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Booksのページ「た〜」

 

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あ〜/か〜/さ〜/た〜/な〜/は〜/ま〜/や〜/ら〜/わ〜

 

 

タイトル・著者
その他

感想メモ

D-9

「チョコレート工場の秘密」
ロアルド・ダール
評論社

【2008年4月19日読了】

映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作。映画は見てないけど、さぞかし、と思わせるような原作です。でも、内容がちょっとだけ説教臭いかも。まあ、書かれた年代を考慮すれば、それは当たり前かもしれません ね。続編もあるらしいのですが、いつか読むことはあるのだろうか。エレベーターの話らしいです。

D-8

「女性翻訳家」
サラ・デュナント
講談社文庫

【2009年11月30日読了】

これは全く面白くなく、読んでいて、こちらの気分が落ち込むような本だった。最後は斜め読みになってしまって、本に申し訳なかったが、どうしても我慢できなかったし、同じ時間を使うのであれば、別の物を読んだ方が良いと思わせる本だった。残念。ミステリーというよりは、サイコスリラー。

D-8

「裁きの地」私立探偵ハンナ
サラ・デュナント
講談社文庫

【2007年6月12日読了】

私立探偵ハンナ・シリーズの2冊目。しかし、書かれた順番からいくと、日本で1冊目として発売された「最上の地」の方が後に書かれたものだそうだ。デュナントのスタイルなのかもしれないが、ハンナが独断と偏見で物事を決め付けすぎるきらいがあるような感じがして、最後まで感情移入が出来ないまま終わってしまって残念。

D-7

「世直し大明神〈おんな飛脚人〉」
出久根達郎
講談社文庫

【2008年9月18日読了】

「おんな飛脚人」シリーズ(?)2作目。飛脚問屋十六屋の飛脚人となったまどかとその仲間達の話。ここでは安政の大地震の前後の話で、その時に飛脚問屋がどんなことをしたとか、まどかの父親が出てきたりとか、事件(というほどでもないが)が色々用意されている。清太郎との淡い思いはまだはっきりしていないものの、なんとなくいい感じなので、続きが出るとしたら、話はそっちの方に行くのではないかと思われる。
D-7 「佃島ふたり書房」
出久根達郎
講談社文庫

【2007年4月18日読了】

2人の生年月日が全く同じで名前も似ている2人の少年が方向先で知り合い、男の友情を育てていく話を佃島を舞台にして、明治の終わりから昭和39年までの長きにわたって書かれている。しかし、基本的にはこれは郡司の成長物語で、そこに少しだけ澄子の成長物語も絡んでいる、といえると思う。明治、大正時代が昭和と同じ感覚で書かれていて、いまひとつ時代物という感覚がしなかった。
D-7 「御書物同心日記〈虫姫〉」
出久根達郎
講談社文庫

【2007年3月20日読了】

江戸時代の武士は現代のサラリーマンと同じだと前から思っていたものの、この御書物同心は本当にそういう感じがする。何よりも将軍家が一番で、そのためには馬鹿馬鹿しいと思ったこともやらなくてはならないし、そうでなくてはお飯の食い上げになってしまう。まさにサラリーマンのような生活。その生活が垣間見れる、ちょっと毛色の変わった時代物。
D-7 「続御書物同心日記」
出久根達郎
講談社文庫

【2007年3月19日読了】

1巻の途中から始まった「御風干」がなかなか終わらない。確かに2ヶ月間に渡って行われる行事(?)とはいえ、長かった。現代の事情から考えると、面白おかしいことも、当時の考え方では大事件だったりする。小さな事件をことさら大きくしてしまったり、江戸時代の武士というのは大変だなあ。
D-7 「御書物同心日記」
出久根達郎
講談社文庫

【2007年3月18日読了】

江戸城の中に保管されていた書籍類を管理する役職である御書物同心の丈太郎と、彼の同僚である角一郎、また丈太郎との長い付き合いの古本屋の主喜助などが登場する連作集。しかし、中々話が進まない。丈太郎も角一郎も新人なので、やることなすこと初めてだし、それも読んでいて面白い。続きも出ているそうなので、そちらも是非とも読んでみたい。

D-6

「きっとわかりあえる!
ロシア人・日本人」
ニコライ・ドミィトリエフ
ボロンテ

【2007年2月3日読了】

ソ連時代のモスクワで生まれて、父親がロシア正教の司祭だったことから、そのあとを継ぐべく、勉学中に当時のレニングラードに留学していた現在の奥様と知り合いになり、ご結婚された後、司祭となり、日本の長野県松本市(奥様のご実家)にお住まいになっているロシア人の書かれたエッセイ。いくらペレストロイカ時代とはいえ、神学校で勉強していたというのも面白い。ロシアに興味のある人は読んでみるのもいいかも。

D-5

「緋色の研究」
コナン・ドイル
新潮文庫

【2007年1月20日読了】

シャーロック・ホームズとワトスン博士がどのようにして一緒に下宿生活を始めたか、が書かれていて面白かった。確かにいつも一緒だったけど、不思議じゃなかった。今まで読んだホームズ物とはちょっと違って、アメリカの開拓時代の話が挟まっているため、趣がちょっと違う気がする。モルモン教の話が出てくるので、少し調べてみた方が、より作品が理解できるかもしれない。

D-4

「ウッドストック行最終バス」
コリン・デクスター
ハヤカワ文庫

【2006年11月23日読了】

モース主任警部シリーズの第一作。モースの行動自体が、私の考えている警部とはかなり違って、飲んで車に乗るし、証拠よりも想像力で事件を解決しているように見えたし、結構無理な想像をしている部分もあったり、事件の関係者と恋愛関係になりそうになったり…。うーん、こういうのでもいいのか?イギリスではモースが死んだ最終作が出た時、新聞の表紙にモースの死亡記事が載ったくらい人気シリーズだそうです。

D-4

「ジェリコ街の女」
コリン・デクスター
早川文庫

【2006年10月14日読了】

モース警部シリーズの1つ。ずいぶん前に「キドリントンから消えた娘」という作品を読んだことがある。誰かが置いていったものだと思うが、シリーズ物なのに、他の作品を取り寄せてまで読もうとは思わなかったらしい。今回は旅行先のロンドンの古本屋で購入。モース、かなり疲れているのか?何故そんなに性的なことを考えているのか良く分からず。しかも空想癖というか、凄くとっぴな発想で事件を解決するが、私的には納得できず。とりあえず1作目も手元にあるので読んでみようと思います。

D-3

「災いの古書」
ジョン・ダニング
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2010年1月10日読了】

元警察官の古本屋クリフ・ジェーンウェイシリーズ第四弾。前作で知り合った弁護士のエリンと恋人同士になり、今回はそのエリンの幼馴染とその夫、しかもエリンが前に付き合っていた男が巻き込まれた事件の裁判をエリンが手伝うかどうかの判断をするために、クリフが調査することに。しかも、その家には膨大なサイン本が!途中でそのサイン本が事件に絡んでいるのでは、ということで古書シリーズの面目躍如かと思いきや、そっちは結局尻すぼみだったというか、何と言うか。最後に大どんでん返しがあって、まあ、こういう終わり方もあるかな、って感じだった。

D-3

「失われし書庫」
ジョン・ダニング
ハヤカワ・ミステリー文庫

【2009年1月23日読了】

元警官の古本屋クリフのシリーズ第三弾。古書薀蓄で有名なシリーズで、古書関連なので、歴史的な話になるのはいなめない。今回は、19世紀の実在の人物、リチャード・フランシス・バートンという探検家で作家だった人物の初刊本をめぐる話。この本を読むまで、その人が実在の人物であるとは知らなかった。しかも、その人関連の映画まであるとは。今回もクリフは新しい女性と良い仲になる。

D-3

「ジンジャー・ノースの影」
ジョン・ダニング
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年2月6日読了】

西海岸の小さな町の競馬場にやってきたウェスは、実はそこで30年前に自殺をした女性について調べていた。孤児だった自分の出生に関して知りたいということは罪なことではないが、周りの人々がここまで隠したがっていることが異常な反応を呼び起こす。結構最後にどんでん返しがあるのだが、手助けしてくれた女性が事故を起こし、彼女の状態がどうであるか、とか最後まで書かれてないので、すっきりしない感じが残る。

D-3

「幻の特装本」
ジョン・ダニング
ハヤカワ文庫

【2007年6月3日読了】

元警察官で、今は古書店を経営しているクリフ・ジェーンウェイが主役の作品の2作目。今回は彼の住んでいるデンヴァーから離れたシアトルが舞台となっている。コレクターという人々は欲しくなったら何が何でも手に入れる人々で、彼らにかかると値段が高騰する。そして、作品を作る芸術家は、自分の作品が満足できないものであれば、何とかそれを葬り去りたくなるらしい。この作品はそのような悲劇が2重、3重にも重なった悲劇だ。
D-3 「死の蔵書」
ジョン・ダニング
ハヤカワ・ミステリ文庫
面白かった。警察官なのに、古本が好きという設定がまず面白い。そして、警察にいれなくなった主人公が古本屋の主人になるというのもよくわからん。しかし、主人公に絡む女性もミステリアス。すっきりしない終わり方だったので、続編が期待できる。 2006年5月時点でシリーズ物として3冊出版されている模様。

D-2

「プラムアイランド」上下
ネルソン・デミル
文春文庫
「王者のゲーム」の前編に当たる作品。先にこっちを読んでいたら、もっと楽しめたのかもしれない。なかなか話が進まない感じで、読むのがちょっと辛かったかな。主人公に感情移入できないのが一番読みにくかった原因かも。

D-2

「王者のゲーム」上下
ネルソン・デミル
講談社文庫
ライオンのように素早く残虐に人を殺すテロリストが、アメリカと言う広大な野に放たれ、たった1人で米軍関係者を次々に血祭りに上げていく。それを迎え撃つのは、連邦テロ対策チームのヒーロー…というあらすじ。確かに次にどう出るのかわからなくて、先が読みたくてうずうずするタイプの本です。エンターテイメント。
D-1

「ウォッチメーカー」上下巻
ジェフリー・ディーヴァー
文春文庫

上巻【2011年3月4日読了】
下巻【2011年3月6日読了】

今回もものの見事にどんでん返しがいくつも仕掛けられていた。というよりも、構成が素晴らしく、読者がこう進むであろうと思っている部分が、違う視点によって語られている間に、実際には思っていたのとは違う方向に話が進んでることが判明するというパターン。新しいキャラ、キャサリン・ダンスの新シリーズも読んでみたい。
D-1

「12番目のカード」上下
ジェフリー・ディーヴァー
文春文庫

上巻【2010年1月17日読了】
下巻【2010年1月18日読了】

リンカーン・ライム・シリーズ第6作。今回も凝りに凝ってるどんでん返し物。ライムとサックスの共同作業、信頼できる仲間達、とすっかり安心して読める。ただし、シリーズ物にありがちな、安易な感じはなく、新しいルーキー巡査が登場したり、同シリーズの他の作品に出ていた登場人物が出てきたり、同作家の別作品(非シリーズ物)の登場人物が出てきたりして、ディーヴァー・ファンにはたまらない。主要人物のジェニーヴァ自身が不審な動きをしていたり、彼女をつけ狙う複数の人物が出てきたり、解決しそうなのに解決しない。最後はちょっと凝り過ぎている感がいなめなかった。次作も楽しみ。
D-1 「死を誘うロケ地」
ジェフリー・ディーヴァー
ハヤカワ文庫

【2009年7月24日読了】

ウィリアム・ジェフリーズ名義で発表された初期の作品のひとつ。ペラムという映画のロケ地を探して歩く仕事をしているジョン・ペラムが主人公でシリーズ第一作である。過去に重荷を背負っている主人公がアメリカの典型的な小さな町で部外者として、目に見えない敵と戦いつつ、相棒を殺した人間を探し出す。途中で人妻やその子どもと仲良くなったり、他の女に惚れられたりして結構色々忙しい。シリーズの続きも読む予定。
D-1 「悪魔の涙」
ジェフリー・ディヴァー
文春文庫

【2009年2月18日読了】

文書検査士という今ひとつ良く分からない職業のパーカー・キンケイドが主人公。カメオ出演でリンカーン・ライムもご出演。ライム・シリーズの「魔術師」にはキンケイドが出てたので、知り合いという位置付け。キンケイドは2人の子供の親権を別れた妻と争わなくてはならない状況に追い詰められていて、子供第一なのに、昔の職場FBIからの要請で捜査に協力することになる。一緒に捜査に当たったルーカス特別捜査官にもいわくあり気な過去が。たった1日で恋愛感情が芽生えるのはどうかと思うが、それだけ濃厚な1日だったということだろう。
D-1 「死の開幕」
ジェフリー・ディーヴァー
講談社文庫

【2009年2月15日読了】

「汚れた街のシンデレラ」 の続編。主人公ルーンのシリーズとも言える。このシリーズは現時点で翻訳されていない作品が1つ残っているそうだ。シリーズの完結を見たいという意味では翻訳してもらいたいが、リンカーン・ライムシリーズのような捻りは、初期の作品だけに足りない気もする。ルーンも第一作ほどはぶっとんでなかった。
D-1 「魔術師(イリュージョニスト)」上下
ジェフリー・ディーヴァー
文春文庫

上巻【2009年1月28日読了】
下巻【2009年1月30日読了】

リンカーン・ライムシリーズ第五弾。今回はマジシャンというかイリュージョニストの経験者がそれらの方法を使って殺人を行い、イリュージョニスト見習いのカーラの協力を得てライムとサックスが事件を解決する。前作では手術に積極的だったライムだが、今回は手術の話は棚上げになっている模様。しかし、影ながら介護士のトムとリハビリに励んでいるらしい。最後の終わり方が次の作品に繋がっている模様。
D-1 「汚れた街のシンデレラ」
ジェフリー・ディーヴァー
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2009年1月21日読了】

リンカーン・ライムシリーズで有名なディーヴァーの初期の作品。若い女性が主人公で、妄想癖があるというか、ちょっと最初は感情移入が出来なくて、読み進めるのが困難だったけれど、後半になったら、話自体がスピーディになって、ディーヴァー特有のジェットコースターな感じが出てきた。続きがあるので読んでみようと思う。
D-1 「石の猿」上下巻
ジェフリー・ディーヴァー
文春文庫

【2008年9月18日読了】

リンカーン・ライムシリーズ第四作。今回は中国からの違法移民問題。おかげさまで、中国語の単語がたくさん出てくる。覚えるのに必死。相変わらずのジェットコースター的な話の進み方で、どんでん返しのどんでん返しが用意されている。ライムと中国人刑事の友情にも注目。続きもあるが、まだまだ文庫化されなさそうなので、ゆっくり待つとしよう。
D-1 「エンプティー・チェア」上下巻
ジェフリー・ディーヴァー
文春文庫

【2007年2月5日読了】

リンカーン・ライムシリーズ第三弾。四肢麻痺のNY市警科学捜査顧問ライムと彼のアシスタントであり、パートナーであるアメリア・サックスが活躍するシリーズ。今回は遠出が出来ないと思っていたライムがはるばるNYからノースカロライナまでやってきて、結局そこの犯罪解決に巻き込まれてしまう話。相変わらずディーヴァー、上手い。上手すぎてちょっと鼻に付く。しかし、続きも読みたい。
D-1 「コフィン・ダンサー」上下
ジェフリー・ディーヴァー
文春文庫

【2006年10月28日読了】

科学捜査専門家リンカーン・ライムシリーズの2作品目。前作を読んでから、結構経っているのでかなり人間関係を忘れてましたが、もしも1作目を読んでいなくても問題ないくらい書き込まれていたので、全然問題になりませんでした。ジェットコースターに乗っているかのようなお話の進み方で、本当にコレで終わりか、と思ってもまだひねってあったりするので、安心できません。登場人物がしっかり書き分けられているので、シリーズとしての楽しみ方もあり、続きを読むのが楽しみです。

D-1

「死の教訓」上下
ジェフリー・ディーヴァー
講談社文庫
最近ではリンカーン・ライムシリーズで人気がある作者の93年に発表された作品。暴行されて殺された女子大生殺人事件を捜査する保安官助手、ビル・コードとその家族を執拗に狙う犯人が不気味。何故彼をそこまで狙うのかが分からず終いで、いまだに気になっている。読了した方がいらっしゃったら、是非教えて下さい。
T-25

「わが青春のロック黄金狂時代」
東郷かおる子
角川SSC新書

【2011年4月13日読了】

懐かしの、ミュージックライフの元編集長である東郷かおる子さんがロック史をたどりつつ、ご自分に関しても書かれていて、大変面白く読んだ。いやー、そういうこともあったよな、とか、え、あの人亡くなっちゃったの、とか、ずっと興味を持っていたわけではないけれど、自分が好きだった時期のオタクな知識が大活躍した本。
T-24 「一八六八年終りの始まり」
アーネスト・サトウの夢と現実
茶屋二郎
講談社
(単行本)

【2010年12月26日読了】

アーネスト・サトウの名前は歴史の授業中に聞いたことがあったと思うが、実際には何をした人なのか、全く知らなかったので、読んでみて面白かった。いわゆる、尊皇攘夷とか、倒幕などの日本人の目から見た話は読んでいたけれども、その当時の日本に滞在していた外国人の目から見たら、こうなる、見たいな話が多かった。サトウの日記も読んでみたいと思う。
T-23 「わたしのグランパ」
筒井康隆
文春文庫

【2010年9月18日読了】

読売文学賞受賞作品。ジュブナイルという小説の分類に入るものらしい。ヤングアダルト、つまり中学生から大学生の前くらいか?映画も作られているそうだ。不思議な魅力のあるおじいさんと孫の交流、かな。テーマは。孫というか、家族のあり方というか人間のあり方というかが汲み取れる気がした。
T-22

「スペイン旅行記」
カレル・チャペック
ちくま文庫

【2011年4月6日読了】

児童作家として認識していたチェコのカレル・チャペックによる旅行記。児童作家としてのみでなく、ジャーナリスト、劇作家としても有名だったそうで、それもそうありなん、という文章。翻訳文も素晴らしいのだろうが、元の文章の雰囲気をそのまま伝えている。挿絵はご本人によるものらしい。
T-22 「長い長いお医者さんの話」
カレル・チャペック
岩波少年文庫

【2010年8月9日読了】

子供向けの本だから、軽く読めるだろうと思って読み始めたのが間違いの元。結構奥が深くて、何度も読み返してしまった。イラストは、作者の実の兄ヨセフ・チャペックの作品だそうで、簡素化された線だが、味のある絵で、かなり気に入った。いや、お医者さんの話は確かに長かったよ。
T-21 「ロシアバレエに熱狂した
バレリーナ」
千野真沙美
文園社(ソフトカバー)
【2010年7月17日読了】
バレリーナとしてはトップに上り詰めたわけではないのだろうが、ソ連時代にモスクワのバレエ学校に留学をして、そこからロシア・バレエ団に入り、色々な経験を積んでいった一人の日本人女性の記録として読むのであれば、かなり面白かった。しかし、ロシア語の単語などは発音どおりの表記で、ちょっと違和感があり、もう少しなんとかなった表現なども多かった。
T-20 「ぼくのマンガ人生」
手塚治虫
岩波新書

【2010年7月13日読了】

1989年になくなった手塚治虫の生前の講演をまとめたもの。死後8年経ってから出版された。いくつかの作品も読んでいたし、有名な人だったので、ある意味色々知っていると思っていたが、この本を読んで知ったことも多かった。今のアニメーターの低所得は、元々虫プロダクションの値段設定が低かったから、とか、アップリカ社の社長に助けてもらっていたとか、書き出せばいろいろある。読んでいない作品も読みたくなった。
T-19 「そして、警官は奔る」
日明恩
講談社文庫

【2010年9月10日読了】

「それでも警官は微笑う」の続編。キチクという渾名を持つ警官武本と彼の上司だった潮崎のコンビが面白かったので読んでみたが、確かに1作目の方が面白かった。色々な問題があることを書き込みたかったのだと思うのだが、今一つページ数の割には描き切れていなかった。続編があるなら期待したい。
T-19 「それでも警官は笑う」
日明恩
講談社文庫

【2010年5月3日読了】

初読み作家。第25回メフィスト賞受賞作品。型破りなおしゃべり刑事と寡黙な年下の部下の組み合わせが面白かった。しかし、相変わらず東京でコレはあり得ないだろうという話だったが、エンターティメントとして読むにはいいのでは。続編があるそうなので、是非読んでみようと思う。
T-18 「黒髪」
谷村志穂
講談社
(単行本)

【2010年4月14日読了】

ハードカバーで分厚かったので、家で寝る前にしか読めず、読了までにかなり時間がかかった。カタカナのロシア語はかなり正確だが、わざわざロシア語の会話を発音通りに書かなくてはいけないのか、ちょっと謎が残った。自分のルーツが知りたいという気持ちは誰でも持っているものだと思うが、何も今この時期にと、家族が思ってしまうことも理解できる。さわは情念の女性だったのだろう。
T-17 「150cmライフ」
「150cmライフ」2巻
たかぎなおこ
メディア・ファクトリー

【2009年12月27日読了】

150センチの背丈での生活ぶりをイラストとエッセーで綴っている作品。私も背が高い方ではないので、「あるあるこんなこと」と思いながら読んだ。同じことを書いていても、くすっと笑える書き方なので、読んでいる方も不快にならない。2冊目では美容院の人に質問したり、着物の店舗に行ったり、結構取材な感じで作られた本。背の高いお友達も登場して、背の高い人には高い人なりの問題があるということも分かった。
T-16 「眺めのいいヘマ」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2011年5月25日読了】

ジェーン・ジェフリィシリーズ11弾。作者もそろそろ息切れかもしれない。子供たちも出てこないし、メルトの仲も進展しないし、ミステリーも弱い。しかし、アメリカの中の上の階級の結婚パーティの様子が良く判る。日本とは別の意味でウェディングプランナーの腕の見せ所かもしれない。次に期待。
T-16 「カオスの商人」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年12月18日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ第10作。恋人メルの母親まで登場。姑とメルの母親は同じくらいいけすかない。そんな中、新しい隣人の突拍子もない行動が引き起こした騒動から、お隣で悪人TVレポーターが死んでしまった。いつものように、親友のシェリィとおせっかいを焼きつつ事件を解決するジェーン。メルも感謝してることでしょう。
T-16 「飛ぶのがフライ」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年12月15日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ第9作。隣人で親友のシェリィと共に、地域の子供たちのキャンプ予定地を泊りがけで見学に行き、殺人事件に巻き込まれる。原作の発売が1997年とのことだが、早速インターネットを使って、両親や子どもたち、そして“重要な相手”であるメルと連絡を取るジェーン。シェリィとの珍道中ぶりも面白い。1巻から翻訳を続けていた翻訳者の方が、この作品の翻訳途中でお亡くなりになったそうだ。それが理由かどうかわからないが、前作との間に5年以上も間があいてしまったとのこと。原作の方は5冊以上残っているようなので、是非続きも翻訳して、発売して欲しい。
T-16 「エンドウと平和」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年12月5日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ。今回は刑事としてのメルの登場はあるけれども、ジェーンとの絡みは殆ど電話、または夕飯を食べるために家に寄るくらいで、ラブラブ度が表に出ていなかったし、子供たちも殆ど出てこなかった。しかし、アメリカ人は本当にこんなボランティアを行っているのだろうか。日本人だったら、アルバイトでもない限り、こんなに毎日入力の仕事なんて行かないと思うけど。
T-16 「豚たちの沈黙」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年11月14日読了】

探偵主婦ジェーンのシリーズ第七弾。長男マイクがバイトをすることになった、近所のデリカテッセンの開店祝いで問題児の弁護士が死亡。取り組むつもりもなかったジェーンだが、結局隣に住む親友シェリィと共に解決してしまう。いつも恋人のメルが注意しても、結局は。。。シリーズが進むとどうしてもマンネリ化してくる展開。次の作品も読んでみる。
T-16 「地上より賭場に」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年11月11日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ第六弾。お隣のシェリィの夫の仕事の関係で、全て招待で(無料で)、コロラドのスキー・リゾートに子どもたちと犬とメルとやってきたジェーン。そこを会場に、系図研究家の集団が集まっていて、その中の一人が突然亡くなった。発見したのはジェーンとメル。せっかくゆっくり休暇を楽しみにきたにもかかわらず、何故か事件を引き寄せてしまう2人。母親だけど、女性としての楽しみも忘れないジェーン。それに理解を示すメル。いいコンビ。
T-16

「忘れじの包丁」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年11月7日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ第五弾。自宅の裏の原っぱで映画の撮影が行われることになったジェーンとシェリイ。しかも、主演はここ最近ヒット作はないものの、以前素晴らしい演技をしたことで有名な女優だった。しかし、小物担当スタッフが殺され、更には主演女優まで謎の死に方をした。メルには釘を刺されているものの、ロケ現場に入り込み、情報を集めるうちに、ジェーンは誰が犯人だか思い当たる。メルとの仲は相当進展。
T-16

「クラスの動物園」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年11月5日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ第四弾。お隣の親友シェリイの同窓会のお手伝いをすることになったジェーン。今回は同窓会前に女性ばかり数人が宿泊する、正式オープン前の民宿のお手伝いをすることに。ひと癖もふた癖もあるような女性達を相手にしつつ、自分の子供たちの世話も含め、色々と面倒に巻き込まれ、又もや殺人事件が勃発。メルとの仲も更に少しずつ進展。しかし、メルが何故ジェーンに惹かれているのか、明確なところが不明。
T-16 「死の拙文」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年11月3日読了】

主婦探偵ジェーンシリーズ第三弾。段々近づいてきていたメルとの仲もちょっと進展したみたいで、安心。しかし、唐突だと思ったのは、私だけでしょうか。毎回、普通の住宅街で、どんな事件が?と思っていますが、母親がやってきたりとか、一応外的要因があるわけですね。今回はジェーンの母と娘の関係、及び、ジェーンと娘の関係にも言及され、すっきりした感じ。続きも楽しみ。
T-16

「毛糸よさらば」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2010年1月7日読了】

主婦探偵ジェーン・シリーズ第二弾。前作では隣の掃除係りが殺されていたが、今回はジェーンに会いに来た新婚当時の知り合いの女性とその女性の、数ヶ月前に発見された息子が、近所の家に引っ越した途端に殺されるという奇奇怪怪な状況。そして、相変わらず3人の子供たちの世話と、近所とのお付き合いで物凄く忙しいジェーン。アメリカの主婦って凄いと思う。運転できないと子供も育てられないのか。再び刑事事件に遭遇したおかげで、気になっていた刑事ヴァンダインとも少し仲良くなった感じ。続きを読みたい。
T-16 「ゴミと罰」
ジル・チャーチル
創元推理文庫

【2009年10月8日読了】

夫に死別し、高校生を筆頭に3人の子どもを育てながら、近所づきあいもこなさなくてはならないジェーン。アメリカの中産階級の住宅地の日常の中で殺人事件が起きて、おおざっぱな主婦が事件解決に乗り出す。いわゆるコージー・ミステリーもの。仲間の主婦達の性格がそれぞれはっきり書かれている割には、刑事は何をしてるんだかな的な感じが否めない。続きがあるので、読んでみたい。
T-15 「氷上の光と影
知られざるフィギュアスケート」
田村明子
新潮社(ハードカバー)

【2009年6月13日読了】

80年代からフィギュアスケートに注目していた人間にとっては、とても懐かしい選手の名前が出てきたり、当時では知りえなかった事情なども判明したり、かなり面白かったです。逆に最近の選手のことしか知らないと、判らないこともたくさんあるかもしれません。得点制度が変更になった理由や、ジャッジの事情など、さまざまな情報が満載されていて、しかもそれが淡々と述べられていることに驚きました。
T-14 「遠いうた」徳川伯爵夫人の75年
徳川元子
文春文庫

【2008年12月2日読了】

明治から大正、そして昭和にかけての華族の生活ぶりが分かって面白かった。そして徳川という苗字が重いのだろうなということも伺えた。小さな時に母親が亡くなり、その後祖母に育てられたというのもあるだろうが、今の女性とは全く違う人生がここにはある。それも日本人の歴史の一部だと思う。
T-13 「じーさん武勇伝」
竹内真
講談社文庫

【2008年11月22日読了】

初読み作家。人伝に面白いと聞いて読んでみた。確かにあり得ないと思うような話だが、どこかであってもいいかもね、と思いたいような話ではある。他の作品も読んでみて、この先もこの作家の作品を読み続けるかどうか決めたい。
T-12 「ロシアに学ぶ週末術」
ダーチャのある暮らし
豊田菜穂子
WAVE出版

【2008年11月5日読了】

モスクワに長年住んでいるが、実際にダーチャに行ったことがあるのは数回。しかし、ロシア人は仲良くなるとダーチャに誘いますね。行ったことがあるだけに、読んでいて「そうそう」と思う部分と、「勘違いじゃないの?」と思う部分がありましたが、勘違いの部分ももしかしたら、私の勘違いかもしれないなと思ったり。ロシア人の普通の生活に興味がある人はこの本をお勧めします。
T-11 「トルコで私も考えた」(1)(2)
高橋由佳利
集英社ヤングユーコミックスワイド版

【2007年11月18日読了】
(4)【2008年4月28日読了】

その昔、今よりもずっと漫画を読んでいた頃、高橋由佳利の漫画を読んだ覚えがある。「りぼん」で活躍した人だったはず。その彼女がトルコ旅行をし、現地で知り合ったトルコ人男性と結婚して、最初はトルコに、その後は日本(神戸)に居を構えた話を漫画によるエッセイとして出版したものがこちらの作品。2007年11月現在4巻まで出ているらしい。

4巻の感想
トルコ人のご主人との生活、日本で生まれ育っている息子さんの話、たまに帰省するトルコでの親戚達の話、トルコの生活に見られる時代の流れなど、高橋さんならではの視点からのコミック・エッセー第四弾。どこの国でも同じだけど、文化が違う、では済まされない、でも爆笑物の話が面白い。

T-10 「徳川家に伝わる徳川四百年の
内緒話」ライバル敵将篇
徳川宗英
文春文庫

【2007年9月2日読了】

色々なエピソード満載の、どちらかというと雑学的な感じの本。しかし、書いている人は田安徳川家第11代当主さんである。田安徳川家とか、XX徳川家の違いが今ひとつ分からんが、まあしょうがない。後でじっくり調べてみよう。そういう意味では有難い話なのかもしれない。まあ、一般的な徳川幕府関連の面白い話に興味のある人はご一読をどうぞ、って感じですね。
T-9 「シモネッタのデカメロン」
田丸公美子
文藝春秋

【2007年8月5日読了】

ロシア語の通訳から著述業に転身された米原万里さんのお友達で、自身もイタリア語通訳の御大でいらっしゃる田丸さんのエッセイ。それぞれの章の扉の裏にある小話がかなり効いている。しかし、これを読んでますます自説である「ロシア人は暗いイタリア人」説が確固たる物に。イタリア人もロシア人もオヤジのやってることは同じ。でも、ロシア人の方がしつこいかもね〜。
T-8 「帰ってきたメアリー・ポピンズ」
P・L・トラヴァース
岩波少年文庫

【2009年5月3日読了】

メアリー・ポピンズ2作目の本。1冊目で厳しいけれど、実際には優しいメアリー・ポピンズのとりこになった人には嬉しい2冊目。子ども達も少しずつ大きくなって、更にもう一人妹も生まれた。メアリー・ポピンズの不思議な世界が堪能できる。動物のサーカスの話が良かった。
T-8 「とびらをあけるメアリー・ポピンズ」
P・L・トラヴァース
岩波少年文庫

【2008年12月10日読了】

メアリー・ポピンズの4作品のうちの3番目の作品。1作目に比べると、子供達も大きくなっていて、メアリー・ポピンズのキャラもはっきりしているんだけど、わくわく感に欠ける気がした。メアリー自身が活躍するよりも、ジェインやマイケルの体験の方がメインになっているからだろうか。2冊目、4冊目も読みたい。
T-8

「風にのってきたメアリー・ポピンズ」
P・L・トラヴァース
岩波少年文庫

【2007年5月16日読了】

これも以前に読んだ事のある児童書。改めて読んでみると、味わい深いものがある。別に大げさに魔法を使うとか、そういうことではなく、子供たちが楽しくなるような、イギリスの子守りとの生活が描かれている。実際には魔法のまの字も書いていない。想像力を書き立てる筋書きであると思う。逆にメアリー・ポピンズは子供たちにも「そんな不思議なことはありません」みたいな態度を取っているのがよい。あと3つある続編も読んでみたい。
T-7

「徳川慶喜家にようこそ」
わが家に伝わる愛すべき
「最後の将軍」の横顔
徳川慶朝
文春文庫

【2007年5月2日読了】

徳川慶喜の曾孫による「最後の将軍」の大政奉還後のエピソードや現代の徳川慶喜家の当主(著者)までの家督を継いだ人たちの苦労話など。歴史の表には表れないちょっとした話などが書かれていて興味深かった。徳川家は家を絶やさないために親戚関係(宗家と御三家と御三卿)で養子を入れているので、どんどん家系が複雑になっており、家系図で確認しないと話が厄介な事に。明治時代の話はその当時の貴族のこぼれ話にもなっていて、当時がしのばれる。日本にも貴族がいた時代があったんですねえ。
T-6 「今ごろ結婚しているハズが…?」
谷崎光
角川文庫
「中国てなもんや商社」の作者によるエッセイ集。「中国〜」の方は体験談として素直に読めたが、こちらの方は「 こんなんでもいいんですかね?」っていうくらい普通の文章で、残念でした。
T-5 「ライオンと蜘蛛の巣」
手嶋龍一
幻冬舎

【2007年4月29日読了】

NHKワシントン支局長時代に9・11事件が起きて、その時から時の人になった手嶋さんがいろいろなところに発表したエッセイをまとめたもの。NHKをお辞めになってから「ウルトラ・ダラー」という小説を書いて、それも話題になっているようですが、現時点で私は未読ですので、言及できません。確かに記者をやっていれば雑学も含めものすごい物知りで、更に色々な知り合いがいるもんだ、とびっくりでした。ただし読む側にも知識がないと楽しめません。

T-4

「キング・アーサー」
フランク・トンプソン
鎌田三平:訳
竹書房文庫

【2006年7月読了】

映画「キング・アーサー」のノベライズもの。アーサー王の伝説はたくさんあるけれども、史実に基づいたアーサーに関しての物語。この映画は確か日本に一時帰国する時にJALの機内で見ました。その時はストーリーも良く知らなかったし、アーサー王についても殆ど知りませんでした。日本に帰ってからネットで調べたりして、アーサー王に関する本も購入したのですが、そちらはあまり興味をそそられず、本棚でほこりをかぶっている状態ですが。再度ノベライズ物を読んで、映画の内容も思い出しました。もう一回見てみたいかも。
T-3 「ガンジス河でバタフライ」
たかのてるこ
幻冬舎文庫
インド旅行にありがちな爆笑エッセイ。インドだけではなく、マレーシアなどのアジア関連の部分もあり。自分ではアジア旅行はしたことがないので、何とも言えないが、写真も面白かった。
T-2 「あふれた愛」
天童荒太
集英社文庫

【2007年12月4日読了】

「家族狩り」や「永遠の仔」などの受賞作品がある天童さんの短編集。重いテーマを中心にした作品が多い作家だけれど、心に響く何かがあるのも確か。生きることに不器用な人々が、辛くて精神的に問題を抱えてしまった人々を主人公にしています。今の世の中、こういう問題が多いのかもしれませんが、重たかったなあ。。。
T-2 「まだ遠い光」家族狩り第五部
天童荒太
新潮文庫

【2007年3月16日読了】

家族狩り第五部。全ての事件が一気に解決する。結局は元夫婦の世の中をよくするためには悪い家族を切り捨てる=殺すという方法によるものだった。そんな中元高校教師と児童福祉施設の職員はお互いに必要としていることを理解し始める。元高校教師の教え子は事件に巻き込まれるが、すんでのところで助けられる。しかし、彼女の家族は崩壊した。重たいテーマで、何でココまで?と思うのだが、天童さんはいつも子供の虐待をテーマにしている。再度繰り返して読むことはないかな、と思う。
T-2 「巡礼者たち」家族狩り第四部
天童荒太
新潮文庫

【2007年3月15日読了】

家族狩りの第四部。刑事は不審に思った元夫婦の事件を詳しく調べるために有休を取って四国に向かう。その旅に妻も付いて行くが、旅行先で夫に離婚を申し出る。夫は扱った事件で知り合った女性とその小さな息子との関係を切ることが出来ない。元夫婦の謎が段々解けて行くが、彼らが更正させようとしていた駒田という男も強迫観念から間違った方向へ向かって行く。
T-2 「贈られた手」家族狩り第三部
天童荒太
新潮文庫

【2007年1月18日読了】

学生に僕力を振るわれた美術教師はのどかな一軒家に引越しをし、以前の教え子と再会。教え子は中退者だったが、今は立派に生活を立て直して、教師とも関係を作って行く。女子高生は家の中で問題児になって行き、母親は困って助けを求める。刑事は職場でも家庭の中でも問題児のまま、自分の居場所を探す。
T-2 「遭難者の夢」家族狩り第二部
天童荒太
新潮文庫

【2007年1月9日読了】

家庭内暴力を行っていた子供が家族と無理心中したように見える事件が連続して起こっており、またその場面を描いている部分もあるのだが、誰が行動を起こしているのか、いまひとつはっきり書かれていないので、事件なのかどうなのか、いくつかのエピソードが最後にどうつながっていくのか、なかなか分かりにくい。第五部までがんばって読まないと。
T-2 「幻世の祈り」家族狩り第一部
天童荒太
新潮文庫

【2007年1月7日読了】

作者が山本周五郎賞を受賞した「家族狩り」(95年版)を元に、加筆訂正を行い、ハードカバーよりも900ページも増え、文庫で5冊(5部)構成となった、全く新しい作品だそうです。機会があったらハードカバー版もぜひ読んでみたいと思います。作品自体は、他の同作者の作品同様、子供の虐待と家族に関して、と言えると思います。重いテーマですね。
T-2 「孤独の歌声」
天童荒太
新潮文庫
天童さんの著作を読むのは「永遠の仔」についで2作品目。何故か寂しさの伴う作品を書く作家だなあと思います。この作品自体はミステリーに分類されると思いますが、ミステリーという形を借りて、人間の内面を描き出している作品だと思います。この人の作品を読んで毎回思うのが、登場人物が必ず心に傷を持っていること。ご本人もなにかそのような体験があるのかもしれませんね。
T-1 「ひよこのひとりごと」
残る楽しみ
田辺聖子
中公文庫

【2011年5月8日読了】

田辺さんの軽快な語りのエッセー。丁度100歳になられたお母様をお見送りしたところで終了。ご自身もご高齢なのにも関わらず、最初はご主人を、その後お母様を看取られて、表には出さなかったけれども、大変なご苦労をされているのだろうなと思わされた。ただ、それをやわらかい大阪弁でオブラートに包んで書いているので、表面上はわからないかなとも思った。
T-1 「楽天少女通ります」
田辺聖子
ハルキ文庫

【2009年3月24日読了】

田辺聖子の自伝とも言える作品。詳しく書かれているのは作家になる前までと結婚することになった経緯で(しかし彼女が事実婚であるとは知らなかった)、それ以降は引越しのことは書かれているが、作品で文学賞を取った時の話が書かれているくらいで、例えば夫の病気などに関しても、さらっと事実だけが淡々と書かれているだけだった。昭和史とも言える人生なので、興味のある方は是非ご一読を。
T-1 王朝懶夢譚
田辺聖子
文春文庫

【2009年3月18日読了】

田辺さんの中世王朝ファンタジー物。読みやすく、軽い作品。でも途中で時代を無視した外来語が出てきたりするので混乱した。まあ、時代考証などは無視して楽しいお話を、という感じでしょうか。妖怪がたくさん出てきますが、皆危害は加えないし、月冴姫とは仲良しと言う設定。ちょっとほっこりしたい時にどうぞ。
T-1 「おせいさんの団子鼻」
田辺聖子
講談社文庫

【2008年8月29日読了】

52編の短いエッセー集。全てのタイトルが動詞であるのが面白い。しかし、エッセーと言うのは、ある程度時代を反映しているので(この作品は親本が1984年2月に発行されているので、書かれているのはそれ以前)、今とはちょっと感覚が変わってしまっている部分も多い。それとタイトルとエッセーの内容につながりがないと思えるものもいくつかあった。単に感性の違いなだけかもしれないが。
T-1 「ここだけの女の話」
田辺聖子
新潮文庫

【2008年8月24日読了】

田辺聖子30代の短編集。既に年代が40年以上前の作品なので、30代半ばの女性の感覚が、現在の40−50代くらいの感覚で書かれているように思えて、ちょっと辛すぎた。田辺さんは読みやすいのだが、いかんせん時代を感じさせられてしまう。
T-1 「言い寄る」
田辺聖子
文春文庫

【2008年6月10日読了】

乃里子と剛の3部作の第一作だそうだが、やはり書かれた時代が若干古めのため、どうも違和感があるのと、自分が恋愛物を苦手としているので、作品に入り込むことが出来なかったが、文体は読みやすいし、ストーリーとしては面白いので、好きな人が読んだら、楽しめるのだと思う。残念。
T-1 「苺をつぶしながら」新私的生活
田辺聖子
講談社文庫

【2007年7月14日読了】

田辺聖子は好きな作家の一人のはずだが、これは全然面白くなかった。残念。ブリジット・バルドーの言葉がそこここに散りばめられている作品だが、全然共感できなかった。年齢的なものなのか、書かれた年代がかなり前だったからなのかは判別不能。三部作の第三作品目というのも影響しているのか。続き物は最初から読まないと意味がないと改めて思った。
T-1 「姥ざかり」
田辺聖子
新潮文庫

【2007年7月3日読了】

76歳の歌子さんが主人公の短編連作集。老いてなお盛んという言葉がぴったり(?)の歌子さん。自分から好んで一人暮らしをしていて、息子達が世間体を考えて一緒に住もうというのを断り続けている。そして自分では楽しく暮らしているが、何故か息子やその嫁などからはもっと老人らしくしろと言われてしまう。田辺聖子はこれを50代の時に書いたはず。今、彼女は自分でどんな生活をしているのか、ちょっと気になる。
T-1 「ほどらいの恋」
田辺聖子
角川文庫

【2007年6月28日読了】

ゆるやかに恋について書かれた短編10編。自分が中々恋愛体質にないせいか、恋愛小説が苦手だが、これくらいゆるいとまだ読めるかな。田辺聖子の作品は時代が変わっても安心して読める感じがいい。普遍性があるというか。10年以上前の作品だと、読んでいて「古い」と感じてしまうものが少なくないので。ほんわかとした大阪弁もその印象に一役買っているのか。
T-1 「鏡をみてはいけません」
田辺聖子
集英社文庫

【2007年6月16日読了】

バツ一で子持ちで小姑同居の家に結婚式もしないで同居を始めた野百合。相手の律も不思議な感覚の人間だが(サラリーマンとしては)、ここの小姑も面と向かって「他人のくせに」と言うし、私だったらほんと許せないと思う。後半になって主人公が律に向かって切れるのも良く分からないでもない。宵太に対する感情は日本人の言う「情」以外何者でもないと思う。律の言う「ちきんとした朝飯さえ食べさせていれば、子供はちゃんと育つ」というのも、一理あるかも。
T-1 「日毎の美女」
田辺聖子
講談社文庫

【2007年6月14日読了】

ちょっと古臭い感じがしないでもないけれど(それは携帯電話とかインターネットなどの言葉が出てこないからだと思うけど)、時代を特定するものとかも書かれていないし、会社勤めの感覚というのは、10年、20年前でもほぼ変わらないものと思え、なんとなく、そうかなあと思いつつ読了。でも、この話に出てくる人々はかなりステレオタイプな感じがいなめなくもない。
T-1 「田辺聖子の古事記」
田辺聖子 
集英社文庫
こういう物でも読まないと、古事記の内容なんて、古すぎて(中学生の日本史の時間に勉強したのか、古文の時間に勉強したのか)忘れてしまっていますね。でも、これを読んで日本の御伽噺などの絵本で読んだ話が結構含まれていてビックリ。

 

 

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