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Booksのページ「や〜」

 

 

このページ以外にも感想があります。そちらは著者名ごとにページが別れています。

あ〜/か〜/さ〜/た〜/な〜/は〜/ま〜/や〜/ら〜/わ〜

 

 

タイトル・著者
その他

感想メモ

Y-22

「ハナコ月記」
吉田秋生
ちくま文庫

【2011年5月31日読了】

80年代に雑誌Hanakoに不定期に連載されていた見開き2Pカラー漫画。時代を反映しているなと思うのは、冬にはスキー、クリスマス前には彼氏にプレゼントのおねだりをしているところ。でも、それ以外の人間関係はいつになっても一緒かな、と思う。

Y-21

「きのう何食べた?」第3巻第4巻
よしながふみ
モーニングKC
(漫画)

【2010年12月29日読了】

おいしそうな料理の作り方がたくさん紹介されてて嬉しい。料理を積極的にはしない私でも作れそうなものもあったりして。ゲイの二人が主役だけど、別に男女のカップルでも40代半ばで子供なし、って人たちもいるわけで、そういう意味では性別を超えて、普遍的な問題を扱っていると思う。

Y-21

「きのう何食べた?」1巻2巻
よしながふみ
モーニングKC(漫画)

【2010年10月27日読了】

週刊誌に隔週連載漫画らしいが、毎回その日の夕食のレシピとその作り方が詳しく説明されていて、レシピ本としても有効活用できる漫画。ただし、ゲイの同居カップルという設定が拒絶反応を起こす人もいるかも。毎回のレシピのみならず、アラフォーのゲイの両親や社会との関係など、ゲイでなくても悩んでいることが描かれていて、生きていく上での人間としての問題なのだと思う。

Y-20

「テルマエ・ロマエ」3巻
ヤマザキマリ
ビームコミック

【2011年5月14日読了】

ねた切れにならないのは素晴らしい。でも、期待しすぎていたからか、そこまでではないかな、とも思ったり。これから何度も読み返してみたら、スルメのように味が出てくるのかもしれない。長編より短篇の方が魅力があると思った。

Y-20

「テルマエ・ロマエ」1巻、2巻
ヤマザキマリ
BEAM COMIX(
漫画)

【2010年10月20日読了】

マンガ大賞2010受賞作。古代ローマの浴場技師ルシウスが、ひょんなことから平たい顔族のいる日本へタイムとラベルしてしまう(風呂限定)という設定が爆笑物。確かに温泉や公共浴場など、共通の話題が事欠かない日本とイタリア。続きも大変楽しみ。

Y-19

「獄門島」
横溝正史
角川文庫

【2010年12月14日読了】

その昔、少女漫画化されたことがあって、原作も読んでみた。勿論時代設定が戦争直後となっているので、古臭いのだが、作品自体の持つ力が素晴らしい。金田一耕助の出てくる他の作品も読んでみたいと思わせる作品。

Y-19

「犬神家の一族」
横溝正史
角川文庫

【2010年3月21日読了】

読んだことがあったような、なかったような、その昔マンガで読んだのだったかもしれない、と思い、読んでみることにした。勿論戦後すぐという時代性もあるのだろうけれど、おどろおどろした様子は否めない。金田一耕助という探偵を作り出した横溝さんは凄い。しかし、2ヶ月以上諏訪に滞在して、旅館に住んでいたのだったら(依頼人は最初に死亡してしまったし)、支払いはどうなったんだろう、と変なことが気になった。

Y-18

「黄金の灰」
柳広司
創元推理文庫

【2010年2月24日読了】

トロイの黄金を見つけたシュリーマンとその二番目の妻ソフィアを主人公にした話。いまいち時代背景が分かっていなかったので、最初はなかなか物語に入れなかった。シュリーマンがロシアで商売をしていて、ロシア国籍も持っていたなどと言う話は始めて知った。びっくりものである。どこまでが史実でどこからが創作部分なのか、判らせないのが上手いのかどうか。ちょっと判断が難しい。

Y-17

「白鷹伝」戦国秘録
山本兼一
祥伝社文庫

【2010年1月11日読了】

初読み作家で「利休にたずねよ」で直木賞を受賞した作者の作品。この「白鷹伝」にも利休が登場する。また、この作品中で重要な役割をする韃靼人メルゲンは利休の娘と結ばれる。主人公は小林家次(家鷹)という天下一の鷹匠。信長、秀吉、家康に仕えた彼と白鷹からくつわの交流を中心に描いた作品。最初は分厚いなあと思ったものの、ぐんぐんと作品に引きずり込まれてぐいぐい読めてしまう。「利休にたずねよ」もぜひ読みたい。

Y-16

「花のれん」
山崎豊子
新潮文庫

【2011年3月29日読了】

読了後に主人公のモデルが吉本興業の創業者と知り、びっくり。吉本興業自体をよく知らなかったので、そんなに古い会社なのかと改めて思った。勿論モデルなだけで、ノンフィクションではないのだろうが、姉よりも早く嫁ぎ、舅が急死し、その後の夫の不始末で家を畳み、夫の趣味から始まった新しい仕事をやり遂げた女性ということで、あの時代の女性は強かったなと改めて思った。

Y-16

「暖簾」
山崎豊子
新潮文庫

【2009年12月23日読了】

山崎豊子のデビュー作だそうで。自分の自出をフィクションにして書かれた作品。色々な作品で盗作疑惑が出ているそうだが、文章に力があり、読ませる。そういう意味では、他の作品も読んでみたい作家の一人である(「ぼんち」、「沈まぬ太陽」全巻は読了済み)。

Y-15

「お父さんは時代小説が大好き」
吉野朔美
角川文庫

【2010年6月26日読了】

書評漫画エッセイ。姉妹書の「お母さんは赤毛のアンが大好き」を以前に読んだので、こちらも気になって読んでみた。知り合いの人とわいわい言いながら、好きな書籍について語れる吉野さんはかなり幸せなのではなかろうか。ただ、ここで紹介されているからと言って、読むとは限らないけど。

Y-15

「お母さんは「赤毛のアン」が
大好き」
吉野朔実
角川文庫

【2009年5月11日読了】

漫画家の吉野朔実が、「本の雑誌」に連載している漫画エッセーの書評。彼女の漫画作品は学生の頃に読んでいて、結構好きだった。その人がどんな読書生活を送っているのか知りたくなって読んでみた。しかも意外な交友関係も分かったりして。知ってる作品も知らない作品もあったので、読んでみていないものに関しては、時期が来たら読んでみたいと思う。

Y-14

「イタリアンばなな」
アレッサンドロ・G・ジェレヴィーニ+
よしもとばなな
生活人新書

【2008年9月8日読了】

イタリアで高い評価を受けているよしもとばななの作品の翻訳者でもあるアレッサンドロさんとよしもとさんの対談や、よしもとさんのエッセー、アレッサンドロさんの博士論文の短縮型が収められている本。アレさんの1冊目の本も読んでいたので、こちらにも興味が湧いて手にとってみた。外国人の、後から覚えた外国語で、こんなに素晴らしい論文が書けてしまうというのは、才能なのでしょうか。

Y-13

「あぐり 95年の奇跡」
吉行あぐり
集英社Be文庫

【2008年8月31日読了】

作家である吉行淳之介、女優和子、文筆家理恵の母親であるあぐりさんの半生が彼女自身の語る言葉で書かれている本。部分的に長女の和子が母親のことを書いている部分もあり、さらには本人が和子に宛てた日記になっている部分もあり、興味深く読んだ。

Y-12

「天才柳沢教授タマとの生活」
完全版
山下和美
講談社KCコミックス

【2008年6月27日読了】

天才柳沢教授のシリーズで猫が出てきている部分だけを集めた特別な巻。タマ、かわええなあ(笑、単なる猫好き)。教授というより、奥さんがいい味出してます。教授はもう変だって分かってるしね。 娘も猫を拾ってくるくらいだから、いい人だよ。たまに読むと漫画も面白いねえ。山下和美、好きですな。

Y-11

「テレプシコーラ」第二部5巻
山岸凉子
メディアファクトリー
(マンガ)

【2011年2月6日読了】

とうとう最終巻。第一部、第二部と合わせて15冊。10年間の連載お疲れ様でした。しかし、こんな終わり方ですか?いつか続きを描いてくださるのでしょうか?かなり気になりますが。結局ローラ・チャンが誰だか判らないような、判ったような。

Y-11

「テレプシコーラ」第二部4巻
山岸凉子
メディアファクトリー
(マンガ)

【2011年1月19日読了】

折角のローザンヌ・コンクールを発熱のため、コンテンポラリーを棄権してしまった六花。具合が悪くなったのはしょうがないけど、とても残念。5巻が最終巻だそうなので、楽しみ。

Y-11

「テレプシコーラ/舞姫」
第二部第三巻
山岸涼子
MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ

【2009年11月4日読了】

六花ちゃんのコンクールはまだ終わらない。一緒に行った茜ちゃんの風邪を貰ってしまったらしい六花ちゃん。いざと言う時にどうなるのか。態度が空美ちゃんを髣髴とさせる26番の中国系アメリカ人も気になる。実は整形してた空美ちゃんだったら凄いよな。

Y-11

「牧神の午後」
山岸涼子
MFコミックス・ダヴィンチシリーズ

【2009年10月20日読了】

漫画2編はそれぞれニジンスキーとトールチーフという実在のバレエダンサーに関しての話。ニジンスキーに関しては、結構色々とディアギレフ関係で読んでいて知っていたのだが、トールチーフに関しては、この前DVDで見たバレエ・リュスのドキュメンタリーで初めて知った。その人を主人公にしている漫画で興味深く読んだ。他に作者自身が体験したバレエ発表会に関しての漫画エッセイと元東京バレエ団のダンサー、首藤さんのバレエ・スタジオ見学記、ローザンヌ・バレエ・コンクール見学記と濃い内容の一冊。

Y-11

「ヴィリ」
山岸涼子
MFコミックス(ダヴィンチシリーズ)

【2009年6月24日読了】

バレエ「ジゼル」をモチーフにした漫画。ベテランのバレリーナの気持ちもわからないではないが、結構厳しいですね。バレリーナでなくとも、怨念のこもっている舞台で事故が発生したり、意識不明で寝ている人の生霊のようなものが登場したり、山岸涼子の本領発揮とも言える作品だと思う。終わり方に未来に希望が見える。

Y-11

「テレプシコーラ第二部第二巻」
山岸涼子
MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ

【2009年5月15日読了】

六花ちゃんが外国でのコンクールに挑戦。先が楽しみである。

Y-11

「テレプシコーラ/舞姫」第二部1巻
山岸涼子
MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ

【2008年12月29日読了】

六花ちゃんが高校生になって、しかも欧州のコンクールに参加するために、お世話の先生と、一緒に参加する人と出発することに。いい意味で大人になりつつある高校生を主人公にすることによって、これから先も楽しみな漫画である。

Y-11

「テレプシコーラ」1〜10巻
山岸涼子
MFコミックス
メディアファクトリー

【2008年5月14日読了】

巷でバレエファンに話題のバレエ漫画。読みたいと思っていたら、友達が持っていたので、読ませてもらった。70年代にもバレエ漫画(アラベスク)を描いていた山岸涼子だが、こちらの作品の方が、本人が収集している情報なども多くなったせいか、かなり現実感がある作品となっているように思う。またバレエだけでなく思春期の女の子や男の子の目線での話などもあって、考えさせられる。

Y-10

「秋期限定栗きんとん事件」上下
米澤穂信
創元推理文庫

上巻【2011年6月19日読了】
下巻【2011年6月21日読了】

小市民シリーズ第三弾。前作を読んでからかなり時間が経っているので、結構話を忘れていた。しかし、前の作品を読まないで、これから読んでしまうと、面白さが半減する。前作品で袂を分かった小佐内さんと小鳩君。それぞれが彼氏、彼女を作って、楽しく高校生活を送っているのかと思ったら、それがそうでもなかったらしい。結局最後は落ち着くところに落ち着いたわけだが、もっと上を見たら上がいるかもしれないけど、現時点でのベストの選択としてお互いを選ぶ、という合理的な考え方も中々かも。

Y-10

「夏季限定トロピカルパフェ事件」
米澤穂信
創元推理文庫

【2009年12月20日読了】

「春季限定いちごタルト事件」の続編。小市民になりきれない高校生の小山内さんと小鳩君。その2人がくりひろげる謎解きと復讐。ちょっと理由づけが弱い気がするが、まあこんなものだろうか。それぞれの個性が強い高校生達である。続編の「秋季限定」もあるので読んでみたい。

Y-10

「春期限定いちごタルト事件」
米澤 穂信
創元推理文庫

【2008年5月8日読了】

タイトルに惹かれて読んでみた初読み作家。高校生になったばかりの小鳩君と小佐内さんは恋愛関係にも依存関係にもないが、互恵関係にある…。2人とも、過去があり、今は小市民を目指して自分を矯正中らしいが、どうしても自分を抑えることが出来なくて…、という青春ミステリー物。ミステリーだけど、人も死なないし、迷惑がかかる程度だけど。ちょっと軽すぎるかな。一応続編も読んでみるか。

Y-9

「陰陽師 瘤取り晴明」
夢枕 獏、村上 豊
文藝春秋

【2007年12月6日読了】

その昔、子供の頃に誰もが読んだと思われる「こぶとりじいさん」の話に晴明が絡むとこういう話になるのか〜、と目からウロコな感じでした。面白い。「こぶとりじいさん」の話自体を明確に覚えていたわけではないのだが、これを読んで、確かにそういう話だったなと思った。また繰り返しの文体を使っていることによって、リズムが生まれて、それが心地よかった。

Y-8

「ルパンの消息」
横山秀夫
光文社文庫

【2010年3月24日読了】

サントリーミステリー大賞佳作作品。その後、文庫化するために加筆されたもの。15年も前の自殺として片付けられた事件を殺人事件として再度捜査するという、警察物としてはかなり異色の作品。しかし、当時高校生だった3人組が今ではそれぞれ別の道を歩み、毎日一緒に同じ喫茶店にたむろっていた割には他の人間のことなんて分かっていなかったということが判明する。人間風刺としてはかなりキツイ作品だ。

Y-8

「第三の時効」
横山秀夫
集英社文庫

【2009年10月31日読了】

F県警強行犯係シリーズ第一弾だそうだ。第二弾があるのかどうかが気になるところ。全編TBSでドラマ化されているらしい。F県警本部の捜査第一課強行犯係の3つの班の捜査員達のキャラが際立っていて、大変面白かった。それぞれの作品は単独でも読めるし、全部を通して読むと、より深く読めるとも思える。この作り方ならシリーズ化も可能だと思われる。

Y-8

「震度0」
横山秀夫
朝日新聞社
(ハードカバー)

【2009年10月28日読了】

阪神大震災と同時にN県警警務課長の失踪が発覚。N県警首脳部それぞれの思惑とキャリア、ノンキャリアの対立などがリアルに描かれている。最初は物語に入るのにちょっと抵抗があったが、入ってしまえばいつもの横山さんの作品と同じくぐいぐい惹きつけられた。しかし、官舎とは名ばかり、というか社宅が固まって建っているのと同じで酷く住みにくそうな感じがよく出ていたと思う。しかし、結局は警務課長不破の妻が事実を告白して終わったが、その後も警察上部は情報操作をしようとするところが汚かった。

Y-8

「真相」
横山秀夫
双葉文庫

【2007年12月15日読了】

5作品が収められている短編集。読んでいて、結構辛くなる内容が多く、読了するのに思った以上に時間がかかってしまいました。もしかしたら気分的なものもあるのかもしれませんけど、こういう時には、重たいものは読まないほうがいいのかもしれません。横山さんの書いたものなので、質的には悪くないです。単に、読んだ時期が悪かったと思いたいですね。

Y-8

「深追い」
横山秀夫
新潮文庫

【2007年10月19日読了】

警察官の内面を描いた7つの連作短編集。連作と言うか、どの話も三ヶ鐘署というその県の中でも特殊な職住一体型の警察署を舞台にした話が書かれているが、共通の登場人物がいるわけではない。確かに警察官とはいえ、皆が皆企業で言うところの営業マンであるわけもないし、管理職もいれば事務職もいるわけで、そういう書き分けが面白いと思う。

Y-8

「動機」
横山秀夫
文春文庫

【2007年9月23日読了】

表題作の「動機」は第53回日本推理作家協会賞受賞作だそうです。その他に3つの短編を収めた本。それぞれ意外性を秘めた、読み進んでいくうちに「えっ?」という驚きを隠せないストーリーの作品ばかりです。そういう意味では、短編も長編も、大変読ませる作家だと思います。意外性を求める方にどうぞ。

Y-8

「半落ち」
横山秀夫
講談社文庫

【2007年7月31日読了】

映画にもなった作品。それぞれの章で違う人からの視点で一つの事件を見ており、少しずつ時間がずれて書かれている。しかし、犯人からの視点では書かれていない。そのため、彼が黙っていたいことは周りがどう頑張っても中々明らかにならない。それぞれ違う人の視点で書かれていることにより、各人の表に現れない悩みなども書かれており、興味深い。しかし、最後は出来すぎのような気がして、いまひとつさっぱりできなかった。
Y-7 「小さな貴婦人」
吉行理恵
新潮社

【2007年4月28日読了】

5編の短編から成る作品集。どれもGという年老いた詩人、その知り合いと思われる郵便局で働いている女性、その女性が後にお店を開いて、その店の客になった小説家の女性などが出てくる。そして皆が猫を飼っている、もしくは飼っていた人たち。Gが現在執筆している「猫の殺人」という作品がどの作品にも出てきたり、どちらにしてもとても不思議な雰囲気のもの。吉行淳之介の妹で詩人だそうだが、詩集でいくつか有名な賞も受賞しているし、童話も書いている。
Y-6 「おさん」
山本周五郎
新潮文庫

【2011年1月18日読了】

10編の短篇が収められている。「偸盗」は平安時代が舞台なのだが、ちょっと読みにくく感じられた。その他はいわゆる時代物だが、「その木戸を通って」はミステリアスな感じが残る。「葦は見ていた」は男性と女性の情念の深さの違いが浮き彫りになった作品に思えた。
Y-6 「赤ひげ診療譚」
山本周五郎
新潮文庫

【2008年8月14日読了】

いつも思うのだが、山本周五郎の作品が書かれたのは戦後なのに、何故か昔の作品というイメージが強くて、手に取るのをためらっているのだが、これは読み始めたらどんどん引き込まれて最後まで読んだ。
Y-6 「ちいさこべ」
山本周五郎
新潮文庫

【2007年4月13日読了】

表題作「ちいさこべ」は以前宝塚歌劇の舞台で見たことのある作品の原作でずっと読みたかったもの。江戸時代の火事で両親を失った大工の若棟梁と孤児達、さらには彼らの世話をするおりつの話。最初は孤児達の世話なんか出来ないと突っぱねた若棟梁だが、結局は世話をするようになる。すがすがしい物語。他に3つの中編が入っていたが、私的には読みにくい感じがして、読了までに時間がかかってしまった。
Y-5 「巴里製皮膚菓子」
山田詠美
幻冬舎文庫

【2010年9月21日読了】

パリ在住のオルガン奏者、小林丸人の写真とのコラボレーション。確かなことは書かれていないものの、写真を見る限り(また山田詠美の文章を読む限り)、小林丸人はゲイのようである(バイかもしれないが)。そういうことを抜きにしても、かなり際どい写真と、それぞれに対する、1ページの小説ともモノローグとも言えないような山田詠美の文章。好き嫌いがはっきりと分かれる作品かもしれない。表紙の写真は気に入った。犬が良い感じ。
Y-5 「無銭優雅」
山田詠美
幻冬舎文庫

【2010年7月11日読了】

2歳同士で知り合った独り者同士の恋愛。いくらなんでも、自虐的に「老いらくの恋」なんて呼ぶのは止めて欲しいなあ。山田さんのエッセーを読んでいると、かなり自分の周りのことをフィクション化して書いた小説だと思われる。ここまで(この年齢で)恋愛にめりこめるなんて羨ましい。途中に挟み込まれている、さまざまな小説からの抜粋はちょっと理解不能な部分もあった。作者的には意味があるのだろうが。
Y-5 アンコ椿は熱血ポンちゃん」
山田詠美
新潮社
(単行本)

【2010年2月28日読了】

山田詠美のポンちゃんシリーズのエッセー。扉の裏に書かれていたので、もしやと思ったが、途中から行きつけの荻窪の飲み屋が登場しなくなっていましたね。淋しいなあ。もうずっと続いているシリーズ・エッセーなので、登場人物が皆知り合いみたいです。あ、それと今回ご主人との籍を抜かれたことも書かれてましたね。しばらく別居してるなとは思ってたんですが。コレを読んで彼女の作品に興味を持った方がいらっしゃってもいいんじゃないかな。
Y-5 「マグネット」
山田詠美
幻冬舎文庫

【2009年8月17日読了】

山田詠美の短編集。以前読んだはずだが、とりあえず再読してみた。最後の「最後の資料」という作品は実話、とのことで、心にぐっと迫るものがある。相変わらず彼女らしい、人間の欲望に素直で、羨ましいまでの文章力と表現力でぐいぐいと読者を引っ張っている。
Y-5 「セイフティボックス」
山田詠美
講談社文庫

【2008年11月7日読了】

熱血ポンちゃんシリーズの前のエッセイのようである。しかし、ノリは熱血ポンちゃんと同じ。丁度後にご主人になるD・C(仮名)さんと付き合いだした頃のエッセイのようで、関係の進み具合が早くてびっくりする(私的に)。そういうこともさらっと書いてしまっているのが山田詠美たるところだなあ。この人の作品は実はかなり深いし。なるべく読みたい作家の一人。
Y-5 「風味絶佳」
山田詠美
文藝春秋(ハードカバー)

【2008年9月8日読了】

いわゆる肉体労働者と呼ばれる職業の人々を主人公に据えて書かれた6作品が収められている短編集。鳶、ごみ収集人、ガソリンスタンドで働いている人、引越業者、汚水槽作業員。普通に考えたら、彼女いない率が高そうな人ばかりである。けれども彼らにも日常生活はあるわけで、それをきちんと作品にしている山田さんは相変わらず凄いですね。
Y-5 「Pay Day!!!」
山田詠美
新潮文庫

【2008年7月19日読了】

9.11を絡ませて、両親が離婚した家族と異人種間結婚とその子供たち、更には戦争から戻ってきた叔父の問題も絡め、アメリカのテーンエイジャーの視点から、色々なことを問題定義している物語。アメリカだから、異人種間結婚の子供だから、という問題だけではなく、大人になりかけの子供の悩みはどこでも共通だなあと思わされた。
Y-5 「熱血ポンちゃん膝栗毛」
山田詠美
新潮社

【2008年5月9日読了】

山田詠美のエッセイ、熱血ポンちゃんシリーズ最新刊。これを読んでいると、あのせつない小説と作者が本当に同じ人か疑うこと間違いなし。しかし、引き出しが多いし、こんなことやってる人だって、いろんなこと考えてるんだよ、というようにも取れる。奥が深い作家かもしれない。でも、実際は飲んだくれとか?多面性を持った作家さんということにしておくか。
Y-5 「120%COOOL」
山田詠美
幻冬舎文庫

【2008年4月20日読了】

90年代前半に書かれた短編集。山田詠美っぽい話がちりばめられていた。「せつない」という単語の意味を理解できる作品たち、とも言える。この作者の小説とエッセーの落差が激しすぎて、何ともいえない。
Y-5 「ご新規熱血ポンちゃん」
山田詠美
新潮社

【2008年2月22日読了】

山田詠美のエッセイ集。今までは講談社からだったのだが、この本から新潮社に。連載元の雑誌が変わったということだろう。相変わらず飛ばしているし、本音で書かれていることが多くて、うなずいたり、首を捻ったり、笑をかみ殺したり、大変である。読了後、思わず友達に貸してしまいました。
Y-4

「紀文大尽舞」
米村圭伍
新潮文庫

【2009年9月28日読了】

米村さんのほんわかとした作風が好きで、彼の作品を読み続けてきたのですが、結構この作品は読後感がよろしくありませんでした。困ったことだ。「面影小町伝」でも同じような読後感を感じた。しかし、米村さんらしいと思った部分もある。紀州隠密は「退屈姫君シリーズ」でも活躍したあの人の先祖()だし、その他米村さんの作品で活躍する人に繋がる登場人物が出てきていた。
Y-4 「退屈姫君 これでおしまい」
米村圭伍
新潮文庫

【2009年5月21日読了】

退屈姫君シリーズ最終巻。影の薄いめだか姫の夫はこの巻でも登場せず。名前のみ。相変わらずの姫とその仲間達。しかし、一番苦労しているのはお仙かも。お仙はこの話の続きに当たる「面影小町伝」によると、思いもかけない人生が待っているらしい。もう少し心して読めばよかったかも。
Y-4 「おんみつ蜜姫」
米村圭伍
新潮文庫

【2007年12月13日読了】

「退屈姫君伝」シリーズとも、ちょっとだけ関係のある、米村さんの作品。「退屈〜」でも出てくる風見藩も出てきます。ただし、時代は「退屈〜」よりも40年位前かな。シリーズを読んでいると、より理解が深まる、というくらいかな。読んでなくても楽しめます。シリーズのめだか姫も楽しかったけど、こっちの蜜姫やその母親など、こんな人たちいないでしょ、みたいな部分が楽しい。
Y-4

「退屈姫君 恋に燃える」
米村圭伍
新潮文庫

【2007年5月20日読了】

退屈姫君伝シリーズの3作目。しかし、同じ作者の他の作品の登場人物なども活躍するので、このシリーズのみでなく、作者の別の作品も読んでいると、面白みが増すこと請け合い。前から筋書きは突拍子もなかったが、今回もめだか姫が考え出す事が物凄く常識にとらわれていなくて、柔軟性がある。夫である藩主が国許に帰っているので、出番がなかった。続編があるようなので、楽しみ。
Y-4 「面影小町伝」
米村圭伍
新潮文庫

【2007年3月17日読了】

「退屈姫君伝」「風流冷飯伝」と共に3部作となる作品。しかし、他の2作がかなり面白おかしく、そしてハッピーエンドなのにもかかわらず、ゆるやかにそれぞれの登場人物が重なっているにもかかわらず、この作品だけが、読後感がとても重く、何故こんなことになったんだろう?とびっくりする作品になっている。かなり怪奇物入ってます。
Y-4 「風流冷飯伝」
【2006年5月読了】

「退屈姫君伝」
「退屈姫君海を渡る」
米村圭伍
新潮文庫

面白かったです。「こんな姫君いないよ」って思うんですが、ついつい読んでしまいます。「いない」というより「こんな姫君、いたら面白いなあ」というのが本当かな?終わり方を見ると、続編がこれから 書かれる可能性がありそうなので、楽しみに待っていようと思います。

「風流冷飯伝」を後に読んだのですが、こちらが先に書かれた話で、このシリーズ(?)の一作目でした。こちらはまだお姫様が出てこないのですが、この話を読んでから、「退屈姫君伝」を読むと、また一層面白さが違います。

Y-3 「終生ヒトのオスは飼わず」
米原万里
文藝春秋(ソフトカバー)

【2011年4月24日読了】

2006年に惜しくも癌にて逝去された米原さんのエッセー。飼っていた猫や犬に関する、雑誌に連載されていたエッセーの前半部分のみ収録。後半は米原さんが手を入れたいと言ってたとかで、ここには収録されず。家族に関して(というか祖父、両親)書かれている文章、家に関して書かれている文章も載っていて、興味深かった。
Y-3 「パンツの面目
ふんどしの沽券」
米原万里
ちくま文庫

【2009年6月16日読了】

米原さんの幼少期からの謎であった、パンツとふんどしの問題を、さまざまな資料を駆使して、真面目に解明していくエッセー。文面は結構お笑い系かもしれないが、なかなか奥の深い問題だと分かる。世界史が分からないと、ちょっと辛いかも。日本史もかなり必要かも。そして言葉も。アラビア文字が出てきた時にはどうしようかと思いました。しかし、惜しい人を亡くしましたね。亡くなったのが早過ぎました。
Y-3 「米原万理の『愛の法則』」
米原万理
集英社新書

【2008年10月1日読了】

1998年から2005年までの間に行われた4つの講演録集。タイトルで損をしているなと、まず思った。作者が亡くなった後に刊行されているので、もしかしたら、ご本人は別のタイトルをつけたかもしれない。2つは高校生が対象ということもあり、分かりやすい言葉で、しかし、なかなか考えさせられる内容。後は、常日頃から私も考えている通訳、翻訳という作業と日本語の関係についての話で、読んでよかったと思える内容だった。
Y-3 「必笑小咄のテクニック」
米原万里
集英社新書

【2008年5月17日読了】

小咄、アネクドート、ジョークなど、ちょっとした短い話でオチをつけて笑わせるものに関する話。かなりまじめに導入部分とオチについての考察などもあり、全部で11の種類まで提示している。しかし、手品を種明かしされても面白くないのと同じで、笑い話をくどくど説明されても全然面白くない。米原万里にしては面白くない作品だった。
Y-3 「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」
米原万里
角川書店

【2006年2月28日読了】 

ロシア語会議通訳(同時通訳)の米原さんが父親の赴任に伴って通っていたチェコのプラハのソビエト学校の同級生3人(ギリシャ人、ルーマニア人、ユーゴスラビア人)に、30年後の90年代になって再会を果たし、彼女たちの人生に関して書いたノンフィクション。第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。プラハのソビエト学校に、当時50カ国からもの外国人の生徒が学んでいたとか、いろいろ知らないことがありました。なぜギリシャ人が?とか興味を持った方は読んでみたらいかがでしょうか。
Y-3 「旅行者の朝食」
米原万里
文春文庫
読売文学賞、講談社エッセイ賞、大宅壮一ノンフィクション賞など軒並み文学賞を受賞している、元ロシア語同時通訳者の語る、主にロシアのへんてこな食べ物に付いて薀蓄を傾けるグルメ・エッセイ。ロシア生活の長い管理人でも知らないことがあったりして、勉強になりました。

Y-3

「ヒトのオスは飼わないの?」
米原万里
文春文庫

【2006年9月14日読了】

今年の春に残念ながらお亡くなりになってしまった、ロシア語通訳協会の会長でもあった米原万里さんのエッセー。前に猫雑誌で米原さんのおうちには猫も犬もあわせてたくさんいるという話を読んでいたので、米原さん宅にどのように皆がやってきたのか、興味があって読んでみた。彼女の文章はぐいぐいと人をひきつける力があるので、途中で読むのを止めるのが難しい。犬、猫、またロシア語通訳に興味のある方はぜひ読んでみてください。

Y-2

「梅咲きぬ」
山本一力
文春文庫

【2009年6月10日読了】

山本さんの作品にちょくちょく出てくる名脇役江戸屋の女将、四代目秀弥の子ども時代からの話。しかし、損料屋〜の話に出てくる秀弥さんとはちょっと違うような。全く別物として読んだ方が良さそうです。しかし、こんなしっかりした子どもがいたらびっくりだよな、と思ってしまうような子ども時代です。周りの大人も出来すぎな気がする。

Y-2

「赤絵の桜」損料屋喜八郎始末控え
山本一力
文春文庫

【2009年4月28日読了】

損料屋という物を日割りで貸し出す商売をしている、元武士の喜八郎だが、損料屋は隠れ蓑で、実態は今の探偵のようなもの。そこになじみの料理屋江戸屋の美貌の女将秀弥との淡い想いも絡んでいく。心温まる作品。第一作に比べて、この第二作は喜八郎の活躍の場が少ない気がしなくもない。

Y-2

「辰巳八景」
山本一力
新潮文庫

【2008年6月29日読了】

一般的に知られている辰巳八景(富ケ岡の暮雪・相生橋の秋月・小名木川の晴嵐・霊岸の晩鐘・州崎の落雁・安宅の夕照・木場の夜雨・佐賀町の帰帆)をテーマにした短編集。山本さんらしい、ほっとする作品が並んでいます。時代物が読みたいなあと思った時に手にとって欲しい作品。

Y-2

「はぐれ牡丹」
山本力一
角川春樹事務所

【2007年5月27日読了】

日本橋両替商の跡取り娘だった、猪突猛進型の性格の一乃がかけおちして寺子屋師匠の鉄幹と一緒になり、子供も生まれ、深川冬木町の裏店で暮らしていた。その裏店での仲間の一人がかどかわしに遭い、なじみのお産婆さんのところで出産した女性の主人も戻ってこない。また、一乃はなじみの農家の竹林で偽一分金を拾う。これらの謎が全て一つにつながって・…。裏店の人々がお役人を信じていないことは寂しい話。しかし、こうやって皆で力をあわせて問題が解決できるのであれば素晴らしい。勘当同然だった一乃と両親の間も上手く行くといいのだが。
Y-2 「蒼龍」
山本一力
文春文庫

【2007年4月1日読了】

表題作は著者がオール読物新人賞を受賞した作品。その他に4編の短編が含まれている。市井物だけでなく、武士物も2編入っている。「蒼龍」は大工が話し言葉で物語っている様子がよくある時代物とは一線を画しているように思える。この話は、作者が借金を背負って作家になるために新人賞に応募していた様子を時代物に反映して書いたと言われている。そのような解説を読んで、作者の自伝的作品も読んでみたくなった。
Y-2 「深川黄表紙掛取り帖」
山本一力
講談社文庫

【2007年3月31日読了】

定斎売りの蔵秀とその仲間が持ち込まれる厄介ごとを知恵で解決する連作集。定斎というのは夏負けの薬で、夏季にしか商売がない。しかし、彼らは今で言うイベントプランナーのような仕掛け人となって、様々な問題を解決していく。しかも毎回彼らが企画するイベントがあたるから凄いものだ。最後には全てが丸く収まりそうで、好感が持てる。
Y-2 「損料屋喜八郎始末控え」
山本一力
文春文庫
面白かったです。損料屋という職業については、表の稼業なだけにあまり 出てこないのですが、初めて知りましたねえ。鍋釜を貸してお金を取る職業ですか。でも、実は元々同心だったので、元上司の 仕事を裏で手伝っている感じですね。連続短編集なので、もしも続きがあるなら読みたいです。
Y-1 「ブルー・ブラッド」
山下丈
筑摩書房、ISBN4-480-85725-7、価格:2800円

副題に「ヨーロッパ王家の現代史」とある本です。実は以前から、帝国ロシアの王家、ロマノフ家とイギリスやドイツの貴族が親戚だという話には興味を持っていたので、この本を目にして、中身をちょっと確認してから、すぐに購入を決めました。話はイギリス王家、ドイツのいくつかの貴族の家柄、ロシアの皇帝一家の話と、一見脈絡がないように見えますが、きちんと全てが関連付けられていて、とても面白かったですし、有益でした。今まで「ギリシャ王家って一体…?」と思っていたのですが、国民投票で他の国の王家の次男が王家を起こしたことが判ったりしましたから。

ロシア関連と言うことで、謎のアナスタシアと主張する女性のその後なんかも詳しく書いてあって、かなり満足度が高かったです。最後の皇帝一家の話はそこまで詳しく書かれていなかったので、詳しく知っている人には物足りないかもしれませんが…。

お勧め度:★★★★+

 

 

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