが、出身地に戻って、(年齢的には若いのに)引退生活を送ったのは淋しい限り。ロシアと日本の歴史に興味のある人は是非読んで欲しい。
S-3 「城をとる話」
司馬遼太郎
光文社文庫

【2009年10月9日読了】

石原裕次郎からの依頼で書かれたという映画の原作だそうだ。あとがきによると、映画のあらすじと原作はちょっと違っているらしい。読んでみて、こんな話だとは思わなかった、という感想が第一。最初の部分は結構あっけらかんとした感じを持ったが、最後は陰惨な感じが否めなかった。読後感が今一つ。結果を知って読んでいたら、そんなことはなかったのだろうか。
S-3 「酔って候」
司馬遼太郎
文春文庫

【2009年10月6日読了】

幕末の激動の時代の4人の「賢侯」と言われた藩主たちを書いた短編集。この時代を扱っている小説はどうしても新撰組や坂本竜馬、西郷などの話が多いが、藩主の立場から書いているものは珍しいのではないか。4つの話の中では、主人公が藩主ではなかった3番目の伊予宇和島の伊達藩の話が一番面白かった。
S-3 「歴史と小説」
司馬遼太郎
集英社文庫

【2009年3月12日読了】

読了までかなり時間がかかった、司馬遼太郎が40歳代だった頃のエッセイ集。時代が60年代のもので、ちょっと読みにくかった。先に著者の小説を読んでから、エッセイを読んだ方がより面白かったのかもしれない。いくつかは小説も読んでいるが、有名な長編作品を読んでいないので、次は是非挑戦してみたい。
S-3 「燃えよ剣」上下
司馬遼太郎
新潮文庫

【2007年4月28日読了】

私がここで感想を述べる必要もないくらい有名な作品である。幕末にその名が轟いていた新撰組副長土方歳三を中心に据えた作品。一応知識として、幕末に京都で恐れられていた新撰組という集団があり、組長は近藤勇、副長の一人が土方歳三、他に沖田総司などがいた、ということは知っていたが、彼らがどういう人生を生きたか、この本を読むまでは全く知らなかったことに気が付いた。別の視点で書かれた本も読んでみたい。

S-3

「功名が辻」1〜4巻
司馬遼太郎
文春文庫

【2007年1月28日読了】

昨年のNHK大河ドラマの原作。大河ドラマは1−2回、5月に見ただけなので、全然ドラマとの比べ方は出来ない。相変わらずの司馬節で書かれていて、慣れると読みやすく気持ちがいいが、慣れないと何となく変な感じがする。そこここに挿入されている余談が面白い、という話もある。今までは司馬遼太郎の作品の主人公は男ばかりだったが、女性が主人公と言うのも変わっている。本当にこんな夫婦があの時代の存在したのか、そっちの方が不思議だ。

S-3

「大阪侍」
司馬遼太郎
講談社文庫
東京(あの時代は江戸か)とは違う、商人の町大阪を舞台にした短編集。大阪にも侍はいても将軍のお膝元の江戸の侍とはこんなに違う、というものを読み易い文体で書いています。しばらくは司馬遼太郎を読んでみます。

S-3

「国盗り物語」(1)〜(4)
司馬遼太郎
新潮文庫
これは前半の2冊が斉藤道三の話、後半2冊が織田信長の話となっています。織田信長はTVドラマのあらすじなどで、実際には読んでいなくてもある程度は知っているつもりだったのですが、斉藤道三は織田信長の妻の父親という位しか知りませんでした。そういう意味で、面白く読めました。後半の織田信長の部分は、信長よりも信長を殺した明智光秀について詳しく書かれていたように思いました。光秀についても、「信長を殺した部下」という認識しかなかったので、面白かったです。司馬遼太郎が読み継がれている理由が分かったような気がしました。
S-3 「風の武士」上下巻
司馬遼太郎
講談社文庫
司馬遼太郎っぽくないどちらかと言えば時代劇ファンタジーとでもいうようなお話でした。しかも作品を書いたのが、司馬遼太郎の若い頃だろう、とすぐに思われるような「若書き」のイメージが。もう一度読み直すことはないと思います。
S-2

「生きのびる」横浜異人街事件帖
白石一郎
文春文庫

【2010年10月30日読了】

「横浜異人街事件帖」の続編で、著者最後の文庫となった作品。いくら、お奉行の命令とはいえ、上海まで出かけて行ったり、行動的と言えばそれまでだが、卯之助は破天荒である。時代も動いているが、彼の人生も動いている。最後はこれからの希望が見えるような終わり方になっている。
S-2 「横浜異人街事件帖」
白石一郎
文春文庫

【2010年8月1日読了】

元江戸南町奉行の同心だった卯之助が、横浜で沖仲士の差配をしているところに、元の同僚だった塩田正五朗が与力としてやってきて、彼の岡っ引きとなり、力を合わせてさまざまな事件を解決する。丁度江戸末期で横浜が華やかになりつつある頃の話。続編もあるそうなので、楽しみ。
S-2 「投げ銛千吉廻船帖」
白石一郎
文春文庫

【2008年5月10日読了】

時代物には定評のある白石さんの作品。これもシリーズ物にしようと思えば出来たのに、と思うのだが、これ以上書き続けるのはしんどかったのでしょうか。結構面白く読めました。千吉の心情をもっと深く掘り下げた作品も書いてもらいたかったと思います。期待できたはずなのにもったいないです。
S-2 「東海道をゆく」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年9月21日読了】

十時半睡シリーズ第七巻。半睡が若党の勘平と江戸目付の三太夫と共に江戸を発って福岡へ向かった。途中で縁あって熊本肥後藩の柏木のぶと前後する形で行程を行くようになる。問題が起こりそうな場所では、半睡はのぶのおじということにして、上手くやりすごしたりして大井川超えまで進む。途中で息子の病気が思っていたほど深刻ではないとの連絡もあり、半睡の気分はかなり楽になった。のぶとの関係もどうなるのか興味があったが、残念なことに作者が亡くなり、絶筆となっている。作者がこのシリーズを書き始めてから亡くなるまで、30年近い時が経っているけれども、半睡の年は5歳くらいしか増えていない。もう少し先まで読みたかったシリーズです。
S-2 「おんな舟」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年9月20日読了】

十時半睡シリーズ第六巻。すでに江戸の黒田藩邸に落ち着き、江戸詰めの総目付となった半睡。しばらくはおとなしく藩邸で生活していたが、そのうち深川に居を定めることに。その深川のご近所にお波という女性が住んでおり、何かとお仙も世話になる。町屋暮らしも興味深いものだという十時半睡。けれども、国許から息子の嫁の、息子が体調を崩した旨の手紙が来て、とりあえず一度半睡は国許に帰ることになった。今までの連続短編集とは趣が少し違う作品。
S-2 「犬を飼う武士」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年9月20日読了】

十時半睡シリーズ第四巻。この巻までが福岡黒田藩での出来事が書かれているもの。十時半睡ですら、思いがけない出来事などもあり、太平の世の中ともなると、武士が武士らしからぬ行動をするという話も書かれていて、現在に置き換えて考えられなくもなく、身につまされる。この巻の最後で、総目付を辞任する意向であることが書かれている。
S-2 「刀」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年9月15日読了】

十時半睡シリーズ第三巻。このシリーズは十時半睡がメインではなく、彼の住んでいる福岡黒田藩で起こったさまざまな出来事が書かれていて、何か問題が起こって解決しない時に、人々が困って半睡に意見を聞きにやってくるパターンが多いです。それも半睡の人柄ゆえか。TVドラマにもなっているそうですが、私は見たことがありません。
S-2 「観音妖女」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年5月26日読了】

十時半睡シリーズ第2弾。相変わらず天下泰平の世で、何だかなあ、というような事件が福岡の黒田藩では起こっている。毎回、毎回その解決のために相談に来られてしまう十時半睡。たまには放っておけということもあり、そのために後から事件が複雑化することもあったりして、半睡だからと言って、全て上手く解決できるわけではないらしい。息子の弥七朗が奉行になった時の半睡の喜び方は、やはり人の親。
S-2

「包丁ざむらい」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年5月25日読了】

十時半睡シリーズ第1弾。隠居の身ながら総目付という御役に付き、藩の中の様々な相談事に乗っている十時半睡。柔軟性のある考え方で、あまり周りに迷惑をかけないような解決方法を思い付く。藩の中の武士達も何かあると「半睡様のところに」と言い出す。慕われている会社の相談役みたいな感じか。続きも読んでみたい。
S-2 「出世長屋」十時半睡事件帖
白石一郎
講談社文庫

【2007年5月20日読了】

十時半睡シリーズ第5弾。シリーズ物は最初から読もうと決めていたのですが、何故か最初に5冊目から読むことになってしまいました。しかし、解説によると、1−4は藩元での話で、この巻から江戸に舞台が移っているそうなので、ここから読み始めても大丈夫かな、という感じでした。この巻だけ読んでも、結構気に入ったので、1巻目から読むのが楽しみ。

S-2

「海狼伝」
「海王伝」
白石一郎
文春文庫
面白かった。直木賞受賞作とその続編。最初に続編の「海王伝」を人から貰ったので本編を手に入れてから読みました。2冊を続けて読んでみて、完結してないので是非続編が読みたいものだと思います。ただ、続編が書かれたのが1990念だったことを考えると、続編はあるのかなあと思いますが。

S-2

「島原大変」
白石一郎
文春文庫
島原の雲仙岳の噴火を題材に、パニック小説を時代物で仕上げた表題作を含む短編集。この作家の直木賞受賞作「海狼伝」、「海王伝」に関連のある「海賊たちの城」が私的にはとても面白かったです 。

S-1

当たるも八卦の墨色占い」
佐藤雅美
文春文庫

【2011年6月25日読了】

縮尻鏡三郎シリーズ第五弾。出戻り娘の落ち着き先が決まりそうだったにもかかわらず、またもやご縁がありそうだった人が亡くなってしまい、手元にはその人から贈られた時習堂の沽券状とその人が引き取って育てていた10歳の娘が。この先も波乱万丈らしい。

S-1

「捨てる神より拾う鬼」縮尻鏡三郎
佐藤雅美
講談社文庫

【2011年3月29日読了】

縮尻鏡三郎シリーズ。もう何冊目か覚えてない。一人娘に婿をとり、自分は隠居したにもかかわらず、婿が不始末をしでかして、自分から離縁を申し出て、強気な娘とも合意に達したので、離縁してしまった。父親としては頭の痛いことである。この先どうなるのか注目したい。

S-1

「半次捕物控
髻塚不首尾一件始末」
佐藤雅美
講談社文庫

【2010年10月15日読了】

読みやすいけど、これまでの経緯をおぼろげにしか覚えてないので、続き物なんだけど、今ひとつ良く分かってないで読んでいる状態になっているのが残念。佐藤さんの文章は安定して読める。

S-1

「向井帯刀の発心」
物書同心居眠り紋蔵
佐藤雅美

【2010年7月25日読了】

居眠り紋蔵シリーズ第七弾。子ども達も大きくなり、大きくなったら、養子の声がかかり、なんと息子がいなくなってしまった。紋蔵自身も例繰方に戻され、なかなかすっきりしない日々が続く。それでもさまざまな案件が紋蔵の元に持ち込まれ、解決したら家の問題も何とかなるのではと思いながら日々が過ぎていく。この時代の人はやはり家の問題が大きいと思うので、跡継ぎ問題がどうなるのか、ちょっと気になるところ。

S-1

「やる気のない刺客」
町医北村宗哲
佐藤雅美
角川書店(ハードカバー)

【2010年6月16日読了】

町医北村宗哲シリーズ第二弾。若い頃渡世人だった腕の良い町医である宗哲は、渡世人の世界とは一線を置こうとしているにもかかわらず、何かことあるごとに相談を受けたり、なじみの岡っ引きと2−3日おきに飲んだりして、情報は常に入ってくる。裏世界の縄張り争いも佳境に入ってきて、幾人かの親分が死んだりしてきな臭い感じ。

S-1

「天才絵師と幻の生首
半次捕物控」
佐藤雅美
講談社(ハードカバー
)

【2010年6月14日読了】

半次捕物控シリーズ7冊目。6冊目の「髻塚不首尾一件始末」を抜かしてしまったが、ストーリー的には全く問題なし。相変わらず蟋蟀小三郎が好き勝手していて、半次動かなくても周りで事件を解決している部分がある。何故これでシリーズ化しているのか、今ひとつ良く分からない気がする。

S-1

「六地蔵河原の決闘」
八州廻り桑山十兵衛
佐藤雅美
文春文庫

【2010年1月31日読了】

桑山十兵衛シリーズ第六弾。普段は関東一円を廻村して廻っていて、なかなか江戸の自宅にいることが出来ない十兵衛。今の出張ばかりのお父さんのようである。しかし、第六作になって、突然10年間会っていなかった娘(実は妻の浮気の末に出来た子供なので、血のつながりはない)が戻ってきたり、その娘が付き合っているらしい浪人風の男の影が見え隠れしたり、十兵衛もなかなか安心できない。そんなところに仕事の関係で、その娘の相手である浪人と一緒に仕事をすることになってしまい、結局は助けてもらう。この先の話をどうつけるのか、楽しみである。

S-1

「泣く子と小三郎」半次捕物控
佐藤雅美
講談社文庫

【2010年1月1日読了】

半次シリーズ第五弾。最初の本を読んだ時は、ここまで続くシリーズになるとは思わなかった。第三弾で登場した蟋蟀小三郎が重要な登場人物になって、この先もどういう役割を果たすのかはわからないが、いい味付けをしている。その小三郎の思い者となったちよのこれからと、小三郎が連れてきた恒次郎という少年に関して、どうなるのか眼が離せない。

S-1

江戸繁昌記 寺門静軒無聊伝
佐藤雅美
講談社文庫

【2009年8月11日読了】

読み始めてから面白くないと思って、読了までに時間がかかってしまった。佐藤さんもそろそろ息切れしてるのか。それとも、主人公に感情移入が出来なかったことが原因か。読了するまでが辛かったです。

S-1

「浜町河岸の生き神様
縮尻鏡三郎」
佐藤雅美
文春文庫

【2009年2月27日読了】

縮尻鏡三郎シリーズ。元々事件が起こって、それを解決するという話ではなかったものの、江戸の町でこんなことが起こってまして、、、というような話が延々と続くのも、読んでいて詰まらなくなりつつある。結局はよろず相談事が持ち込まれても、解決してないなら、一体どうなのよ、と思ってしまう。鏡三郎の娘夫婦の関係がどうなるのか、にはちょっと興味があるが、再婚した割には妻の話は出てこないし、何か変。

S-1

「町医 北村宗哲」
佐藤雅美
角川文庫

【2009年2月27日読了】

同じ作者の啓順シリーズの主人公のその後かと思うくらい、境遇が似ている、訳あって長い間逃亡生活をして、その間病人を診て居場所が発覚するという生活を続けていた宗哲の、芝神明前で開業してからの日々に関する話。以前の生活のしがらみで、結局親分筋とも付き合いがあるし、周りの詮索もあるので、自分が黙っていても人の口には戸は立てられないパターン。シリーズ化しているらしい。

S-1

「首を斬られにきたの御番所」
縮尻鏡三郎
佐藤雅美
文春文庫

【2009年1月5日読了】

縮尻鏡三郎シリーズ第二弾。元エリート御家人だった鏡三郎も今は娘の婿に家督を譲って、隠居となり、好きな女のところに引っ越して、大番屋の元締めとして働いているが、娘夫婦の間も結構危ないらしく、心配事は絶えない。シリーズの続きを期待する。

S-1

「花輪茂十郎の特技」
八州廻り桑山十兵衛
佐藤雅美
文春文庫

【2009年1月1日読了】

桑山十兵衛シリーズ第5弾。前作を読み終わってから、かなり経っているので(調べたら1年半前だった)、内容を思い出すのに苦労した。問題の解決方法が先急ぎのような気がしなくもない。勘違いで実家に戻った妻が戻ってきたのはいいが、そういえば一人娘はどうしたのだろうか?なぜか気になる。

S-1

「啓順純情旅」
佐藤雅美
講談社文庫

【2008年9月14日読了】

逃亡者啓順シリーズ3巻にして最終巻。色々なしがらみに絡め取られ、誓い合った相手とも死に別れ、結局追手の手下と手を組み、聖天松の大親分に対抗することになった。追われていた原因も、結局は恩人の妻の告白により、その娘の知ることとなり(しかし、息子は出てこない)、最後は啓順には万々歳で終わる。

S-1

「啓順地獄旅」
佐藤雅美
講談社文庫

【2008年9月14日読了】

逃亡者啓順シリーズ2巻。自分が追われている原因となった殺人を行った人間を突き止めたにもかかわらず、相変わらず逃げている啓順。一度江戸に戻った時に、恩師に京での隠密にも似た仕事を命じられる。しかし、人がよすぎるのか、ついつい病人を治して追っ手に見つかってしまう啓順。運にも見放されているようで。3巻も読んでみる。

S-1

「啓順凶状旅」
佐藤雅美
講談社文庫

【2008年8月28日読了】

恩人に頭を下げられ、その息子に殺人の嫌疑がかからないように(息子が逃げたら犯人と思われるがゆえに)、殺人の翌日に逃げた啓順。しかし、3年経ってみると、恩人は経緯を語らずに亡くなり、殺された2人のうちの1人が江戸でも有名な火消しの親分の息子だったことから、そちらの方面からも負われ続けることになった。しかし行く先々で病人を治療しつつ、その噂で居場所をかぎつけられる啓順だが、いつまで旅は続くのか。続きも読まないと、今ひとつ良く分からない。

S-1

「信長」上巻
佐藤雅美
文春文庫

上巻【2008年7月3日読了】
下巻【2008年8月1日読了】

佐藤さんにかかるとどんな信長像が出来上がるのか興味があって読んでみた。しかし、あまり独自の解釈があるわけでもなく、淡々と進んでいくので、読んでいて盛り上がりがなく、上下巻を読み終わるのに、かなり時間がかかりました。触手が動かなくて、途中で違う本をたくさん読んでしまった。借り物なので、どうしても読み終わらないといけないので、頑張って読んだ、そんな感じ。

S-1

「白い息」
居眠り紋蔵シリーズ7
佐藤雅美
講談社文庫

【2008年6月22日読了】

居眠り紋蔵第七作。前の作品を読んでから1年半も間が開いてしまい、すっかり忘れてしまっていた。紋蔵がお手柄で、かねてからの憧れの定廻り同心になったところからこの巻は始まっている。定廻りは表面上は違うが、実質世襲だと思っていたので、びっくり。いきなり仕事が変わることもあるのか。実入りも格段に違うという話も身につまされる。しかし、その後どうなるか。次の巻も待たれるところだ。

S-1

「縮尻鏡三郎」上下
佐藤雅美
文春文庫

【2008年2月17日読了】

ず っと前から読んでいたのに、途中で投げ出してあったものをまた読み直したので、なんだか締りのない話のような感じになってしまった。佐藤さんの作品は面白いし、分かりやすく、読みやすいのだが、どれも同じ印象を受けることもある。この作品もTVドラマの原作とのこと。別の作品も確かドラマ化されていたが、ドラマの方は見てないのでなんとも言えない。

S-1

「疑惑」半次捕物控
佐藤雅美
講談社文庫

【2007年9月16日】

半次捕物控シリーズ第4弾。第3作に引き続き、蟋蟀小三郎という、半次にとっては疫病神のような浪人がメインとなっている作品。半次と妻のお志摩の関係も不思議なまま。確かに半次のような反応をされると、お志摩さんのとった行動も納得できるというか。どんな反応で、どんな行動かは読んでみてのお楽しみ。

S-1

「命みょうが」半次捕物帳
佐藤雅美
講談社文庫

【2007年8月27日読了】

岡っ引きの半次親分シリーズ3作目。悪くはないのだが、イマイチ話に乗れなくて、読みにくい感じがする。この作品から、蟋蟀小三郎という浪人が登場し、しかも尊大で、人を人とも思わぬ態度を通し続ける。面白いには面白いが、何かミスマッチを感じてしまって、今一つしっくりこない。嫁になった志摩との関係も今一つ不明。この先もシリーズを読み続けるかどうか、考えどころ。

S-1

「江戸からの恋飛脚」
八州廻り桑山十兵衛
佐藤雅美
文春文庫

【2007年5月29日読了】

八州廻り桑山十兵衛シリーズ第4巻。男やもめの十兵衛に惚れた女が登場。十兵衛も憎からず思っていて、なにかとその女性に会うことばかり考えているようだ。その割りに、相変わらず色々な事件が勃発し、更には上から隠密まがいの調査まで押し付けられる。更には怪我をして自分で治療する羽目にも陥るし、結構大変だったようだ。まあ、最後には祝言を挙げる話が出てきているが、娘の話はしているのか、とか、余計なお世話を焼きそうになる。

S-1

「劇盗二代目日本左衛門」
八州廻り桑山十兵衛
佐藤雅美
文春文庫

【2007年5月27日読了】

八州廻り桑山十兵衛シリーズ第3巻。いまひとつ話に乗れないままシリーズ物なので読み続けている作品。どうも主人公に感情移入が出来ないのである。結構行き当たりばったりに関東あちこち歩いていて、前の2巻では江戸に戻ってくると、人に預けている娘のことも書かれていたけれど、この巻になると、もう娘のことも出てこないし、いまひとつすっきりしない感じ。このままシリーズの続きを読んでみるけれど、どこかで読むのを止めてしまうかも。

S-1

「揚羽の蝶」上下
半次捕物控
佐藤雅美
講談社文庫

【2007年4月23日読了】

岡っ引きの半次親分シリーズ。亡くなった元手下の妻も死んでしまい、独り者のくせに彼らの娘美代を引き取って育てている半次だが、上の方からの指示で岡山まで大名行列に紛れ込んで行く事に。2ヶ月間ほどで済む仕事だと思っていたが、岡山に着いた途端に身包みはがれて殺されそうになるし、さあ大変。江戸に戻ってきたはいいが、謎がなぞを呼び、岡山の大名の弟と知り合う羽目に。最後には美代がかどかわしにあってしまうが、一応収まるところに収まった?やはり推理的部分が無理に飛躍して思えるのと、半次の身元が判明するか?という興味の板ばさみですらすらは読めなかったが、一応最後まで読み通した感じ。

S-1

「影帳」
半次捕物控
佐藤雅美
講談社文庫

【2007年4月22日読了】

岡っ引きの親分半次が主人公の作品。作者が直木賞を取る前に書かれたもの。今はかたぎの料理人になった、元手下にちょっとしたお願い事をしてしまったがために、その元手下が殺された。このままでは引き下がれない、と普段の仕事を放ったらかしてまで数ヶ月間に渡って謎を追うが…。私的には岡っ引きの引き合いをつけて抜くという銭の稼ぎ方は分かったけれど、推理的部分がずいぶんと飛躍しているように感じられた。

S-1

「殺された道案内」
八州廻り桑山十兵衛2
佐藤雅美
文春文庫

【2007年4月8日読了】

八州廻り桑山十兵衛シリーズ第2巻。2007年4月現在で4冊目まで文庫本化されている。八州廻りというのは関東八州を廻って無宿の無頼漢などで揉め事を起こしているものを引っ立てたりする、まあ、町回り同心のような感じかな、と思ってくだされば分かりやすいのでは。その桑山十兵衛が主役なのだが、第一巻の最後で亡くなった妻との間の一人娘の父親が自分ではなかったということが判明し、その娘の話もあまり出てこなくなって、第二巻を通して絡んでくるのは剣豪千葉周作。それと初恋の女性、初枝。どちらもあまり上手くいかないかな。続きも読みます。

S-1

「幽斎玄旨」
佐藤雅美
文春文庫

【2007年2月2日読了】

肥後の細川家の基礎を築き、息子忠興の嫁は有名な細川ガラシャ(明智光秀の娘の玉)だった人の一生を書いたもの。何となくは知っていたけれど、こういう話か、と思うと感慨深い。元々室町幕府の第十三代将軍の異母弟として生まれたこともあり、京都周辺で育ち、武士でもあり、当時の有名な文化人であった幽斎。なかなか人間関係に関しては先見の明があったようである。

S-1

「百助嘘八百物語」
佐藤雅美
講談社文庫

【2006年7月30日読了】

佐藤さんの時代物が気に入ったので購入したのですが、これという特徴のないものでした。私的にはイマイチ、って感じでした。残念です。いい物とそれなりの物がはっきり分かれる作者さんだと思います。江戸時代に、騙すわけではないけど、いかに正当ではない抜け道を使って儲けるかという話が書かれています。 最後が急ぎすぎた感じとでも言いましょうか。他の作品も選んでまた読んでみます。

S-1

「居眠り紋蔵」
隼小僧異聞
居眠り紋蔵シリーズ2
「密約」居眠り
紋蔵シリーズ3
「お尋者」
居眠り紋蔵シリーズ4
「老博変打ち」
居眠り紋蔵シリーズ5
「四両二分の女」
居眠り紋蔵シリーズ6
【2007年1月11日読了】

佐藤雅美
講談社文庫
 

この居眠り紋蔵シリーズは江戸時代の八丁堀の花形職業である定廻りの旦那や吟味方与力などの話ではなく、その下の同心、しかも今で言う内勤の物書同心である紋蔵が主人公です。ところ構わず居眠りをしてしまうと言う「奇病」のせいで、普通であれば親と同じ肩書きを受け継げるはずが、物書同心といういわゆる窓際族になってしまった紋蔵。けれども周りにいる人々にも助けられ、さまざまな事件に首をつっこみます。ありがちな事件が起こって、その犯人を探し出す、というよりは市井物っぽい雰囲気があります。 6巻の最後で紋蔵が抜擢されて定廻り同心に引き立てられることに。

このシリーズはまだまだ続いているようで、先を入手するのが楽しみなシリーズです。2006年1月時点でシリーズ第6,7巻が出ている模様。

S-1

「手跡指南 神山慎吾」
佐藤雅美
講談社文庫

【2006年3月11日読了】 

いわゆる寺子屋の先生である手跡指南を江戸で生業としている神山慎吾が、その流されやすい性格の故、出生地の豊後まで舞い戻り、自分ではそのつもりもないのに、家老になって奮闘する羽目に陥るという話。最初はこんな流されやすい性格でいいのか?と思ったけれども、何故か目の前にある仕事は精一杯がんばってしまう慎吾。しかも、許婚も4年も待っていてくれる。こんな都合のいい話はない。でも、なんだか最後まで読んでしまった。残念ながら、佐藤さんの作品の中でトップクラスではないかも。

 

 

このページのTOPに戻る

homeBooks


女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理