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このページ以外にも感想があります。そちらは著者名ごとにページが別れています。

あ〜/か〜/さ〜/た〜/な〜/は〜/ま〜/や〜/ら〜/わ〜

 

タイトル・著者
その他

感想メモ

P-3

「闘う白鳥」
マイヤ・プリセツカヤ
文藝春秋

【2008年1月20日読了】

ハードカバーで400ページを超える2段組の本を2日間で読み終えてしまいました。それだけのものを読ませる迫力のある本でした。書かれていることを鵜呑みには出来ないものの(主観的な文章、ということで。実際に、別の立場の人が見たら、同じ事件などに関しても別の見方が出来るものなので)、興味深い内容が山盛りでした。実名で色々なロシアのバレエ関係者が出てくるので、今でも存命の人もいるし、亡くなった方もいらっしゃいますが、各人のエピソードも面白かったです。この本は93年の10月までの話のみですが、最近ロシア語でその後の話がまとめられて出版されたので、是非日本語でも翻訳が出るといいなと思っています。

P-2

「ラファエロ真贋事件」
イアン・ペアズ
新潮社文庫

【2007年10月18日読了】

本屋でタイトル買いした本。着眼点はそれなりには面白かったものの、文章に引き込まれるということがなく、読み続けるのに努力を要した。本書と同じ主人公のシリーズが、この本が日本で発売された95年の時点で4冊(英語では)出版されているとのことだったが、日本ではこの1冊のみで続きは発売されていない模様。やっぱり人気がなかったのでしょうね。
P-1 「少女パレアナ」
【2006年3月27日読了】

「パレアナの青春」
【2006年5月15日読了】
【2009年4月24日再読】

エレナ・ポーター
角川文庫

前から読んでみたかった本の1冊。「赤毛のアン」と同じ翻訳者が紹介した、同じような少女向け(?)小説。アンは全くの孤児だったけれど、パレアナは両親が亡くなってから、初めて会う伯母さんのところに引き取られる。しかし、この人は義務感からパレアナを引き取るが、親愛の情があったわけではなかった…。パレアナがどんなことにでも喜びを見出すというゲームを町の人に広げて、最後には希望が〜、というお話。続きもあるようなので、ぜひ読んでみたいです。

「パレアナの青春」はパレアナが大きくなって、恋愛をする時期を扱っています。しかし、この話が日本で「愛少女ポリアンナ物語」という名前でアニメ化されていたとは知りませんでした。「ポリアンナ」というアニメがあったのは知っていたのですが。「ハイジ」と同じ時間帯に放送されていた世界名作アニメの1つです。

B-8 「メダルと恋と秘密警察」
ビットが明かす銀盤人生
カタリーナ・ビット
文藝春秋(単行本)

【2011年5月4日読了】

80年代にフィギュア・スケートに魅了された者にとって、懐かしい選手の暴露本。かなり赤裸々に自分のプライベートも語っているが、それと同時にいかに自分が西側に慣れるのも努力が必要だったかということも書かれている。書かれてから既に14年ほど経っているので、今の彼女の考えていることも読んでみたい。
B-7 「二人がここにいる不思議」
レイ・ブラッドベリ
新潮文庫

【2009年10月20日読了】

萩尾望都が描いたブラッドベリの短編を原作にした漫画を読んでいた関係で、名前は知っていたが、作品を読むのは初めてかもしれない。23編の短編が収められている。私はてっきりSF作家だと思っていたが、それだけでは収まらない興味深いお話が多い。不思議な感じが何とも言えない。幻想的な作品が多いかも。幽霊が出てきたりするので、怪奇作品もありか。
B-6 「セックスとニューヨーク」
キャンディス・ブシュネル
ハヤカワ文庫NF

【2009年3月20日読了】

大ヒットドラマと映画にもなった「Sex and the city」の原作。原作というよりは、この本からエッセンスだけを抜き取って、何人かの登場人物を合わせて、ドラマの4人にしたてあげた感じ。皆が皆こういう生活をしているとは思わないが、こういう生活もあるんだよなあと思わされる書籍でした。

B-5

「パズル・パレス」上下巻
ダン・ブラウン
角川書店

【2006年11月16日読了】

「ダ・ヴィンチ・コード」の作者のデビュー作。既に「天使と悪魔」と同じパターンがこの作品でも出来上がっている。読んでる間に悪者が分かってしまった。だが、悪者が舞台から去っても、状況がどうなるのか、その結果が出るまではジェットコースターに乗っているかのような変化で面白かった。大学の先生が活躍するのはラングドン・シリーズと同じである。
B-5 「天使と悪魔」上下巻
ダン・ブラウン
角川書店

【2006年6月30日読了】

ご存知「ダ・ヴィンチ・コード」の主人公、ロバート・ラングドンが活躍するシリーズ第一作。 時間的には「ダ・ヴィンチ・コード」の1年前の事件の話。「ダ・ヴィンチ〜」にも、「天使と悪魔」の内容が一度ならず書かれている。 先に「ダ・ヴィンチ〜」を読んだものの、いまいち納得できなくて、さかのぼってシリーズ第一作を改めて読んでみました。 私的にはローマを舞台にする、こちらの第一作もなかなかだと思います。第二作にも言えますが、キリスト教を詳しく知らないと、 かなりきついかも。更には第一作はベリーニという芸術家についても分からないと、悲しいかも。私は名前は知っていましたが、 そこまで詳しくないので、悲しかった派かな。第三作も出るようなので楽しみ。
B-4 「アルバムをひらく猫」
リタ・メイ・ブラウン
スキーニー・パイ・ブラウン
訳:芽律子
ハヤカワ文庫

【2009年9月16日読了】

トラ猫ミセス・マーフィーとその仲間たちのシリーズ。このシリーズは動物の仲間内での会話は彼らだけが理解出来ていて、でも読者にも分かるように書かれているのがミソ。飼い主のハリーのことを動物達が愛している様子がよく判るし、ハリーも動物達が大好き。しかし、こんなアメリカの田舎町にしょっちゅう事件が起こっていいもんだろうか。それが凄く不思議な気がする。
B-4 「散歩をこよなく愛する猫」
リタ・メイ・ブラウン
スキーニー・パイ・ブラウン
訳:芽律子
ハヤカワ文庫

【2008年6月18日読了】

トラ猫ミセス・マーフィーシリーズ第7作。しかし、毎回思うが、タイトルと中身の一致しないシリーズだこと。今回から、マーフィーとコーギー犬タッカーに加えて、ピュータまでいつの間にか郵便局長の30代バツ一女性ハリーの農場に住み着いています。どうやって郵便局の隣の食料品店から移住したのか、そこら辺については全く書かれていないので分からない。バージニアが舞台なので、その南部的な感覚も分からないと、ちょっと難しいかも。
B-4 「町でいちばん賢い猫」
−トラ猫ミセス・マーフィ−
「雪のなかを走る猫」
【2006年5月読了】

「かくれんぼが好きな猫」
「森で昼寝をする猫」
【2006年6月中旬読了】

「トランプをめくる猫」
「新聞をくばる猫」
【2006年6月下旬読了】

リタ・メイ・ブラウン
スキーニー・パイ・ブラウン
訳:芽律子
ハヤカワ文庫

こちらもモスクワ在住の知り合いから借りました。このトラ猫ミセス・マーフィシリーズは知りませんでした。こちらは動物同士の会話も書かれているけど、それは人間には鳴き声にしか聞こえない設定になっていて、動物が人間に伝えたいことがなかなか伝わらない、というイライラ感が結構現実っぽいです。犬と猫とかオポッサム(この作品を読むまでこの動物に関して知りませんでしたが、袋ねずみのことらしい)、馬、 果てはふくろうまで会話が成立しているのがとても不思議。同じ飼い主のペットであるマーフィとタッカーの間の友情と張り合いなども面白い。こちらもシリーズが現時点で6冊出版されています。アメリカでは9冊出版されているらしいので、先を読むのが楽しみ。ちなみにスキーニー・パイ・ブラウンはリタ・メイ・ブラウンの飼い猫で、スキーにー・パイがこの作品を書いたことになっています。 【2006年5月】

段々タイトルと内容が合わなくなってきております。タイトルを見ただけでは、中身が全く分かりません。そして読み終わった後に、「このタイトルは駄目だろう」と思いました。中身は面白いんですけど。しかし、小さな町のはずなのに、こんなに頻繁に人が 死んでもいいのかねえ。【2006年6月中旬】

タイトルが話の内容に関係のあるものを使うようになりましたね。殺人現場に残っていた「トランプ」とか、事件の起こった学校の学生が新聞配達をしていたエピソードがあったりとか(新聞をくばる)。でも、猫がそういう行動をしているわけではないんですよね。シリーズなもので、しょうがないのですが、ハリーが犯人に気がついて、それを犯人が気がついて、ハリーが狙われて危ないところを動物達が助けるというパターンに収まりつつあります。もう少し何かひねりが欲しいなあ。【2006年6月下旬】

B-3 「猫はひげを自慢する」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年9月8日読了】

シャム猫ココとヤムヤム、その飼い主のクィルのシリーズ第30弾。前作に比べてかなり薄い。そしてあまりにも内容がなさ過ぎる。シリーズ全体を通して読んでいれば、しょうがないなあ、次に期待するか、って思うかもしれない。でも、謎解きは全然されてないし、何でいきなりポリーがパリで就職してしまうことになったのかも分かりません。人が死んでも、それが事故死か殺人なのかすら書かれていない。困ったもんだ。
B-3 「猫は爆弾を落とす」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年9月8日読了】

シャム猫ココとヤムヤム、その飼い主のクィルのシリーズ第29弾。一体どんな爆弾をココが落とすのか、楽しみにしてたんだけど。ココ自身が上から降ってくるという爆弾でした。うちの飼い猫、ニカも6kgの巨体で、ベッドの足元にあるアップライト・ピアノの上から降ってくるので、猫に降られた人間の驚きはとてもよく分かります。しかし、ますます一作の作品としてはまとまりがないような。。。
B-3 「猫はバナナの皮をむく」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年9月7日読了】

シャム猫ココとヤムヤム、その飼い主のクィルのシリーズ第28弾。故エド・スミスの古本屋のあった場所に、新しく建てられた書店の開店時期が来た。新店長はクィルの長年の友、ポリー。しかし、彼女は忙しすぎてクィルとのデートもままならない。今回はクィルが医者の勧めで毎日バナナを食べる羽目に(クィルはバナナが好きではない)。その皮をココが狙っているが、一体何のために?ココは皮はむきません。
B-3 「猫はコインを貯める」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年5月15日読了】

おなじみクィルとシャム猫のココ&ヤムヤムシリーズ第17弾。前作(猫はチーズをねだる)で爆破されたピカックスのホテルが新装オープンした。ホテルはK基金が買い取り、マッキントッシュ・インと名づけられた。今回そのホテルの大統領スィートに宿泊していた宝石商が殺害され、宝石とアシスタントが行方不明。また、ハイランド大会が行われ、その丸太投げで優勝した男性も行方不明に。ココは相変わらずいたずらともひらめきとも付かぬ行為を繰り返しているが、クィルには全然分からない。今回更にクィルの母親が若い時にファニー小母さんあてに書いた手紙類を入手し、自分の父親に関する情報を知る事になった。しかし、話の作りとしては、相変わらずお粗末。次の作品につなげるために、ポリーの新しい謎めいた隣人を登場させたりもして、作品としての締りがない感じ。
B-3 「猫はチーズをねだる」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年5月6日読了】

おなじみクィルとシャム猫のココ&ヤムヤムシリーズ第16弾。どこからも400マイル北にあるムース郡で、食の祭典が行われることになった。新しいレストランやチーズの店が開店し、猫たちとクィルはチーズ通に?それと同時に町の中心にあるホテルが爆破され、1人の従業員が巻き込まれて死亡したり、ホテルの持ち主の世話をしていた養蜂家の知り合いが亡くなったりする。クィルの大切なポリーも手術後段々と回復して2人の関係もより良いものとなっていく様子がよくわかる。謎の女性も今後上手く登場してくれると思う。
B-3 「猫は銀幕にデビューする」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月12日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第25冊目。ピカックス出身の老婦人が地元に戻ってくることになったが、それが元ハリウッド女優で、ピカックスに映画クラブを作るというのだから、騒ぎにならないほうがおかしい。何故かクィルは彼女に気に入られ、いろいろなところに案内していたが、今回は彼女の甥が悪い奴だった。彼女が亡くなったのもある意味自殺だし、後味が悪い気がする。
B-3 「猫は火事場にかけつける」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月12日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第23冊目。古本屋の主人、エディントンがお亡くなりになってしまった!火事があると聞いていたので、もしかしたら、火事で?と思っていたが、そうではなく、エディントンが心臓発作でなくなった後、古本屋が火事で燃えてしまった。結構ショックな話だった。

B-3

「猫は川辺で首をかしげる」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月10日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第24冊目。ニックとローリー・バンパ夫妻が、新しくブラック・クリークで始めた宿屋での事件。相変わらず好奇心がうずくクィルは首を突っ込む。そのために、宿屋に泊まりこむことに。ポリーは姉と共に東海岸の方へ旅行中。夏になると、必ず旅行に行って、絵葉書を書くことになっているようだ。今回は旅行中に足をくじいたことになっている。

B-3

「猫は泥棒を追いかける」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月10日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第19冊目。引越しの好きなクィルのせいで、又もや彼らは引っ越した。今度は冬の間だけ、インディアン・ヴィレッジのコンドミニアムに住むことになったらしい。そこで、また新しい出会いがあり、ポリーとも近くに住むことによってますます仲良くなり、クィルは人々の間に伝わっている小話を集めて回る。今回はポリーの義妹だったリネットが亡くなってしまう。

B-3

「猫は七面鳥とおしゃべりする」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月2日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ。既に何作目か数えるのも大変。作者の名前の分類からすると、28冊目。人口が3000人しかいないピカックス市なのに、こんなに頻繁に死亡事故や事件が起きていいのかと心配してしまうが、今回もピカックスに住んでいる祖母の屋敷を相続するためにやってきた女性が事故で死亡する。しかし、彼女が死ぬ前にクィルは彼女にココの出生を探るように依頼していた。興味のある方はどうぞ。

B-3

「猫は流れ星を見る」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月2日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第21弾。実際には第18弾の「鳥と歌う」の次の話(間に2冊出ているのは、もっと前に出版されていたのに翻訳されていなかった分)。ムースヴィル(というかピカックス)では前々からUFO目撃の話が多くされていたが、クィルとアーチは全く信じていなかった。しかし、クィルはある体験をして、それを信じなくてはならない状況に陥る。このシリーズは犯罪が起こっても、どうして起こったか、とかそういう事件解決ではなく、誰が犯人か、までしか解明しないので、本格派の推理ファンには物足りないかも。しかし、惰性でここまで読んでしまったので、シリーズの残りも全部読まないと気がすまなくなってきた。

B-3

「猫は鳥と歌う」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年3月1日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第18弾。クィルの彼女のポリーが手術をする前に家を建てていた場所(クィルの住んでいる納屋の近く)に、アート・センターが完成したが、その向かいに住む90歳を超えている女性が火事で死亡し、クィルはそれを不審に思い、調査を進めていく。いつものようにシャム猫のココの不思議な行動と、それを元にクィルが推理をしていく。

B-3

「猫は日記をつける」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年2月14日読了】

シャム猫ココとヤムヤムシリーズ番外編。2匹の飼い主(同居人?) であるクィルが私的に書いている日記の、ココとヤムヤムに関する部分を書き抜いたもの、という体裁がとられている。つまり、猫が書いた日記ではない。しかし、シリーズを最初から読んでいると「ああ、あの時ね」とか思う事も書かれているし、シリーズには書かれていないこともあったりして面白い。

B-3

「猫は汽笛を鳴らす」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年2月13日読了】

クィルとシャム猫ココとヤムヤムシリーズ第15弾。久しぶりに読んだので、懐かしかったのと、登場人物の人間関係を思い出すのに時間がかかった。いつもこのシリーズを読んで不満に思うことをこの作品でも感じた。今ひとつ事件の解決がすっきりしない。クィルの勘が当たっているかどうかは、次の作品でわかるのだろうか。

B-3

「猫は14の謎を持つ」
リリアン・J・ブラウン
ハヤカワ文庫

【2007年2月8日読了】

クィラランとココ、ヤムヤムの2匹の猫シリーズで有名になったリリアン・J・ブラウンの、さまざまな猫が出てくる14の短編集。クィラランたちのシリーズにも登場している猫とか、シリーズの脇役たちが登場する話もあって、結構面白かったけれども、ココとヤムヤムとクィラランは出てこないのでファンの方は注意された方がよいかも。

B-3

「猫は島へ渡る」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月20日読了】

シャム猫ココシリーズ。今度はクィルの元臨時秘書ローリとそのご主人であるニックのバンバ夫妻が湖の島でB&Bを開いたので、そこに猫2匹と遊びに行った話。もちろん好奇心旺盛のクィルのことだから、ただそんなところに遊びに行くことはない。ひなびた島にB&Bを開きたかったバンバ夫妻の夢とは違い、島が急にリゾート化して、観光客が山のようにやって来た。ところが、ここ数日間の間に、故意とも思われる事故が相次ぎ、とうとう死人まで出てしまう。それをニックからの電話で知らされたクィルが原因を探りに島に渡るという話。今回クィルのパートーナーのポリーは高校の時の友人のところに遊びに行っていて、殆ど出番なし。ココはクィルと独自のルールにのっとったドミノゲームを習得する。
B-3 「猫は留守番をする」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月11日読了】

シャム猫ココシリーズ。そろそろ疲れてきたかな…(笑)。今回はクィルを含めたピカックスの住人たち16人がスコットランド旅行に行く話。以前に出てきたアーマ・ハーセルリッチに関して、クィルがあまりよく思ってないように書かれていて、びっくり。前の話ではかなり好印象を持っていたと思ったんだけど。それとクィルが北にやってきた時に最初に仲良くなった女医が再登場。でも、こういう終わり方にするのはどうかな〜。後味悪し。
B-3 「猫は山をも動かす」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月9日読了】

シャム猫ココシリーズ。おばさんが亡くなって、5年間ピカックスに住んだら、正式に莫大な遺産を受け取ることが出来ることになっていたクィル。無事に5年間が過ぎ、正式に遺産を相続することになって、今後のことを考えるためにかなり離れた山の上にある屋敷に2ヶ月間滞在することになった。そこもやっぱりいわくつきの場所で、元の持ち主が殺されていたのだった。今回は開発と自然保護の話も絡んで、冤罪というテーマも絡んで、色々考えさせられました。クィルはいつも運が良いねえ。
B-3 「猫は鳥を見つめる」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月7日読了】

シャム猫ココシリーズ。今度はコブ夫人の息子、デニスがこともあろうにクィルの新しい住居であるリンゴ園の納屋を改造したところで首をつってしまうのだ。うーん、私には住めないぞ。しかも、自分が改造した家だったのに。何故彼がそこで死ななくてはならないのか不明。殺さなくてもいいのに。それとは別にクィルのところから帰る時に校長が殺されたりして。相変わらずクィルのいるところに事件あり状態。今回はココが窓から外を見て、リンゴ園に飛んできた「カージナル」という鳥にご執心。その鳥の名前がヒントになってます。
B-3 「猫はペントハウスに住む」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月5日読了】

シャム猫ココシリーズ。前の巻の最後と同じように始まるけれども、何故か「クィルの家」に電話がかかってきたことになっている。確か、あれは一時的に住んでいた博物館だったはずなんだけど。こういう風にちょっとずつつじつまが合わないところが出てきてます。長いシリーズだし、しょうがないのか。今回は以前にクィルが住んでいた「南」に一時的に引っ越したクィルと2匹の猫の物語。相変わらず定住してないな、クィルは。そして、引っ越したところで以前の住人が殺されたなんて。私だったら気持ち悪くてすぐに引っ越してるよ。結局最後には無事にアーチと北に戻ってくるんだけど、凄い無理やりのような気がする。
B-3 「猫は幽霊と話す」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月3日読了】

シャム猫ココシリーズ。今回はクィルの元大家、元家政婦だったコブ夫人が亡くなってしまう。その死に関して、納得できないクィルは2匹の猫を連れて、コブ夫人が死ぬまで住んでいた博物館の管理棟に引越しをする。クィルは子供が苦手だったのか。知らなかった。猫が大丈夫なのに、子供が駄目というのも不思議。今回もちょっとこじつけで終わった感じがする。シリーズものはしょうがない。最後の部分が次の巻の話につながるように書かれている。

B-3

「猫は床下にもぐる」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年9月1日読了】

シャム猫ココシリーズ。既に何作目か、数えるのを放棄(笑)。今回はまたしても住む場所を変えたクィル。前に夏の間滞在していた湖畔のコテージにやってきたのですが、やはり普段人が住まない家というのは、問題が勃発し…。今回は「大工」が受難でした。でも、毎回毎回、彼のいる場所で殺人やら何やら問題ばかり起きるのはいかがなものかと…。ピカックスに住み着いた一族同士で結婚したり、苗字が途中で変わっていたりして、誰と誰が親戚かという問題を、昔の話から推測していく話は面白かったですね。クィルが好奇心旺盛で、首を突っ込まないで入られない性格をしているから、というのは一理あるんですが。あんまり納得できない謎解きでした。

B-3

「猫はシェイクスピアを知っている」
「猫は糊を舐める」
リリアン・J・ブラウン
訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

【2006年8月上旬読了】

おなじみシャム猫ココとヤムヤム、その飼い主のクィラランが活躍するシリーズです。シリーズ物は続いているのがうれしい反面、だんだんパターン化して詰まらなくなっていく傾向があります。このシリーズもがんばってますが、パターン化しているのはしょうがないかな。途中でクィルが田舎に引っ込んだり、都会と田舎の比較をしたりして活性化させようとしていますが、上手くいっている、とはいえないかも。でも、まだまだこのシリーズは続くので、最後まで読みたいと思います。
B-3 「猫は手がかりを読む」
「猫はソファをかじる」
リリアン・J・ブラウン
【2006年5月読了】

「猫はスイッチを入れる」
「猫は殺しをかぎつける」
【2006年6月中旬読了】

訳:羽田詩津子
ハヤカワ文庫

前からずっと読みたいと思っていた、シャム猫ココ・シリーズです。モスクワ在住の知り合いの方が貸してくださいました(勿論猫仲間です)。読む前に想像していたのと違って、実生活の人間と猫の関係そのままで描かれています。それなのに、きちんと話が成り立っているのが凄いなあ。シリーズは20冊以上あるようなので、残りを読むのも楽しみだ〜。 【2006年5月】

だんだんパターン化されてきてるけど、ココとヤムヤムという2匹のシャム猫とその飼い主(になってしまった?)クィルのお話ですね。新聞記者のクィルが担当する連載のテーマが替わる度に事件に遭遇する感じ。そして、事件の度に違う女性と仲良くなっているような(笑)。第五作目からはまたクィルの住む土地が変わるようなので、こちらも楽しみ。【2006年6月 中旬】

B-2 「ジェーン・エア」上・下
C・ブロンテ
新潮文庫

【2006年3月20日読了】

いきなり世界文学全集に入っているような作品です。何を今更、と思ったのですが、やっぱり読みたいなと思って日本から取り寄せました。19世紀前半の作品なので、少し硬いし、聖書の内容を知ってないと、言い回しが全く分からなかったりしましたが、全体としてはかなり面白かったです。C・ブロンテの妹のE・ブロンテの作品「嵐が丘」も途中まで読んでいるのですが、まだ読了してません。結構19世紀のイギリスの女性作家の作品、好きですね。
B-1 「心までは消せない」
サンドラ・ブラウン
新潮社文庫
読みはじめた時は、それぞれのエピソードが繋がっていなくて、一体何だこれは?と思いましたが、途中からそれぞれのエピソードがつながり始め、最後には各エピソードが一つにまとまって…。短気な方には向かないかもしれませんが、途中からは中断するのが惜しいくらいで、一気に読んでしまいました。こういうものは翻訳家の力も大きいのでしょうね。
H-18 「東京っ子ことば」
林えり子
文春文庫

【2011年2月22日読了】

14代目の江戸っ子である著者による、消えゆく江戸語、東京語についてのエッセー。今でも自分で使っている言葉があったりして、「これって東京語だったのか」と感慨深い物があった。うちも父親は東京生まれなのだが、それ以上上はどうなってるのか親戚に確認しないとわからない。祖父、祖母どちらかが東京生まれであれば、私も江戸っ子ということか。
H-17 「ロシア建築三つの旅」
(ユーラシア・ブックレット)
浜野アーラ

【2010年10月6日読了】

建築についての薀蓄の話かと思っていたら、結局は歴史の話だったという内容。勿論建築について語りつつ、歴史にも触れるという形式。もう少し目新しい話があったら面白かったのだが、この厚さでは無理と言うものだろうか。
H-16

「漱石先生ぞな、もし」
半藤一利
文春文庫

【2010年7月31日読了】

漱石の孫を妻に持つ筆者が、近代史を調べてみれば、そこここに漱石の話題が。それをまとめてみたのがこの本。軽く読める感じで、漱石や明治という時代に興味があれば、大変楽しめる。漱石の本を読んでいた方が面白さ倍増かもしれないが、読んでいない場合は、読んでみたくなるかもしれない。
H-15

「明治・父・アメリカ」
星新一
新潮文庫

【2011年6月11日読了】

星新一による、父星一の評伝。しかし、アメリカに留学し、しばらく働いた後に日本に戻ってくるまでを書いている。明治という時代には、今あって、当時ないものもたくさんあるが、当時あって、今なくなったものもたくさんあるということが分かる本。星一に関しては、続きは「人民は弱し官吏は強し」に書かれているそうなので、そちらも読んでみたい。
H-15 「兎の眼」
灰谷健次郎
角川文庫

【2010年4月8日読了】

初読み作家。前から読もうと思っていた作品。少し時代が昭和の戦後よりちょっと後位かな、という感じで、はっきりはわからないのだが、当時の関西の教師の生活が良く判る。また、ここまで子どもとの関係を考えている人がいるのであれば、今問題になっているようなことは社会的に起こらないのかもしれないと思った。子どもも成長するが、教師も成長するんですね。
H-15 「明治の人物誌」
星新一
新潮文庫

【2011年5月6日読了】

星製薬を起し、星薬科大学の元を築いた星新一の父親の人生で関係のあった、明治、大正、昭和時代の10人の人物評伝。伊藤博文や野口英世などの日本人だけでなく、エジソンなども。星一との関係を重視しているので、一般的な評伝とはちょっと違うかもしれない。中身が濃くて、じっくり読みたい本。
H-15

「ブランコのむこうで」
星新一
新潮文庫

【2010年1月8日読了】

小学校高学年以上向け児童ファンタジー、という感じの作品だが、大人が読んでも考えさせられると思う。ある日、学校の帰りにもう一人のぼくを見てしまってから、他人の夢の中に入り込んでしまって、なかなか自分の世界に帰れなくなって…。しかし、それぞれの夢を見ている人の現実もちらっと垣間見て、夢と現実の乖離を知り、皆が目に見えるそのままの生活をしているわけではない、心の中では色々なことを考えているんだということがわかる。実際には熱を出して3日間寝込んでいたことになってはいるが、その3日間で精神的に大人になった少年の話。
H-14

「きょうの猫村さん」3巻
ほしのよりこ
マガジンハウス(ソフトカバー
)

【2009年10月20日読了】

先に4巻を読んでしまったため、順番が逆になった。3巻を読んで、なるほどねと思った部分あり。やはりシリーズ物は順番に読まないと。好き嫌いがはっきりするとは思うけど、ついつい読んでしまう猫村さん。昭和の雰囲気ただよう感じだと思っているのは私だけだろうか。お手伝いさんという職業自体が時代を感じさせるのか。
H-14 「きょうの猫村さん」4
ほしよりこ
マガジンハウス(ソフトカバー)

【2009年10月3日読了】

ウマ下手な絵でほのぼの〜としてしまう、猫のお手伝いさんの漫画、猫村さんシリーズ第4巻。お土産で頂きました。第三巻を読んでいないので、そのうち誰かに借ります。今度は外国に居るはずの坊ちゃんとの再会を夢見て、外国語を勉強し始める猫村さん。前向きな猫生を見習わないと駄目かもしれない。
H-13

「夏目家の福猫」
半藤末利子
新潮文庫

【2009年9月18日読了】

祖父が作家の夏目漱石、父が作家で祖父の門下生の松岡譲、夫が昭和史の権威で元編集者だった半藤一利という作者。ただし、祖父が亡くなった後に両親が結婚したこともあり、実際に祖父と接したことがない。ただし、長命だった祖母や母から直接文豪夏目漱石のエピソードを聞いていたり、父が亡くなった後母を引き取って同居したりしていたので、聞き覚えた話自体が生き生きとしている。漱石研究という観点から見れば、重要な話も多かったのではないか。
H-12 「猫と針金」
デイビッド・ハンドラー
講談社文庫

【2010年1月30日読了】

ホーギーと愛犬ルルのシリーズも4作目。今度は有名人の自伝のゴーストライターではなく、「風と共に去りぬ」に酷似した作品の続編を、作者の娘が書いたことにして、それを書き上げる仕事が舞い込む。相変わらずホーギーの行く先々で殺人事件が起こる。今回はルルの恋愛事件も。シリーズの先を読みたい。
H-12

「笑いながら死んだ男」
デイヴィッド・ハンドラー
講談社文庫

【2010年1月19日読了】

ゴーストライターのホーギーとバセット・ハウンドのルルのシリーズ。日本ではシリーズ3冊目として発売されたようだが、実際には、こちらがシリーズ最初の巻。私は発売された順番で読んでしまったので、最初はこうやってゴーストライターになったのか、と思いながら読んだ。この作品ではメリリーはそんなに出てこない。後の作品の方が彼女の存在感がある。
H-12

「フィッツジェラルドをめざした男 」
デイヴィッド・ハンドラー
講談社文庫

【2009年11月15日読了】

MWAオリジナルペーパーバック大賞受賞作品。スチュワート・ホーグシリーズ物。元ベストセラー作家で、今はゴーストライターとして有名人の自伝を書いているホーギーと、彼にどこにもで付いていく愛犬バセット・ハウンドのルル、元妻のメリリー。前作同様、人間関係が興味深い。今回の作品は読了後せつなくなります。
H-12 「真夜中のミュージシャン」
デイヴィッド・ハンドラー
講談社文庫

【2009年3月8日読了】

元売れっ子作家で今はゴーストライターのボーギーとバセットハウンド犬ルルのシリーズ。日本では出版順に翻訳されなかったようで、これが第何作に当たるのかは不明。離婚した人気女優の妻もルルにご執心。本作は50年代、60年代の洋楽と呼ばれる音楽が好きな人はニヤニヤ笑いがこみあげてくるような作品。このシリーズは結構続いているらしいので、しばらく探して読んでみたい。
H-11 「ロシア演劇の魅力-ワンダーランド・ロシアは演劇の国」ユーラシア・ブックレットNo.36
堀江新二、松川直子他
東洋書店

【2009年7月30日読了】

ロシアの演劇に関して、この冊子が出版された当時(2002年)の最新の劇場情報。モスクワとペテルブルグが主。しかし、さすがに7年も経つと情報がすっかり入れ替わってしまっているので、そろそろ最新版が欲しいところ。ドラマ劇場には余り行かないので、そういう意味では、目安になるかと思って読んでみた。
H-11 「ペテルブルグ
舞台芸術の魅力
演劇とバレエ案内」
ユーラシア・ブックレットNo.117
堀江新二・篠崎直也・小野田みどり
東洋書店

【2008年5月27日読了】

劇場によく行くとは言え、殆どがバレエで演劇関係はあまり得意ではない。しかもそれが住んでいるモスクワではなく、ペテルブルグであれば尚更だ。しかし、劇場の名前などは分かるので、興味を持って読んだ。この前ペテルに行った時、丁度演劇博物館にも寄ったので、親近感が湧いた。モスクワの劇場に関するブックレットも既に発行されているようなので、また取り寄せて読んでみたいと思う。
H-10 「モザイク・ラセン」
萩尾望都
秋田文庫

【2008年12月13日読了】

SFというか異境界の話というか、「ラセン」というものを通って、別の世界に入り込み、そこでの冒険物語、のような感じ。結構面白いと思ったのだが…。表題作の他に2作品が収められているが、この2つはかなり弱い感じの作品。
H-10 「11月のギムナジウム」
萩尾望都
小学館文庫

【2008年12月13日読了】

「トーマの心臓」の原型となる作品を中心とした、初期短編集。確かに「11月のギムナジウム」と「トーマの心臓」の登場人物の名前と顔が同じ人物が多い。でもちょっとずつ違うし。混乱しますね、これは。両方読むことをお勧めします。
H-10 「トーマの心臓」
萩尾望都
小学館文庫

【2008年9月9日読了】

ドイツの男子寄宿舎が舞台となって、事故死なのか自殺なのか判別しきれない下級生の死と、その下級生にそっくりな転入生。生徒なのに、下級生の寄宿舎の舎監となっている委員長とその同室者。淡い恋心にも似たせつない気持ちとうらやむ気持ち、憎む気持ちなど、もろい硝子のような人間関係を描いた作品。
H-10 「百億の昼と千億の夜」
萩尾望都・光瀬龍
秋田文庫

【2007年11月4日読了】

学生時代に読んで感動した作品。原作の雰囲気を壊すことなく、萩尾さんの絵も雰囲気に合っていて、良いなあと思う。ちょっとキリスト教や仏教の知識がないと辛いかもしれないけれども、知らない人も分かるように描かれている。ここには世界三大宗教のイスラム教に関しては描かれていないので、ちょっと不思議な感じ。イスラム教に関しても描かれていたら、また違った作品になったのだろうか。
H-10 「フラワーフェスティバル」
萩尾望都
小学館文庫

【2007年10月24日読了】

両親が再婚同士で、血のつながっていない兄はハーフ、という家庭環境のみどり。彼女はバレエを本気でやりたいと思っているのに、継母はそれを良しとしない。そんな時、イギリスに音楽留学して、そのまま就職した兄の一時帰国についてきたバレエ教師に、イギリスの彼の学校でのサマーキャンプに誘われて…。バレエ仲間や先生と一緒に2ヶ月間のキャンプに参加するためにイギリスに行き、今まで良く知らなかった義兄の生活も見え始め、色々あったけど、みどりには良い方向に回転し始めた感じ。続きがあってもおかしくない作品でした。
H-10 「ローマへの道」
萩尾望都
小学館文庫

【2007年10月24日読了】

萩尾望都のバレエ漫画の一つ。バレエ漫画なんだけど、主人公が打ち込むものとしてバレエが取り上げられているだけで、実際には主人公の生い立ちから発生した、生みの母との葛藤を描いている。しかし、主人公が立ち直るきっかけも、またバレエなのでした。人種の坩堝のヨーロッパというか移民という問題も根底にはあるし、ただの漫画だと思ったら大間違いです。
H-10 「感謝知らずの男」
萩尾望都
小学館文庫

【2007年9月10日読了】

バレエをテーマにした、萩尾さんの漫画。レヴィが主人公のものが3作品、また彼も脇役で出てくる作品も収められている。久し振りに萩尾漫画を読んだのですが、やっぱり良いなあと思いました。下手なエッセイよりも深いですよ、萩尾作品は。漫画も馬鹿にしてたらいけませんね。久し振りに他の萩尾作品も読みたいです。
H-9 「プラハの春」上下巻
春江一也
集英社文庫

【2007年8月8日読了】

大変疲れました。ソ連とワルシャワ条約機構がチェコスロバキアに軍事介入した、いわゆる「プラハの春」を題材に、当時チェコの日本大使館勤務だった著者が自身の体験を踏まえて書いた小説ですが、何故か読みにくかったです。読了するまでかなりかかりました。素材自体はとても面白いし、ロマンスも絡んでいて良いとは思うんですが…。ステレオタイプな女性のせりふとかがいけないのか?文章が幼稚なのか?政治的な話や事実を淡々と述べている部分は問題ないのですが。とりあえず手元に続編があるので、そちらも読んでみようと思います。
H-8 「閉鎖病棟」
帚木蓬生
新潮文庫

【2007年7月9日読了】

一度読んでみたいと思っていた作家の作品で、山本周五郎賞受賞作品。北杜夫と同様、精神科医とは聞いていたが、精神病院が舞台と知って、入手してからもしばらく読めないでいた。しかし、思っていたような内容ではなく、作者が患者の視点で書いていて、それが優しい思いやりに満ちたものだったので、最後まで安心して読めた。この作家の作品は他にもいくつか手元にあるので、順々に読んでみたいと思う。
H-7 「ミッシング・ベイビー殺人事件」
エイプリル・ヘンリー
講談社文庫

【2007年3月5日読了】

前作「フェルメール殺人事件」で活躍したクレア・モントローズのシリーズ。前作で良い仲になったメトロポリタン美術館の学芸員であるダンテは今回はあまり顔を見せず。最初と最後には出てくるが、話の本筋には絡んでいない。それよりもクレアの隣人(というか同居人)の78歳になるチャーリーの方が活躍する。同じ主人公が活躍する作品があと2つばかりあるようだが、翻訳されたら読んでみたい。

H-7

「フェルメール殺人事件」
エイプリル・ヘンリー
講談社文庫

【2006年9月18日読了】

伯母の死によってその遺産を相続することになったクレア。しかし、伯母の住んでいたトレーラーにはガラクタばかりが残っており、唯一価値がありそうなものはあまり大きくない(トランクに入るくらいの)油絵だった。その油絵をめぐり様々な事件が勃発し、また魅力的な2人の男性との間で揺れ、クレアの人生の一大転機になる。

クレアが生まれて初めてNYに行くくだりが書かれており、私もこれを読む半年前に始めてNYに行ったので、なんとなく気持ちが分かって面白かったです。アメリカ国民でも同じように思うのね〜。クレアが活躍する別の話もあるようなので、読んで見たいと思います。

H-6

「新・御宿かわせみ」
平岩弓枝
文春文庫

【2011年4月19日読了】

御宿かわせみ新シリーズ。シリーズ物は終りをどうするかが難しいと思うのだが、確かにかわせみは長い期間にわたってだらだら続いていた。だからと言って、元のシリーズの最後から、こんな突飛な変化があっていいのだろうか。江戸から明治に時代が変わったからと言って、ここまでの変化はこの作品には似合わないのではないだろうか。そうは言いつつも続きも読むが。

H-6

「浮かれ黄蝶」御宿かわせみ34巻
平岩弓枝
文春文庫

【2010年12月30日読了】

かわせみシリーズの江戸編の最後の巻であはあるが、なんというか締りがなかったというか、いつもの巻と同じような終わり方だった。突然次の巻から明治編と言われても、ぴんと来ないと思う。確かに最後の数冊はるい、東吾よりも子供たちが目立っていた。作者も子供たちが大人になった時の話を書きたかったのかもしれない。

H-6

「小判商人」御宿かわせみ33
平岩弓枝
文春文庫

【2010年6月26日読了】

御宿かわせみシリーズ33巻。時代は段々幕末に近づいており、それぞれの主人公も少年達のことが多くなりつつあるかわせみシリーズ。それでも世界観は変わらず、読み終わった後気持ちの休まる物が多い。次の巻で一旦シリーズが終わるようなので(更に明治編に続くらしいが)、そちらを読むのが少し淋しい気もするが、今から楽しみ。

H-6

「絹の道」
平岩弓枝
文春文庫

【2009年9月1日読了】

平岩弓枝さんの現代物はイマイチ古臭い感じがする。この本も発行が1996年だが、主人公とその兄の名前が長介と次介である。1960年代生まれということを考慮しても、かなり古い名前なのではないだろうか。そういう部分から、なんとなく物語に入れない感じをもったまま、最後まで詠み進めることになった。ハッピーエンドになるかと思いきや、そうはならない終わり方に何かを感じなければならないのだろう。

H-6

「はやぶさ新八御用旅」3
日光例幣使道の殺人
平岩弓枝
講談社文庫

【2008年3月24日読了】

はやぶさ新八御用旅第3作。南奉行の殿様に仕える新八が江戸ではない場所に行くことが不自然ではないような話にしないと、この場合かなり問題になってしまうが、前2作とも絡めて、不自然ではないような話になっている(苦労のあとは見えるけれども)。平岩さんもかなりお年なので、新作にも期待したいが、別シリーズの新御宿かわせみシリーズも気になってるし、がんばっていただきたいものです。

H-6

「北前船の事件」
はやぶさ新八御用旅
平岩弓枝
講談社文庫

【2008年3月3日読了】

はやぶさ新八御用旅第4作。新八が仕える殿様が、以前佐渡奉行だったことから、昔佐渡に住んでいたことのある新八。今回北前船絡みの事件でお鯉がかどかわされ、新八を越後に呼び出す書状を受け取った。当時の関係から佐渡に渡って調べをする新八。昔馴染みや新八の父親を知る人々から情報を得たりして、全てを解決し江戸に戻ったが、何故かすんなり解決した感じがぬぐえない。それに、前のように新八の妻も登場しないし、話が小さくまとまりすぎている気がする。シリーズ物なので、結局読んでしまうとは思うが、淋しい感じ。
H-6 「ちっちゃなかみさん」
平岩弓枝
角川文庫

【2007年6月26日読了】

歴史小説短編集。10作品が収められているが、そのうち2作品は「親なし子なし」というハードカバーに収録されていたもの。平岩弓枝の初期の作品。彼女の作品は安心して読めるからいいと思う。しかも、市井物、武士物、どちらもいける。それぞれの生活観を書き表すことが可能、というのも才能の一つである。芸事にも詳しい。本人も日本舞踊などをやっていたと聞いたことがある。
H-6 「江戸の精霊流し」
御宿かわせみ31
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月22日読了】
再読【2007年6月25日読了】

御宿かわせみシリーズ31巻。猫好きの画家が主役の話があったり、麻太郎と源太郎が2人で調べ物をする話があったり、異母兄弟のお互いを思う気持ちが書かれた話があったり、様々。 猫飼いとしては猫をフューチャーした「猫絵師勝太郎」が良かった。そろそろ東吾とるいも40超えるかどうかという年代に。江戸時代も末期だというのに、まだまだ彼らの周りは歴史の渦は泡だっていないようである。34巻で一応江戸時代編はお終いだそうです。
H-6 「親なし子なし」
平岩弓枝
毎日新聞社

【2007年6月25日読了】

とても古いハードカバーを譲っていただきました。昭和四十六年10月出版です。7編の短編時代小説が入っていますが、そのうちの2作品は花房一平が主人公の小説で、別の文庫本に含まれているものです。花房一平シリーズについは別のところで書いてますが、御宿かわせみシリーズの東吾のモデルだと思われますね。源さんと長助だと思われる人も出てきますし。
H-6 「鬼女の花摘み」御宿かわせみ30
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月20日読了】

お江戸の話には珍しく、東吾が仕事の関係で播州に出向き、そこで帰るに帰れない状況に陥って、江戸から宗太郎、長助、るいがやってくる話が書かれている。「蓑虫の唄」は、江戸時代の象徴とも言える火事と火消しにまつわる話だが、子供たちが殆ど出てこないので、逆に不自然なような気がする。しかし、江戸の街中で、彼らは偶然に知り合いに会い過ぎるような。というか、江戸時代末期とはいえ、繁華街の範囲や通り道、住んでいる人の数が違ったんでしょうね。
H-6 「初春弁才船」御宿かわせみ29
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月18日読了】

最近までの巻に比べて、以前のように捕物関係がストーリーの中心に戻ってきている感じがする。「メキシコ銀貨」は幕末に外貨が入ってきて、複雑な両替の仕組みが絡んだ話ではあるが。確か32巻に「小判商人」という一遍が含まれているはずなので、そちらとこの話は関係あるのではなかろうか。33巻で一応江戸時代の「御宿かわせみ」シリーズは終わりになるとのこと。残り少しを楽しみに読みたい。
H-6 「佐助の牡丹」御宿かわせみ28
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月18日読了】

この巻では植木市、牡丹品評会、冬の桜など植物関係の話が多い。るいが登場しても、ついついお吉と東吾の掛け合いに痺れを切らして怒っている場面が多くなってきた。宗太郎も他人の家に上がっていつも昼食を食べている気がする。それだけ登場回数が増えているということか。花世が出てくる割にはその弟の小太郎は影が薄い。
H-6 「横浜慕情」御宿かわせみ27
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月17日読了】

この巻でのハイライトはやはり東吾と宗太郎が子供たちを引き連れて行った横浜旅行だろう。異国情緒あふれる江戸時代末期の横浜の様子も描かれていて、興味深かった。しかも、日本語の上手い外国人水平なんてのまで登場するし。るいの登場回数が減っているのが気になるが、その代わり神林兄の登場回数が増えているのは気のせいか?
H-6 「長助の女房」御宿かわせみ26
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月17日読了】

この巻で目立ったのは、蔵に仕舞ってあった千手観音や、虫干しで出してきた産着などを見て、東吾が小さいときのことを思い出すことが多くなってきてることでしょうか。年を取ってきたからか、それとも麻太郎の年齢に自分の小さい時を重ねてみているのか。「長助の女房」は最後の最後に、ちょっとしたからくりが隠されていて、こういうところが平岩弓枝の上手さだなあと思った。
H-6 「宝船まつり」御宿かわせみ25
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月17日読了】

この巻あたりから、長崎やら横浜の話、異人さんに関する話が増え始めている。段々時代が幕末に近づいてきているようだ。東吾は相変わらず2箇所の勤務先を交互に勤め、更に八丁堀での稽古もつけている。それでいて、源さんの手伝いだけにとどまらず、色々持ち込まれる相談事にも対応していて、本当にエネルギッシュ。その分るいの活躍があまり見受けられない。

H-6

「春の高瀬舟」御宿かわせみ24
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月16日読了】

読み直し中の御宿かわせみシリーズ。この巻のメインはなんと言っても疑惑の中心の麻太郎の母、清水家の琴江が殺されてしまう事件である。その後、事実をあばこうとすることもなく、皆が良いと判断し、麻太郎は通之進の養子となる。千春もすくすく育っており、東吾は30代前半、るいは30代半ば位か。勤皇浪士なんて言葉も出てきて、段々時代を感じさせるようになってきた。

H-6

「十三歳の仲人」
御宿かわせみ32
平岩弓枝
文春文庫

【2007年6月14日読了】
【2009年9月25日読了】再読

「かわせみ」の女中で、お吉の片腕になっているお石に縁談が。登場した時、田舎出の、ものすごい力持ちな女の子だったのに、既に18歳になり、どこに嫁にやっても恥ずかしくないほどになった。しかもいろいろなところから縁談が持ち込まれ…。最後には13歳の麻太郎が活躍し、小源棟梁との仲を取り持ち、7歳の千春と一緒に仲人になるという微笑ましい、嬉しいことに。千春はお石に懐いていたので、これで離れずにすむと思っていることだろう。

H-6

「花影の花」大石内蔵助の妻
平岩弓枝
新潮文庫

【2007年4月20日読了】

吉川英治文学賞受賞作品。大石内蔵助の妻の視点から、家老としての大石、忠臣蔵事件、討ち入り、その後の子供たちのことなどが細かく書かれている。どれも回想という方法で書かれているため、抑えた感情が行間からにじみ出てくるような印象がある。武士の妻というのは辛いというのが第一印象。もっとも、有名な父、兄を持ってしまった出来損ないの息子も辛いですが。

H-6

「山茶花は見た」
御宿かわせみ4
平岩弓枝
文春文庫

【2007年4月14日読了】

御宿かわせみシリーズ第4巻。まだまだシリーズの早めの巻ということで、捕物帳的な話が多い。るいと東吾も熱々だし、とぼけた源三郎もいい味を出している。まだ長助親分のことを毎回説明書きが付くくらいの扱いでしか登場させていない。久し振りに読み返してみて、生ぬるいくらいだけど、だからこそこんなに息の長いシリーズとして人気を博したのではないか、と思えた。

H-6

「白萩屋敷の月」
御宿かわせみ8
平岩弓枝
文春文庫

【2007年4月10日読了】

御宿かわせみシリーズ第8巻。この巻の冒頭の話に、はじめて天野宗太郎が登場。最初は偽名でかわせみに泊まっていたため、単なる医者かと思っていた東吾たちだが、それでも一歩間違えば騙りになりそうなことに巻き込み、最後には彼が御殿医の息子だということが判明しびっくりした。この巻のタイトルになっている作品は読者投票で1位になった作品。ぐいぐいと読ませる。でも、東吾は役得か?

H-6

「酸漿は殺しの口笛」
御宿かわせみ七巻
平岩弓枝
文春文庫

【2007年3月11日読了】

御宿かわせみシリーズ第七巻。このあたりでは、まだまだ捕物帳的な内容が多く、しかも東吾が積極的にお縄取りに参加していたりもする。何度も読み返すと、前に読み落としていたり、気が付かなかったりすることも多く、面白い。人情もの的な部分もあるし、シリーズとしての、全体の流れもあるし、本当に読ませる作品だと思う。るいと東吾も熱々でこちらが恥ずかしくなるような。

H-6

「閻魔まいり」
御宿かわせみ10
平岩弓枝
文春文庫

【2007年3月3日読了】

何度も読み返している御宿かわせみシリーズ。シリーズも既に30巻を超えており、文庫本ですら、最初の方は新装巻が出ているくらい息が長い。この巻で東吾の親友である源三郎の祝言が行われている。そんなに前に結婚してたっけ?と思いながら、読み返してみた。まだまだ東吾とるいは熱々で、のろけている状態。歴史の波も感じられないし、平和な感じで話は進んでいる。

H-6

「江戸の娘」
平岩弓枝
角川文庫

【2007年2月25日読了】

昭和33年から昭和50年の間に作者が書いた時代物短編7編が収められた短編集。中には「御宿かわせみ」で再び使われたネタもあったり、有名な話を平岩流に書き直した話などもあって、なかなか面白かった。表題作の「江戸の娘」は江戸時代から明治に変わる頃で、時代のうねりに飲み込まれつつ、純愛を守った主人公が羨ましかった。

H-6

「お宮のゆみちゃん」
平岩弓枝
中公文庫

【2007年2月20日読了】

平岩弓枝が直木賞を受賞した昭和34年頃から、結婚して生まれた長女が幼稚園へ入る頃までの随筆が集められている作品集。時代がかなり前なので、当時のことがわかっていないと、かなり厳しいかも。その反面、時代が変わっても家族を大切にしている平岩さんの気持ちがとても暖かく、それが彼女の作品に反映されているのがよくわかった。

H-6

「道長の冒険 平安妖異伝」
平岩弓枝
新潮文庫

【2007年2月4日読了】

若かりし藤原道長と不思議な能力を持つ楽師真比呂の活躍する「平安妖異伝」の続編。前の話は読み切り連作だったけれども、こちらは根の国の無明王に捕らわれて動けなくなった真比呂を助けに行く道長の話。ファンタジー物の時代物ロールプレイングゲームのような感じ。お付の虎麿は猫の化身だったり、雷神の子も味方したり、中々面白かった。
H-6 「狐の嫁入り」御宿かわせみ6
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月24日読了】

東吾と源さんが介入した事件がもとで、夫と離縁したおとせを、その子供の正吉が東吾にとても懐いていることもあって、るいがかなり気にしている。そして、東吾もおとせも必要以上にそれを意識してしまっているのが、ほほえましい。るいはかなり子供が出来ないことを気にしていて、正吉を可愛がる東吾を見ていると淋しくなっている。まだ正式に認められていない状態で、子供だけ出来ても困ると思うんだけど…。しかし、正吉が行方不明になった事件で、無事に戻って来て良かった、良かった。
H-6 「幽霊殺し」御宿かわせみ5
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月23日読了】

御宿かわせみシリーズ第5巻。31巻まで読んでから、いきなり5巻に戻ったら、なんかちょっと調子が狂った。まだ結婚していないるいと東吾なので、東吾がいかに兄夫婦の目を盗んで(?)かわせみに泊まりに行くかが面白い。それにるいが、後の巻よりもよっぽどおきゃんに書かれていて、結婚してからずいぶん大人しくなってしまった感じがした。
H-6 「源太郎の初恋」御宿かわせみ23
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月22日読了】

御宿かわせみシリーズ第23巻。東吾の隠し子(?)との寂しくなるようなエピソードがあったり、ずっと以前からの懸案事項であったるいの懐妊があったり、源太郎が嫌だと思っていた花世のことが気になり始めたりして、最後にるいと東吾に娘、千春が生まれる。これからは子供の世代の話に移行してくのだろうか。しかし、まだまだ源さんや東吾にはがんばってもらいたいものだ。
H-6 「清姫おりょう」御宿かわせみ22
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月21日読了】

御宿かわせみシリーズ第22巻。かわせみシリーズは純粋な捕物帳でもないし、人情物語が書かれていることもあるが、解決しない事件と言うものもたまにはあって、「清姫おりょう」という一遍も結局は解決しないまま終わりになったもの。読者にはちゃんと分かるようには書かれているが、こういうのはいまひとつしっくりこない気がする。
H-6 「犬張子の謎」御宿かわせみ21
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月21日読了】

御宿かわせみシリーズ第21巻。相変わらず東吾とるいは仲むつまじく、生活自体は平穏無事に過ぎており、ただ子供達の年齢が書かれていると、時間が経っていることが分かる。何かの事件にしても、ちょっとした手がかりで、どうしてこんなことが分かる?っていうのもあるけれど、全体的に人情物として読める読みきり連作になっている。
H-6 「千姫様」
平岩弓枝
角川文庫

【2007年1月20日読了】

徳川家康の孫で、秀吉と淀君の間に生まれた秀頼の妻だった千姫の話。大阪夏の陣の時に彼女が大阪城を脱出して後、秀頼と母親の淀君が城に籠って爆弾を仕掛けて自らの命を絶った、という定説だったが、ここでは秀頼が無事に脱出をして生き延びたという話を採用している。大阪夏の陣の後、千姫は本多忠刻の妻になったとは聞いていたが、忠刻がその後10年ほどで亡くなっているとは知らなかった。これは史実が書かれているわけではないけれど、今まで知らなかった部分も分かって面白かった。
H-6 「お吉の茶碗」御宿かわせみ20
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月19日読了】

御宿かわせみシリーズ第20巻。大筋としては特に事件も起こらず、しかし時代的には鎖国から開国に向かっている様子が事件に反映され始めている。日本古来の犬ではない外国産の犬が絡んでいる話がそれ。他の話は人情物といえるものが並んでいる。かわせみの女中頭、お吉の性格が良く描かれている表題作も良かった。
H-6 「極楽とんぼの飛んだ道」
私の半生、私の小説
平岩弓枝
講談社文庫

【2007年1月15日読了】

「御宿かわせみシリーズ」などで有名な平岩弓枝が自分の半生と自分の小説を書いた時の裏話的なものを絡めて書いたエッセイ。元々、代々木八幡神社の一人娘である、ということは承知していたが、親戚一同が、こんなに色々な神社の神主さんだとは知らなかった。神主一家の親戚は皆神主なんですね。その中で一人作家になってしまった平岩さん。最近は時代物が多いけれど、彼女は元々現代小説を書いていて、更にはTVドラマの脚本家としても有名でした。裏話的なものが好きな人にどうぞ。
H-6 「かくれんぼ」御宿かわせみ19
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月14日読了】

御宿かわせみシリーズ第19巻。表題作「かくれんぼ」では5歳になった畝源三郎の息子、源太郎と3歳くらいの花世が、はからずも一緒に怖い思いをしてしまう事件が書かれている。しかし、最初読んでいた時、源太郎がたったの5歳とは思えなかった。10歳くらいの感覚で読んでいたら、後で5歳と書かれていてびっくり。まあ、今とは子供の扱い方も違ったのだろうか。しかし、花世と源太郎はまだ仲良くないな。
H-6 「秘曲」御宿かわせみ18
平岩弓枝
文春文庫

【2007年1月13日読了】

御宿かわせみシリーズ第18巻。この巻で、今まで東吾自身も知らなかった、東吾の隠し子(?)問題が登場。実際に彼の子供かどうかまでは、正直なところ不明だが、東吾は既にそのつもりになっている。いつになったらはっきりするのか、これはこれでシリーズならではの楽しみ。秘密が明らかになるまでは続いて欲しいものである。しかし、その時のるいはかなり苦労すると思われ、なるべく先にして欲しいとも思うし、ファンとはわがままなものだ。
H-6 「御宿かわせみ読本」
平岩弓枝編
文春文庫

【200年1月8日読了】

ご存知御宿かわせみシリーズの作者、平岩弓枝氏による手引書(?)。なんとこのシリーズの第一作は78年に書かれたものらしい。既に文庫本も30巻を超え、どこまで続くのか興味深い。鬼平と違って、単なる捕物帳ではなく、全巻を通しての大河ドラマ的な筋もあるため、そちらの行く末が気になるところ。江戸時代の地図も載っていたり、読者の感想文もあったり、面白かった。この本を手元に置いて、再度シリーズを1巻から読み直してみたい。
H-6 「雨月」御宿かわせみ17
平岩弓枝
文春文庫

【2006年12月17日読了】

御宿かわせみシリーズ第17巻。 読みやすいので、ついつい先を読んでいますが、特に話も進展してないし、人情捕物話に落ち着いているところ。新婚の東吾とるいに子供が出来ないので、周りはやきもきしている、というような話も出てきているが、あまりそればかりに固執もせずに季節は移ろっているようである。
H-6 「八丁堀の湯屋」
御宿かわせみ16
平岩弓枝
文春文庫

【2006年12月16日読了】

御宿かわせみシリーズの第16巻。15巻目にして、やっと結婚式を挙げた東吾とるいの平穏な生活を縦糸にして、幕末の江戸の町の人情物や厄介な話、捕物など様々な事件を横糸に、物語は進んでいる。東吾の兄の嫁の実家で生まれた花世がおしゃべりをする、というさりげない一言で時の流れを感じさせるなど、相変わらず上手いです。ただ、幕府の上の方で揉め事があり、東吾は軍艦操錬所には休職願いを出している、という部分もあり、時代を感じさせる。

H-6

「はやぶさ新八御用旅」2巻
中仙道六十九次
平岩弓枝
講談社文庫

【2006年12月12日読了】

「はやぶさ新八御用旅」1巻で東海道五十三次を下って江戸から京都に出向いた新八だが、今日と滞在が以外に延びて、更には信州まで同行する母子と一緒になり、途中から上役が親身にしている医者の娘も同行し、最後にはその娘の旦那が事件を起こす…。結構話が詰め込まれてます。面白かったから、どんどん先を読んだら、なんと4時間くらいで読み終わってしまった。3巻も早く読みたいですね。

H-6

「恋文心中」御宿かわせみ15
平岩弓枝
文春文庫

【2006年12月10日読了】

御宿かわせみシリーズ15巻。とうとうるいと東吾の結婚式が行われ、晴れて夫婦となった。東吾は見習いとして奉行所に勤めるのではなく、講武所教授方、および軍艦操練所の2ヶ所に通うことに。生活が一変したが、るいとの仲のよさは変わらず、また畝の旦那の手伝いも引き続き行っていて、相変わらず付き合いの良い東吾である。シリーズを全部読んでいるわけではないので、これを機に1巻から読んでみたいものである。

H-6

「神かくし」御宿かわせみ14
平岩弓枝
文春文庫

【2006年12月10日読了】

御宿かわせみシリーズの14巻。一度読んでいても、たまに引っ張り出して読みたい本(というかシリーズ)。神林東吾と幼馴染の畝の旦那の捕物だけでなく、るいとの恋物語も安定していて、停滞気味な物語となりつつあるところに、東吾がそろそろ見習いとして奉行所に勤め始めるような話に。そうなると一気にるいとの結婚が現実化しそうで目が離せない。
H-6 「御宿かわせみ」
平岩弓枝
文春文庫
言わずと知れた平岩弓枝の代表作とも言えるシリーズ物の第1巻です。以前にも読んだことがあったのですが、再読したくなりまして、日本からわざわざ取り寄せてしまいました。続けて何冊も読んでいると、もういいや、と思うのですが、たまに読むと、やっぱり時代物は良いねえ、と思う自分勝手な管理人でございます。
H-6 「五人女捕物くらべ」上下
平岩弓枝
講談社文庫
御宿かわせみシリーズが好きだったので、他の時代物も読みたくなって選んだ物。なんと猫が活躍する部分があるんですよ。読みきり連作的なんですが、猫と時代物が好きな人にはお勧めです。

H-6

「セイロン亭の謎」
平岩弓枝
新潮文庫
平岩さんの作品はやはり現代物よりも時代物の方が面白いのかもしれない、という思いを 新にしてしまった作品。悪くはないのかもしれないけど、イマ3くらい感性に合わなかったかも。

H-5

「ちゃれんじ?」
東野圭吾
角川文庫

【2011年6月2日読了】

東野さんが40代半ばにして、スノーボードに挑戦し、また雪のない時期に別な物に挑戦をした記録のエッセイ。妄想というか短篇小説もあり。東野さんの長編しか読んでないと、あまり感じないが、エッセイだと何か別の人格のような感じがする。ちょっと違和感があった。

H-5

「怪笑小説」
東野圭吾
集英社文庫

【2010年9月8日読了】

「おっかけバアさん」の執念はばあさんだけでなく、どの人間にも共通している物と思われる。「鬱積電車」のように、皆心の中で色々考えてるんだと思うと結構怖い。「あるじいさんに花束を」は老いと若さについて考えさせられた。

H-5

「黒笑小説」
東野圭吾
集英社文庫

【2010年9月5日読了】

作家と出版業界をおちょくったような連作の数々。笑わせられてしまったが、結構本音も入ってるのでは?と疑心暗鬼になる編集者もいるのではないだろうか。他に設定が笑える巨乳の話とか、子どものいる家族では笑えない「臨界家族」など、東野さんの黒い部分があぶりだされている本。

H-5

毒笑小説
東野圭吾
集英社文庫

【2010年8月26日読了】

いわゆるブラックユーモア短編集。巻末に京極夏彦さんとの特別対談が収録されている。一作目の自分の孫とどうしても一緒に遊びたい金持ち爺さんの話が笑えた。ブラックだけど、笑えない話もあったりして、ユーモアというのは、難しいと思った。

H-5

「ガリレオの苦悩」
東野圭吾
文藝春秋
(ハードカバー)

【2010年1月24日読了】

ガリレオ・シリーズの連作短編集。長編の「容疑者Xの献身」は読んでいないが、第一作、第二作の短編連作と同じパターンを持つ本作。湯川の同級生の刑事、草薙の部下に女性の内海薫が登場。この作品がTVドラマの原作になったものだと思われる。ドラマは見ていないが、彼女が登場したことによって、作品に深みが出た気がする。長編も2作あるので読んでみるか。

H-5

「予知夢」
東野圭吾
文春文庫

【2008年9月10日読了】

探偵ガリレオシリーズ第二弾。日本ではドラマにもなったらしい。勿論未見。今回は5作品が収められているが、どれもオカルトチックな話だが、結局は突き詰めていけば、全て理由が分かるというもの。それを大学の物理学科助教授が解明していくという作品。大変申し訳ないのですが、どれも今ひとつ、という感じがぬぐえず。今後に期待。

H-5

「探偵ガリレオ」
東野圭吾
文春文庫

【2007年12月28日読了】

最近日本で連続ドラマになった作品の原作。ドラマの方は見ていないので何とも言えない。刑事が同級生の大学の物理学科助教授を訪ねて、事件解決の糸口を掴むというパターンの連作ミステリー。大学助教授湯川が主人公になっている作品は今の所、第一弾のこの作品の他に2冊ある。何故か3冊目は既に持っているので、今度読んでみようと思う。

H-5

「卒業
=雪月花殺人ゲーム=」
東野圭吾
講談社文庫
「雪月花ゲーム」がイマイチ難しかった。しかし、大学の仲良しグループから 2人も(最後には3人か)死人が出てしまうって、一体どういう人たちなんだろう?と首をかしげちゃいましたよ。加賀恭一郎が出てくる 他の話もあるそうなので、もう1−2冊読んでからもっと読むかどうか決めようっと。
H-5 「どちらかが彼女を殺した」
東野圭吾
講談社文庫

【2006年3月10日読了】

女性が一人死に、自殺と見せかけていたが、他殺らしく、容疑者も2人まで絞られたが最後までどちらが殺したのかはっきりしないまま、判断は読者に任せられるというお話。東野さんの作品ではおなじみの「加賀恭一郎」刑事が登場。しかし、私はこの作品で初めて出会いました。シリーズものならシリーズ最初の作品から読みたかったなあ。あなたなら、どちらの容疑者が彼女を殺したと思いますか?
H-4 「わたしの鎖骨」
花村萬月
文春文庫
短編集。作品は5つ入っています。5つ目の「新宿だぜ、歌舞伎町だぜ」には、「眠り猫」シリーズ(好き!)の猫こと仁賀と「なで肩の狐」シリーズの蒼の海が出てくるんですよ〜。知らずに購入したけど良かったです。この作家は性と暴力の作家といわれているようですが、この短編集は(勿論暴力も性も出てきますが)、ちょっと捻った感じのするお話がいくつかあって、最後に「おぉー」とつぶやいてしまったりしました。ちょっと今までこの作家が苦手だった人も、この短編集から読んでみてはいかがでしょうか。
H-4 「ゴッド・ブレイス物語」
花村萬月 
集英社文庫
この著者の作品、好きです!エグイ表現も多いけど、それを補って余りあるパワーがみなぎっている気がします。私の場合作者の経歴とかも、結構気になってしまうのですが、この人もかっとんでて好きだわ(笑)。
H-4 「猫の息子」眠り猫U
花村萬月
新潮文庫
これも続き物。眠り猫というあだ名の元警察官である探偵の息子、タケを主人公にした物語。「眠り猫」を読んだのがかなり前で、正直内容を忘れているので、もう1度読みたくなった。いつもの花村さんより、ちょっとだけ大人し目かも(エログロ度が低いかもしれない。全くない訳ではないが)。
H-3 「つくもがみ貸します」
畠中恵
角川書店(単行本)

【2008年9月30日読了】

時代物の妖怪ものを書かせたらお手の物の畠中さんの作品。ほっこりするのは、しゃばけシリーズと同じだが、こちらの付喪神は人間とは話さない。しかし、人間に(この場合は「出雲屋」の主である清次とその義理のいとこであるお紅)話の内容を聞かれてもいい、というパターン。決まりがあるのが面白い。また、ついつい清次やお紅に対して返事をしてしまいそうになる付喪神がいたりするのもいい感じ。
H-3 「いっちばん」
畠中恵
新潮社

【2008年8月27日読了】

しゃばけシリーズ第7弾。相変わらずおそろしくひ弱で病弱な長崎屋の若旦那一太郎とその仲間達である妖たちのくりひろげる、ほっこり暖かな雰囲気のちょっとした謎解きも含まれるファンタジー物。安定した面白さ。周りの妖たちや人間たちの若旦那を思っている様子が伝わってくる。
H-3 「ゆめつげ」
畠中恵
角川書店

【2007年8月25日読了】

しゃばけシリーズで有名になった畠中さんの作品。しゃばけシリーズ同様、江戸時代を舞台にしているものの、ちょっと趣向を変えてきている。それが悪いわけではないのだが、未来を予見できる「夢告」なる行為は太古の昔から、呼び名は違えどもシャーマン的なことなので、なかったとは言えないし、でもディテールの処理の仕方がまずいのか、今一つ読むのに時間がかかった。
H-3 「ちんぷんかん」
畠中恵
新潮社

【2007年8月20日読了】

しゃばけシリーズ第六弾。若だんなが父の庶子である兄、松之助の縁談話で淋しくなって落ち込んでいる様子がとても可愛い。今回の短編集はそれぞれかなり気に入った。「鬼と小鬼」も笑えるし、「ちんぷんかん」の算数の問題も昔やった記憶があるし、「男ぶり」では若だんなの両親の馴れ初めが分かるし、「はるがいくよ」はしんみりする。これで兄の結婚問題にも片がつくようだし、そのうち若だんな本人の話になりそうだ。楽しみ、楽しみ。
H-3 「おまけのこ」
畠中恵
新潮社

【2007年8月13日読了】

しゃばけシリーズ第4弾。借りた順番が逆になったため、第4弾と第5弾の読んだ順番が逆になってしまったが、内容的には特に問題はなかった。第4弾は読み切り連作。最後の「おまけのこ」がよかった。いつもはわらわらとたくさん居る鳴家はまとめて集団としか扱われてなかったが、このお話では、とある1匹の鳴家のことを、若だんなが別の場所でも「うちの鳴家」と判別する話。若だんなはやっぱり優しい。
H-3 「うそうそ」
畠中恵
新潮社

【2007年8月11日読了】

しゃばけシリーズ第5弾。シリーズ第一作の後は読みきり短編が続いていたのに、ここに来て久し振りに長編が。体が弱くていつも伏せっている若だんなが、何故か湯治の旅に出ることに。今回は若だんなと対照的に自分に自信のない、でも未知の力のある姫神さまが出てきます。若だんなが嫌いみたいだけど、何故きらいなのか。自信のなさの裏返し?いつも他人のことを考えている若だんならしい助言がよかった。

H-3

「ねこのばば」
畠中恵
新潮文庫

【2007年2月1日読了】

しゃばけシリーズ第三弾。段々パワーアップしているような、若旦那の周りの妖たち。猫好きとしては猫が出てくる最後の一遍「たまやたまや」もいいけど、私的には「産土」が印象深かった。作り方が上手いのかもしれない。騙されたと思って読んでください。シリーズ物ですが、この巻から読み始めても全然問題ありません。
H-3 「しゃばけ」
「ぬしさまへ」
畠中恵
新潮文庫
あやかしに守られている、めっぽう体の弱い廻船問屋の若だんな、一太郎が、内緒で出かけたとある晩に殺人を目撃。その後も猟奇的殺人事件が続き、若だんな自身が狙われる。一太郎は家族同様の妖怪たちと解決に乗り出す。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作品。

第二弾の「ぬしさまへ」も読みました。だんだんと登場人物の脇役の方の背景とかも判明しつつあり、シリーズ物としての深みが出てきた感じ。続きが読みたい。【2006年6月】

H-2

「星影のステラ」
林真理子
角川文庫

【2010年10月12日読了】

林真理子さんの処女小説。これでいきなり直木賞候補になった作品。典型的な女性の友達への嫉妬が書かれている気がして、読了後重い気分になった。「だいだい色の海」は20歳の青年が主人公だが、こちらの作品の方が読んでいて、何故か分かる気がした。
H-2 「不機嫌な果実」
林真理子
文春文庫

【2010年6月5日読了】

林真理子らしい作品とも言える。ドラマ化した作品で大反響があったらしいが、主人公に全く感情移入が出来ない。価値観が違いすぎるので、どうしてこういう生き方をしているのか全く理解不能。でも、こういう人がいてもおかしくないかも、と考えることは出来る。
H-2 「猫の時間」
林真理子
朝日文芸文庫

【2010年2月14日読了】

林真理子が朝日新聞家庭欄に連載したエッセーをまとめたもの。連載当時は反響が大きく、色々な話題を提供していたようであるが、今読んでみても、結構過激な意見が書かれているなと思う部分もあった。余計なお世話と思う箇所もあり、誰かが言わないと、そのままになってしまうと思われることもあり、全てに同意はしないけれど、こういう考え方の人間がいてもいいのではと思った。
H-2 「林真理子の名作読本」
林真理子
文春文庫

【2009年4月8日読了】

雑誌で連載されていた54冊を紹介した部分と「林真理子の文章読本」というどのような文章が素晴らしいのか、についての解説部分が含まれている本。54冊のうち、自分が何冊読んだことがあるのか、確認はしなかったが、どれもこれも有名な作品が並んでいるのは確か。全てを読んでいないといけないということではないが、何冊かは読んでいると読書好きの自尊心はくすぐられるかも。
H-2 「トーキョー国盗り物語」
林真理子
集英社文庫

【2008年7月29日読了】

林真理子のトレンディドラマ文庫編という感じの、いかにもドラマの原作になりそうな20代半ばから後半の、社会に出たてじゃないけど、キャリアでもない、でも結婚のあてもない女性の人生の迷いを描いた作品。実際に93年4月にNHKで連続ドラマとして放映されたとのこと(巻末の解説より)。
H-2 「初夜」
林真理子
文春文庫

【2007年6月29日読了】

短編集。11作品が収録されている。女性と恋に絡んだ話が多い。しかし、不倫の話が多いせいか、恋愛の怖さや、駆け引きなどが書かれていて、ある意味ホラーっぽいかも。自分では購入してまでこういう本は読まないと思う。貸してくれた友達には悪いけど。林真理子の作品の中では、現代物はあまり好きではないかもしれないと最近思う。

H-2

「天鵞絨物語」
林真理子
新潮文庫

【2006年8月15日読了】

これも同時期に読んでいた「てるてる坊主の照子さん」同様昭和初期が舞台の作品。その割には全く違う作品である。こちらは昭和初期の上流社会の風俗などが垣間見れる。しかし、恋愛というものは時代がいつでも変わらないものだ、と思い知らされました。主人公の品子の、幼馴染である、一度は自分が結婚した相手である泰ちゃんへの愛は無償の愛なのか。それでも自分が傷つき、周囲の画策もあり離婚して再婚してしまう。あの時代ならこういうことがあってもおかしくはない、と思うものの、いまいち納得できない感じがぬぐえなかった。

H-2

「ミカドの淑女」
林真理子
新潮文庫
学習院女学部長下田歌子について、林真理子風に料理をした小説。明治と言う特殊な時代の天皇の周りの人々の様子も興味深かった。丁度幕末の話を読んでいたので、その先の時代(=明治)という繋がりもあり。
H-2 「女文士」
林真理子
新潮文庫

【2006年11月17日読了】

昭和初期の文壇の様子がイマイチ分かっていないので、どこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのかが分からなかった。個人的には静枝のような女は好きではないが、戦争が彼女の人生を変えたとも言えるかもしれない。他人の目を気にしないで、信念にのっとって生きていけるのは幸せなのか、どうか。
H-2 「素晴らしき家族旅行」
林真理子
新潮文庫
年上の奥さんを貰った大家族の息子が自分のおばあちゃんの介護のために実家に戻る話。嫁と姑の確執、財産争いなど色々な話題が満載です。結構面白く読めました。林真理子っぽくない感じです。
H-1 「ニューヨーク・
スケッチブック」
ピート・ハミル
河出文庫

【2006年3月28日読了】

前から手元にあったのに、あまり興味を感じなくて読んでいなかった本。丁度NYに行ったのを機会に読み始めたが、短編ばかり34作品も入っていたので、なかなか読み終わらなかった。最後に付録として付いていた、日本映画の「幸福の黄色いハンカチ」の原作が良かった。NY生まれの作家が描くNY。行ってみてはじめて土地勘もできて、興味がわきました。
F-12 「母への詫び状」
新田次郎・藤原ていの娘に
生まれて
藤原咲子
山と渓谷社(単行本
)

【2011年2月20日読了】

母親との確執に付いて書きたかったのかもしれないが、終始自分を正当化する言い訳となっている。父親が居た時は守ってもらえていたが、亡くなってからは困ったに違いないと思われる。母親が強すぎたのかもしれないが、褒められた記憶がないと言うのは確かに辛いかもしれないが、親が有名作家でなければ、出版されることのなかったエッセーではないだろうか。
F-12 「父への恋文」
新田次郎の娘に生まれて
藤原咲子
山と渓谷社(単行本
)

【2011年2月17日読了】

新田次郎の娘咲子が書いた、父についてのエッセー。父のみならず、母、次兄、その妻までエッセーを書いている家族である。しかも、母の書いた「流れる星は生きている」の中で「今にも死んでしまいそうな赤ん坊」として書かれている本人。家族の中では一番つたない文章ではあるが、気持ちのこもった文章に思われる。
F-11 「英雄」上下
ブライアン・フリーマントル
新潮文庫

上巻【2011年1月7日読了】
下巻【2011年1月10日読了】

カウリー&ダニーロフシリーズ第二弾。今度はワシントンで起こったロシア人外交官殺人事件を、前回の合同捜査で一緒に解決した2人が捜査することに。事件は何故かイタリアとスイスまで巻き込んで、ロシアのマフィアも登場。ロシア民警の腐敗度合いはリアル。最後にはダニーロフの不倫相手が夫と共に爆破されて殺されることに。
F-11 「猟鬼」
ブライアン・フリーマントル
新潮文庫

【2011年1月5日読了】

カウリー&ダニーロフシリーズ第一弾。FIB捜査官のカウリーとロシア民警上級捜査官のダニーロフがモスクワで起こったアメリカ人殺害事件を合同で捜査することになり、初めはお互いを信頼できるか手探り状態だったが、最後には事件も解決し、信頼関係も築けたというストーリー。しかし、2人とも、お互いには言っていないが、女性関係で問題を抱えている。モスクワの地名や位置関係、人の名前などに、ちょっと違和感が。そして、女性の苗字と父称の語尾が間違ってます。原作(英語)でも間違ってるのかどうかが気になる。
F-10

「旅路」
藤原てい
中公文庫

【2010年5月17日読了】

新田次郎夫人で藤原正彦氏の母である藤原ていの自伝的エッセー。戦後の大ベストセラーとなった「流れる星は生きている」がどのようにして生まれたのか、引き上げ後の生活が以下に大変だったか、また新田次郎氏がどのような経緯で作家となったのか、など、色々な疑問があったのだが、それを解決するヒントが書かれていた。新田次郎側から書かれたものを読んでいないので、どうなのかは判らないが、この時代の人々は凄い人たちだなと思える作品。
F-10 「流れる星は生きている」
藤原てい
中公文庫

【2010年1月20日読了】

新田次郎氏の夫人にして、藤原正彦氏の母である藤原ていさんの、戦後に大ベストセラーとなったドキュメンタリー。5歳を筆頭にして、3人の子どもを連れて大陸から引き上げてきた経験談。夫は別の場所に連れて行かれ、生死も分からないまま、敗戦時に27歳だった作者がどんな苦労をしたのか、勿論読まなくとも推測することは可能だが、数学者にして文筆家となった正彦氏の母がどんな作品を残したのか読んでみたかった。
F-9 「家族の流儀 
藤原家の褒める子育て」
藤原美子
集英社文庫

【2009年5月18日読了】

1冊目の「闘う子育て」の続編とも言える作品。子ども達も高学年になり、それぞれ自我が出てきて、母親も子育て以外の自分の人生について考えたりもしている。母親が父親の取材旅行に同行して外国に行ってしまったり(子ども達は日本で留守番)、専任ではないとはいえ、学校で教えたり、翻訳に挑戦したり、協力的な家族がいなければ出来ない話だと思う。
F-9 「我が家の流儀
藤原家の闘う子育て」
藤原美子
集英社文庫

【2009年2月27日読了】

数学者でエッセイストの藤原正彦さんの奥様である美子さんに手による子育てエッセイ。以前に雑誌に掲載されたものと書き溜めたものを合わせて2冊にまとめたものの1冊目。正彦さんのご両親も物書き(新田次郎、藤原てい)という環境で、嫁いでから、3人の男の子の親となり、何か子育て以外に自分の仕事がほしいと思っていた女性が書いたもので、正彦さんの側からの視点で書かれたエッセイの補足とも思える部分も読めて面白かった。
F-8 「祖国とは国語」
藤原正彦
新潮文庫

【2010年2月8日読了】

2000年から2003年に書かれたエッセイを集めたもの。この中にある、年老いた母を伴って、自分の生まれた土地、満州を再訪した時のことが書かれている「満州再訪記」が読みたくて、手に取った。前半の教育関係というか、ちょっとくどいかな、と思えるほどの持論には辟易したが、後半は面白かった。
F-8 「父の威厳 数学者の意地」
藤原正彦
新潮文庫

【2009年4月1日読了】

藤原さんのエッセーを続けて読んでみた。しかし、時代錯誤の武士道とか、かなり強硬な態度が見受けられて、言葉に出さなくても相手に分かることもあるのに、と思うと、ちょっと引いてしまう。時々面白いことも書かれているが、その強引な態度で帳消しになってしまうのが残念である。
F-8 「心は孤独な数学者」
藤原正彦
新潮文庫

【2009年1月2日読了】

17世紀のイギリスのニュートン、19世紀のアイルランドのハミルトン、20世紀初頭のインドのラヌマジャンという3人の数学者について書かれた評伝紀行文。それぞれの国を訪ねて、実際に彼らが住んでいた、働いていた場所を訪れて、同じ数学者としての立場から書かれたものなので、興味深かった。しかし、ニュートンは物理学者だと思っていたが、数学者だったのですね。その他の2人に至っては知りませんでしたし。奥が深いです。
F-8 「遥かなるケンブリッジ」
一数学者のイギリス
藤原正彦
新潮文庫

【2008年12月31日読了】

以前、若かりし頃の藤原さんが、アメリカの大学で研究していた頃のエッセーを読んだことがある。それから14年を経ち、結婚して3人の子持ちとなった藤原さんは家族と共に1年間ケンブリッジへ研修に行く。アメリカに行ったことがあるから、同じ英語を使うイギリスなら大丈夫だと思ったようだが、そは問屋が卸さない。色々問題もあった様だ。自分のことだけではなく、奥さんや子供の問題もあるので、そういう場合は大変だと思った。
F-8 「若き数学者のアメリカ」
藤原正彦
新潮文庫

【2008年7月26日読了】

日本エッセイスト・クラブ賞受賞作品。30歳になる直前1972年の夏に、ミシガン大学に研究員として招かれ、その後コロラド大学助教授として2年間教えた間のことを、数学者の視点から書いたエッセイ。新田次郎と藤原ていの次男だそうだ。この作品を初めとし、色々なエッセイを書いている。恥ずかしながら、両親二人の書いたものを読んだことがない。これを機にいくつか読んでみようと思う。
F-7 「軋轢」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年11月4日読了】

検事補アレックス・クーパーシリーズの現時点での日本語訳最新作。第一作から翻訳を手がけられていた平井さんがお亡くなりになったので、この作品が最後の彼の翻訳とのこと(あとがきより)。ご冥福をお祈りします。訳に問題があると何度も書いていましたが、これだけの作品を翻訳される労力は大変なものがあります。作品自体は段々マンネリかな。マイクとアレックスの関係がどう変わるのか、そういう意味で、次の作品が楽しみでもある。
F-7 「埋葬」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年9月29日読了】

アレックス・クーパー検事補シリーズの第7弾。エドガー・アラン・ポーへのオマージュにあふれた作品、と解説に書かれていたが、名前や有名な作品名は知ってても、内容までは今ひとつ知らない作家だったので、そこまで入り込めなかった。やはりNYの地図を手元において読んだ方が分かりやすい作品かもしれない。
F-7 「墜落」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年9月21日読了】

アレックス・クーパー検事補シリーズの第八弾。7番目の作品を飛ばして読んでしまった。シリーズ物は大抵順番に読んでるんですけどね。しかし、前の巻でマイクの生活が一変するような事件が。そっちを読まないと〜。手元にあるのに。それより、作品の中に元ロシア人が出てくるんですが、どう考えても元の名前がロシア人とは思えない。まあ、ロシア(か当時のソ連)に住んでたユダヤ人だと思うのだが。そこらへんは、全然作者は考えてなかったのだろうか。
F-7 「殺意」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年7月22日読了】

アレックス・クーパー検事補シリーズ第6巻。いつものように事件が起こり、レイプを装っていたので、アレックスが呼ばれたが、結局はそれは捜査の目をくらませるためで、別の事件で法廷にも出なくてならないアレックスは同時にいくつ物問題を抱えることになった。前の巻で自分達の付き合いに問題点があると分かったアレックスと恋人の間も段々危なくなって来ている。シリーズを通して人間関係が発展したりというわけではなさそうで、ちょっとそこが不満。
F-7 「隠匿」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年6月13日読了】

アレックス・クーパー検事補シリーズ第五巻。今度はNYのメトロポリタン美術館と自然博物館(だったかな)が舞台。相変わらず、検事補と刑事が一緒に捜査してて、それって良いのか?と思うことがたくさん。職業を意識しないで読んでいると、アレックスは女刑事のような行動ばかりとっている気がしてくるから不思議。続編も既に購入済みなのでとりあえず読みます。
F-7 「妄執」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年6月1日読了】

アレックス・クーパー検事補シリーズ第四巻。大学教授の女性が殺されたが、その女性が生前夫との関係でアレックスに相談をしていた関係から、事件の解決に手を貸すことに。クリスマス、年末というあわただしい時に、恋人のニュース・キャスターとの間までこじれ、さらにはアレックスの家の窓ガラスが割られたり、私生活の面でも大変なことに。マーサーは順調に回復し、妻との間もよりを戻し、マイクには恋人が。大学教授が夢中になっていたルーズベルト島だが、私がNYに行った時に宿泊していた場所で、親近感を覚えた。
F-7 「冷笑」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年4月13日読了】

女性検事補アレックス・クーパーシリーズ第三作。何故か検事補なのに、刑事達と一緒に捜査に加わってて、犯人に狙われるアレックス。不思議だ。毎回付き合っている人間が違うってのも凄い。次の巻では、今の彼氏と付き合っているのだろうか。この作品で銃弾を受けたマーサーの早い回復を願う。
F-7 「絶叫」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2008年1月8日読了】

女性検事補アレックス・クーパーシリーズ第二作。第一作では翻訳が今ひとつ気に入らなかったものの、とりあえず第二作を読んでみようと思ったが、こちらの方がまだ改善されていた。それでも気になる言葉使いとかあったけど。作品自体はストーリー的にも面白いので、次の巻が楽しみである。
F-7 「誤殺」
リンダ・フェアスタイン
ハヤカワ・ミステリ文庫

【2007年12月17日読了】

マンハッタンの地方検察局で働く女性検事補であるアレックス・クーパーが主人公のシリーズ。彼女の友達である女優が、彼女の別荘滞在中に誰かに殺されてしまった。友達を狙ったものなのか、アレックスを狙って間違って殺されてしまったのか。オーバー30で法律のスペシャリストで、リッチな恋人もいて…。しかし、この恋人が問題だった。内容的には問題なかったが、翻訳の「〜なんでね」という言葉が何度も出てきて、それが登場人物の雰囲気に全く不似合いで、「〜だから」と置き換えて読んでしまった。翻訳者が高齢者だからということを割り引いても、もう少し何とかならないものか。続編も読んでみたいと思う。
F-6 「紅い雪」藍染袴お匙帖
藤原緋沙子
双葉文庫

【2009年7月18日読了】

藍染袴お匙帖シリーズ4巻目。相変わらず、千鶴が自分の本業とは関係のない、余計な事件に首を突っ込んでいるパターンが多いように思われる。求馬の母親の往診をすることになり、対面するという事件も書かれている。父親と千鶴の良い関係を描き出したものもあり、なかなかほっこりとさせるものがあった。シーボルトまで登場して、ちょっと面白かった。
F-6 「父子雲」藍染袴お匙帖
藤原緋沙子
双葉文庫

【2009年7月16日読了】

藍染袴お匙帖シリーズ3巻目。今度は千鶴が父とも慕う酔楽先生の過去にかかわる事件が発生。周りがやきもきしている割りには、自分の生活リズムを変えてまでも、ひたむきに目標に向かって努力をする酔楽先生。ついでに周りが千鶴と求馬のことをはやしているが、本人同士はまだまだ、と言う感じ。
F-6 「雁渡し」藍染袴お匙帖
藤原緋沙子
双葉文庫

【2009年7月15日読了】

藍染袴お匙帖シリーズ2巻目。事件が起こるごとに、求馬が千鶴を助けに来るパターンが出来上がっていて、ちょっとおかしいかもしれない。もう少し自然に出来ないのだろうか。しかし、その求馬と千鶴の気持ちがちょっとずつ近くなっていたり、父親の亡くなった時の状況が判明したり、少しずつ物語は動いている感じがする。
F-6 「花の闇」隅田川御用帳
藤原緋沙子
広済堂文庫

【2009年7月12日読了】

隅田川御用帳シリーズ第二弾。駆け込み寺の縁切りの手伝いをする御用宿「橘屋」の女将お登勢と、そこに雇われている浪人塙十四郎がさまざまな駆け込み人の事情を鑑みて、事件を解決していく。十四郎が浪人になった原因に関係ある、元許婚の雪乃が登場し、哀れを誘った。
F-6 「風光る」藍染袴お匙帖
藤原緋沙子
双葉文庫

【2009年7月10日読了】

藍 染橋の袂で、父の後をついで女医となった千鶴と、その千鶴に思いを寄せているらしい浦島という同心、叔父とその知り合いの御家人三男坊の求馬などが登場するシリーズ第一弾。ミステリータッチの謎を千鶴を中心としたメンバーで解決するパターンが出来ている。軽く読める作品。とりあえず続きを読んでみるつもり。
F-6 「照り柿」浄瑠璃長屋春秋記1
「潮騒」浄瑠璃長屋春秋記2
藤原緋沙子
徳間文庫

【2009年3月28日読了】

何も言わずに家を出た妻を忘れられず、家督を弟に譲り、自分は浪人となって江戸に出て、よろず相談などで糊口を凌ぎつつ、妻を捜している青柳新八朗。設定は少し違うが、なんとなく藤沢周平の「用心棒日月抄」を髣髴とさせる。しかし二番煎じの感じは隠せず。巻を追うごとに、少しずつ妻の失踪に関して手がかりが出てくる。妻を捜している割には隣人の美人が気になったり、男はしょうがないなあ。
F-6 「暖鳥」見届け人秋月伊織事件帖3
藤原緋沙子
講談社文庫

【2007年10月1日読了】

見届け人秋月伊織シリーズ第三巻。前巻の終わりで、結局兄とも和解出来そうな感じだった伊織。留守の間に嫂が重箱に伊織の好物を詰めて置いていってくれるなど、感触は良好。しかし、長屋のほかの住人たちと仲良くなるに従い、お藤がイライラ。人間関係がどうなるのか、そこのところが楽しみです。
F-6 「春疾風」
見届け人秋月伊織事件帖2
藤原緋沙子
講談社文庫

【2007年9月30日読了】

見届け人秋月伊織シリーズ第ニ巻。第一巻を今年の5月に読んでいるので、間が4ヶ月も空いてしまった。その割には結構話の筋は覚えているものだ。伊織は目付役の兄がいるので、部屋住みなのだが、だるま屋の見届け人をしている。この巻では、なんと伊織は類が兄に及ばないように、縁を切り家を出てだるま屋の近くの長屋に移り住んでしまう。これから先どうなるのか、続きを楽しみにしたい。
F-6 「雁の宿」隅田川御用帳
藤原緋沙子
廣済堂文庫

【2007年6月3日読了】

大人気らしい隅田川御用帳シリーズ第一巻。数年前に両親を相次いで亡くし、その後藩も取り潰され、浪人となっていた塙十四朗が縁切り御用をつとめる「橘屋」のおかみ、登勢が様々な男女の揉め事を解決して行く連作もの。しかし、この巻には4つの話が入っているが、表題作はない、という不思議。何故でしょう。 また、「やかん」という単語が出てきたんですが、江戸時代にやかんはあったのだろうか?鉄瓶じゃないのかな?
F-6 「遠花火」
見届け人秋月伊織事件帖
藤原緋沙子
講談社文庫

【2007年5月31日読了】

見届け人秋月伊織シリーズ第一巻。藤原緋沙子という作家の作品を読んだのは初めて。しかし、既に色々なシリーズを書いている作家なので、人気があるのは知っていた。読んでみて、確かに物語の設定や人物が面白い。このシリーズの主人公である秋月伊織は、古本屋だるま屋に集まってくる様々な噂を「見届け」て、生活の糧を得ている(実際には部屋住みの次男坊なので、稼ぐ必要はないのだが)。設定が設定だけに、色々な事件に遭遇しても不思議ではない。続きの巻も引き続き読んでみたい。
F-5

「囮たちの掟」
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2010年10月25日読了】

フォーサイスの短篇と中篇が1つずつ収められている。短篇は飛行機という密室の謎、のようなスパイ物。最後のどんでん返しに笑った。中篇はケン・フォレットばりのアメリカ時代物かと思いきや、時を越えて現代にきてしまった純愛物語。フォーサイスっぽくなくて、意外。
F-5 「戦士たちの挽歌」
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2009年9月29日読了】

最後にどんでん返しのある短編(というか中篇?)3つの含まれている作品。1つ目はイギリスの法廷物で、2つ目は画廊+IT物、3つ目は第二次世界大戦時のイタリアとドイツの話で、どれもかなり突っ込んだ内容。何故か中身に入れなくて、読了に時間がかかった。
F-5 「アヴェンジャー」上下巻
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

上巻【2009年1月9日読了】
下巻【2009年1月10日読了】

フォーサイス8年振りの作品。「イコン」で断筆宣言をしたはずなんだが、やっぱり戻ってきたんですね。説明調の部分がやや長めかもしれないけれど、どんどん引きこまれて、読むのをやめられなかった。後半の、普通の人だったら無理だろうと思われる行動も、前半でトライアスロンの練習をしている部分があり、無理なく納得できる。しかし、CIAの計画が上手く行ったとしても、9月20日に予定されていた話だし、やっぱり911は止められなかったのではないか、と思う。
F-5 「戦争の犬たち」上下
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2008年5月13日読了】

アフリカのとある国を舞台に、70年代にそこの領土内に埋蔵されているプラチナを横取りしようとしたイギリスの富豪が内密に雇った傭兵に裏をかかれて、裏切られる話。時代が70年代はじめなので、携帯電話もないし、インターネットもないので、今の人が読んでもぴんと来ないかもしれないが、その分「男のロマン」のようなものが感じられる。

F-5

「カリブの失楽園」
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2007年4月17日読了】

騙し屋マクレディ4部作完結編。サンシャインという名前のカリブ海のイギリス信託統治領の島。そこで事件は起こった。その時我らがマクレディはマイアミで休暇中だった。一介のイギリス外務省職員という身分で協力を要請する書類を持って自らそこに乗り込んだ。何故彼がそんなことをしたのかは、丁寧に読めば分かるようになっている。人情には弱いサムらしい話である。結局彼はSISに残れたのだろうか?

F-5

「戦争の犠牲者」
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2007年4月16日読了】

騙し屋マクレディ4部作の第三作目。今回はリビアと北アイルランドのIRAが絡み、キプロスでの休暇風な1週間があり…とゆったり目な話だったが、マクレディ本人は表に出ないで、元SASのトムに片棒を担がせる。まあ、トムも金髪美人と上手くやったから楽しかったのかもしれないが、最後には彼女に騙されていることがわかり、人生辛いことが多いのだ、と分かる次第。引退した人はひっそり暮らした方がいいのかも。

F-5

「売国奴の持参金」
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2007年4月16日読了】

騙し屋マクレディ4部作の第二作目。ソ連軍将校団がイギリスでのイギリス軍の演習に招待された時、一人のソ連将校が逃亡し、アメリカへ亡命を希望した。イギリスで何故アメリカへの亡命を?マクレディは自分の運営している「記念品」と接触し、この亡命が2重スパイで、CIAを内側から崩すことを目的としていることを嗅ぎ取るが、CIAはそれを真っ向から否定。手に汗を握る情報戦となる。マクレディも出来ることとできないことがあるという話。しかし、モスクワの地名が正しくなかったり、徒歩で歩ける距離でないのに歩いていることになったりしていて、ちょっと変であるよ。

F-5

「騙し屋」
フレデリック・フォーサイス
角川文庫

【2007年1月26日読了】

80年代の終わりから90年代にかけて冷戦が終わり、各国の秘密情報機関の状況も変化。イギリスのベテランエージェントも肩たたきに遭うが、現役にとどまるために聴聞会を開催し、今までの彼の経験を話す、という形をとっている作品で、マクレディシリーズ4部作の第一部。マクレディは上層部から見ると煙たがられているが、他の部署などからも応援してもらえる、見た目のさえないベテラン。続きを楽しみに読もう。

F-4

「ふるさとへ廻る六部は」
藤沢周平
新潮文庫

【2010年10月3日読了】

エッセイ集。色々なところにつれづれに書いたものをまとめた作品。後半にあった外国のミステリー物に関する文章など、ちょっと意外で参考にしたいと思った。スカーペッタ・シリーズを賞賛しているが、最近のあのシリーズに関して、藤沢周平が生きていたら、どう思うのか、興味がある。

F-4

「又蔵の火」
藤沢周平
文春文庫

【2010年9月28日読了】

初期作品集だけあって、暗い部分が多く、中々読み進めることが出来なかった。読了までかなりかかったものの、読後感は良かった。

F-4

「暗殺の年輪」
藤沢周平
文春文庫

【2010年9月2日読了】

藤沢周平の直木賞受賞作品を含んだ作品集。初期の頃の藤沢作品は暗くて重いと言われていたのが、読んでみてはじめて判った。どの作品も持って行き場の無い暗い情念のような物を感じる。

F-4

「よろずや平四郎活人剣」上下
藤沢周平
文春文庫

上巻【2010年5月11日読了】
下巻【2010年5月15日読了】

読む前は、こういうあらすじだとは思っていなかったので、読み始めてちょっととまどった。以前許婚だった早苗探しと目付けの兄の仕事の手伝い、それに自分の生活のための仕事と用事は色々あるものの、中々上手く行かない。しかし、下巻の後半になって、やっと早苗と再会し、どんどん加速感が出てきて、最後にはハッピーエンドになった。

F-4

「霧の果て」
神谷玄次郎捕物控
藤沢周平
文春文庫

【2010年4月4日読了】

14年前の母と妹の死の原因を探っていた父親まで13年前に亡くし、父の後を継いで定町廻り同心になった玄次郎だが、勤めも真面目ではないし、型破りだが、探索の腕は素晴らしく、上司にもそこそこお小言を貰いながらも勤めを果たしている。途中から家族の死の原因を探り出し、14年も前のことなのに、はっきりしたが、結局は権力の座から降りた権力者は哀れな者だったと言える作品。

F-4

「玄鳥」
藤沢周平
文春文庫

【2010年3月28日読了】

安心して読める藤沢作品が5作収められている作品集。ちょっと悲哀のある、ユーモラスな作品が最後に入っていて、なかなかいい味を出していたと思う。着々と藤沢作品を読了中。まだまだあるので、残りも楽しみに読みたい。

F-4

「静かな木」
藤沢周平
新潮文庫

【2010年3月15日読了】

藤沢周平の最後の短編を含む作品集。3つの短編が、それぞれいい味を出している。3作品とも読後感が良い。1作品目はいきなりかわいがっていた犬を食べる話で、一体どうなることやらと思ったが、滑稽な終わり方になった。2作品目は正義は勝つ、という感じだし、3作品目はほのぼのした感じ。このほのぼのした作品が最後の短編だったそうだ。

F-4

「小説の周辺」
藤沢周平
文春文庫

【2010年3月14日読了】

だらだらと読み続けていた藤沢周平のエッセー。T部、U部はいわゆる日常の話が多かった。V部は自身の作品に関すること、また俳句、俳人に関しての記述が多く、ちょっと入り込めなかった。

F-4

「麦屋町昼下がり」
藤沢周平
文春文庫

【2010年1月29日読了】

4編作品の入った短編集。人情の機微が分かる、ほっこり暖かくなるような作品が収められている。そして皆自己主張をしないのに、芯が強い。今もそういう人間がいたら、世の中は違っていたのかもしれない、と思わされるような気がした。

F-4

「半生の記」
藤沢周平
文春文庫

【2010年1月27日読了】

自分のことは小説に現れているから、と言って殆ど語らなかった藤沢周平の自叙伝。この人のエッセーを読んだことが殆どないので、何か新鮮な感じがした。数冊出ているらしいので、是非エッセーも読んでみたい。詳細な年譜も付いていてかなりなお得感がある。作家自身にも興味のある人には是非手にとって貰いたい一冊。

F-4

「竹光始末」
藤沢周平
新潮文庫

【2010年1月18日読了】

男の意地を集めた(?)短編集。武士でも、職人でも、男としての面子というか意地を見せなければならないこともあり、それが周りから見ると、こっけいな味をかもし出していたりする。妻にしてみたら、そんな些細なことで、と思うこともあるのだが、やっぱり男は意地っ張り。

F-4

「闇の穴」
藤沢周平
新潮文庫

【2009年12月16日読了】

短編集。最後の2作品は、どちらかというと民話風な感じで、いつもの藤沢作品とは違う味わいがあった。藤沢さんの作品はご自身の出身地である庄内地方が舞台になっているものが多い。明記されていなくても、ファンの人は場所を庄内地方だと想定して読んでいる場合が多いらしい。この作品集に収められている作品も舞台が庄内地方だと想定して読んで差支えがない。

F-4

「暁のひかり」
藤沢周平
文春文庫

【2009年12月10日読了】

初期短編集。藤沢周平の作品なので、落ち着いて読める。お人よしというか、自己満足の性格なのか、とにかくそういう性格の主人公が多い気がする。だらだら読んでいたので読了に時間がかかった。

F-4

「夜の橋」
藤沢周平
中公文庫

【2009年12月1日読了】

短編集。「鬼気」に細谷の名前が出てきて、おもわずにんまり。どちらが先に書かれたのかは不明だが「用心棒日月抄」シリーズに出てくる細谷と同じような。娘が4人というのも、剣の使い手というのも同じである。ただ、こちらの細谷は浪人ではなく、ずっと勤め上げている様子が伺える。市井物と武家物が混じっているが、人間模様という意味では、どの社会に属していても違いはないという気がする。

F-4

「闇の梯子」
藤沢周平
文春文庫

【2009年10月30日読了】

初期の短編集。5つの短編が収録されているが、そのうちの1つは別の短編集にも含まれていたらしく、読んだことがあった。また、「相模守は無害」という作品は、別の短編集く含まれていた作品と時代背景を同じくしているもの。海坂藩のお家騒動を別の角度から描いた作品。海坂藩物の短編だけを集めたものもあるらしいので、それも読んでみたい。

F-4

「驟り雨」
藤沢周平
新潮文庫

【2009年9月20日読了】

藤沢周平の短編集。藤沢作品は安心して読めるのだが、全てが面白いわけではない、というのが判る短編集かもしれない。表題作は結構意外性があって、面白かった。

F-4

「雪明かり」
藤沢周平
講談社文庫

【2009年8月4日読了】

短編集。8つの作品が収められている。ここのところ、集中して藤沢周平を読んでいるので、ちょっと飽きがきはじめているような気がする。もったいないので、しばらく藤沢作品を読むのを止めてみようかと。翻訳ものとかを読んで、また戻ってきたら有り難味が増すかもしれない。新装版で字が大きく読みやすかった。

F-4

「長門守の陰謀」
藤沢周平
文春文庫

【2009年8月1日読了】

安心して読める藤沢周平の短編集。4つ作品が入っている。江戸ものと作者の故郷庄内地方を舞台としていると言われている海坂藩と思われる地方ものがあり、どちらも味がある。表題作は途中で語る人間が変わるので、一瞬迷うが、こういう作品もありかもしれない。でも謎は残った。

F-4

「風の果て」上下
藤沢周平
文春文庫

上巻【2009年7月29日読了】
下巻【2009年7月30日読了】

部屋住みの次男坊から、家付き娘の婿になり、尊敬する義父が上れなかった執政、筆頭家老まで上り詰めた桑山が、久し振りにやって来た同門の友、市之丞の持ってきた果たし状を目にして、それから指定された5日後までの間に、これまでの自分の人生を思い出し…というストーリー。わざわざ回顧の形を取ったところが、他の作品とは一味違う感じが伺えるが、わざわざそうする意味があったのだろうか。

F-4

「秘太刀馬の骨」
藤沢周平
文春文庫

【2009年6月30日読了】

「蝉しぐれ」に並ぶ名作という謳い文句で紹介されていたので、読んでみた。家老に呼び出されて、馬の骨という名前の秘太刀について、家老の甥と一緒に探れという命令を受けた主人公。結構ミステリータッチで面白かった。主人公の家庭の事情なども描かれており、TVドラマにもなったというのもうなづける。

F-4

「凶刃」用心棒日月抄
藤沢周平
新潮文庫

【2009年6月25日読了】

用心棒日月抄シリーズ最終巻(第四巻)。第三巻との間に16年間もの時が流れ、主人公の青江又八朗もまぎれもない中年に。今回は藩の仕事で江戸に半年の期限付きで行くことになった。嗅足組の佐知との再会、離れていた年月を感じさせない心のつながりなどが描かれているが、女性としては、ちょっと勝手だなあと思う。

F-4

「橋ものがたり」
藤沢周平
新潮文庫

【2009年6月4日読了】

それぞれが橋にちなんだ話。橋にちなんだと言っても、登場人物の人生が橋の傍だったとか、何かの思い出が橋にちなんでいるとか。江戸は橋が多かったので、普通に生活してても必ず毎日橋を渡っていたはずだから、それも変な話ではないと思う。最後の1編が未来に希望のある終わり方でよかった。

F-4

「刺客 用心棒日月抄」
藤沢周平
新潮文庫

【2009年3月5日読了】

用心棒日月抄シリーズ3作目。2作目の内容が分かっている方がより楽しめる作品。しかし、毎回毎回勝手な理由で脱藩させられて、「藩のために」という大義名分を掲げさせられて大変なことだ。しかも、今回は嗅足組の佐知との濃い関係も。しかし、彼女とは同士的な感覚の方が強いような気がするのだが。人気シリーズであるのもうなずける内容。

F-4

「隠し剣秋風抄」
藤沢周平
文春文庫

【2009年2月11日読了】

隠し剣シリーズ2冊目。「暗黒剣千鳥」が良かった。最後に生き残った1人になった主人公と許婚の女性の今後が気になる。「盲目剣谺返し」は映画化されたそうなので、そのうち見てみたい。秘剣を使えるからと言って、全員が生き残れるわけではないというのも人生なのでしょうか。

F-4

「隠し剣孤影抄」
藤沢周平
文春文庫

【2009年2月5日読了】

2冊ある隠し剣シリーズ(全17編)の1冊目。どの作品も、秘剣を使える人間が主人公、もしくは準主人公となっていて、舞台は(明記されていない場合でも)作者の出身地を想定した架空の海坂藩となっているようだ。登場人物が重なっている場合もあるが、そうでない場合も多い。この中の1編が映画化されたそうだ。

F-4

「ささやく河」彫師伊之助捕物覚え
藤沢周平
新潮文庫

【2009年1月13日読了】

彫師伊之助シリーズ第三弾。前の作品から1年ほど経っているが、やっぱり伊之助とおまさの仲は前と同じである。ただ、伊之助が形だけでもきちんとしないと、と考え始めていることは良い兆候かも。結局今回も石塚同心と多三郎の手伝いをしているはずが、何故か自分が仕切る羽目になっているのも心外な伊之助。もっと続きが読みたかったシリーズである。

F-4

「漆黒の霧の中で」
彫師伊之助捕物覚え
藤沢周平
新潮文庫

【2009年1月9日読了】

彫師伊之助シリーズ第二弾。前作で良い仲となかったおまさが今回は前半にちょっとだけ出てきただけなのが不満。伊之助は人がよいのか、岡っ引きの仕事が好きなのか、結局足抜け出来ないのを同心の石塚は見破っている気がする。勘も良いし、また戻れば良いのになあと思うのだが、本人は何か意地でもあるのだろうか。

F-4

「弧剣 用心棒日月抄」
藤沢周平
新潮文庫

【2008年12月23日読了】

用心棒日月抄シリーズ2巻目。せっかく国許に帰って、許婚と一緒に生活し始めたと思った又八郎だが、藩中老からの命令で、脱藩して江戸に行き、とある重要書類を探し回ることに。前回同様用心棒生活に舞い戻り、前作でおなじみの細谷などが登場し、人情ものの部分もあり、手助けをしてくれた女性との淡い気持ちも絡んだりして、読ませる作品でした。シリーズ物は全部制覇したいですね。

F-4

「消えた女」彫物師伊之助捕物覚え
藤沢周平
新潮文庫

【2008年12月17日読了】

彫物師伊之助シリーズ第一弾。元岡っ引きの伊之助は妻が家出をし、男と心中したことで、人生が嫌になり、元々腕に覚えのあった彫物師として生活している。仕事が立て込んでいても、時間が来れば帰ってしまう伊之助には親方も堪忍袋の緒が切れ掛かっている。そんな伊之助のところに、元岡っ引きのじいさんから娘を探して欲しいとの依頼があり、結局は仕事先に迷惑をかけながらも探してしまう。結構ハードボイルドチックである。

F-4

「人間の檻」
獄医立花登手控え4
藤沢周平
講談社文庫

【2008年10月5日読了】

獄医立花登シリーズ4作目。最終巻。結局、予測していた通り、おちえの両親が登を大阪に遊学に出す代わりに、おちえと一緒になって家を継ぐという話に。話が決まってからも、色々と正義感を出して、問題に首を突っ込み、勘違いをやらかしたり、最後には人妻になったおあきがかどかわされたのを助け、おちえと2人で約束を確かなものにした登であった。作者が生きていたら、老後の2人の話なども読みたかった。

F-4

「愛憎の檻」
獄医立花登手控え3
藤沢周平
講談社文庫

【2008年10月4日読了】

獄医立花登シリーズ3作目。女囚に思いを寄せられた話やおちえの友だちだったおあきの情夫が牢屋に入り、おあきも巻き込まれて大変なことになったり、相変わらず登の周りは騒がしい。かなりもてもて状態だし、羨ましい限り。それにも関わらず、おちえとも上手く行っているようで、これではシリーズの終わりでは、彼女と結ばれるのでは、と予想が付いてしまう。

F-4

「風雪の檻」
獄医立花登手控え2
藤沢周平
講談社文庫

【2008年10月3日読了】

獄医立花登シリーズ2作目。前巻の終わりで、自分が遊び歩いていたことから、人質にされ、それを登たちにたすけられた従妹のおちえ。少しは大人しくなったようで、登るのことも呼び捨てではなく、兄さんと呼ぶように。そうなると登も現金なもので、おちえを可愛く思う気持ちが出てきた。また道場で一緒だった弥助が身持ち崩し、抜け出れなくなっているのを師範代の奥野と共に助けに行く場面がさわやかだった。

F-4

「春秋の檻」
獄医立花登手控え1
藤沢周平
講談社文庫

【2008年10月2日読了】

獄医立花登シリーズ1作目。田舎で両親に無理を言って医学を修め、成功した(はずの)叔父を頼って江戸へ出てきたところ、叔父は酒飲みで妻女の尻に敷かれ、娘が遊び歩いても文句すら言えず、小伝馬町の牢獄の医師も勤めていた。結局登が牢獄での勤めも代わりに行い、休日は叔母にこき使われつつも、起倒流柔術の鍛錬にも励み、獄舎にもちこまれるさまざまな事件を解く連作短編集。シリーズ4巻まであり。

F-4

「闇の傀儡師」上下
藤沢周平
文春文庫

【2008年2月10日読了】

藤沢周平にしては、冒険談というか、正統派伝奇小説というものらしく、ちょっと予想していたものと違ってびっくりした。まあ、こういう江戸時代物があってもいいのかもしれないけどね。

F-4

「用心棒日月抄」
藤沢周平
新潮文庫

【2007年4月19日読了】

故あって国許で許婚の父親を斬って脱藩してきた又八郎は江戸で用心棒稼業で糊口をしのいでいた。約2年の期間を経て、国許に呼び戻されるのだが、その間に赤穂浪士の討ち入りが行われ、用心棒としてその事件にもかかわりがあったりした様子が 短編連作で書かれている。毎回口入屋で仕事を世話してもらうのだが、どんな仕事なのか、興味がわく。続編があるので読んでみたい。

F-4

「本所しぐれ町物語」
藤沢周平
新潮文庫

【2006年12月10日読了】

一つの町内の様々な人々が登場する連作。ある作品で主役だった人が次の作品では脇役になったりして、それでも全体を通すとしっかりとまとまっている。噂の集まる場所として、飲み屋の「福助」があり、自身番の書役と大家が狂言回し的にどの作品にも顔を出す。江戸情緒あふれる市井物。読んでいてほっとする感じ。

F-3

「聖女ジャンヌと娼婦ジャンヌ」
藤本ひとみ
新潮文庫

【2010年4月5日読了】

ジャンヌ・ダルクを話の中心に据えた中世フランスの娼婦の話。同じ中世フランスを扱っているが、佐藤賢一とは切り口が違う。藤本ひとみの方がドロドロとした女性特有の何かがある。一時かなり筆が落ちたかなと思ったが、こういう作品が読めるなら、もう少しお付き合いしてみてもいいと思える作家である。

F-3

「皇帝を惑わせた女たち」
藤本ひとみ
角川文庫

【2008年7月4日読了】

ナポレオン皇帝と関係のあった女性達について書かれた本。しかし、どこかの雑誌に連載されていたのだと思うが、表面的にささっと書かれているものが多く深みがない。藤本ひとみ、好きだっただけに、段々才能が枯渇しているようで残念。

F-3

「暗殺者ロレンザッチョ」
藤本ひとみ
新潮文庫

【2007年12月22日読了】

16世紀ヨーロッパを震撼させたフィレンツェ大公暗殺事件―刺客の手を逃れてフランス宮廷に身を隠した暗殺者ロレンザッチョは、王太子妃カトリーヌ・ドゥ・メディシスの求めに応じて、自らの過去を語り始めた。このカトリーヌは後年の権力を手にした女帝ではなく、年若く嫁したにもかかわらず、夫の王太子アンリは20ほども年上の愛人ディアーヌに夢中で、法王の後ろ盾も失い、今後どうしたらいいのか迷っているカトリーヌだ。そのカトリーヌに自分の過去を語り継がせるために、全ての思いを語るロレンツィーノ…。屈折してるなあ。中世のイタリア、フランス史の好きな方にはお勧めかも。

F-3

「ウィーンの密使−
フランス革命秘話」
藤本ひとみ
講談社文庫

【2007年12月5日読了】

最初はかなり引っ張り込まれる感じで読み始めたのだが、だんだん話が広がりすぎて、まとまりが付かなくなって、突然無理やり終わりにした感じが否めない作品。確かに、我々が「ベルばら」などで知っていると思っているアントワネットやフェルゼン、ルイなどとは違う感じの登場人物になっているが、漫画は漫画でしかなく、そのイメージに引っ張られているがゆえに、秘話という感じでこの作品を受け入れる人が多いのかもしれない。藤本さん、最近息切れしてませんか。。。

F-3

「シャルルに捧げる夜想曲@AB」
まんが家マリナ 赤いモルダウの章
藤本ひとみ
コバルト文庫

@【2007年9月4日読了】
A【2007年9月5日読了】
B【2007年10月24日読了】

シャルル・ドル・アルディの出てくる鑑定医シャルル・シリーズを読んで、他にもシャルルの出てくる作品があると知って読んでみたが、うーん。やはりコバルト文庫の作品はコバルト文庫でしかない というのが、正直な感想。しかも、これが「まんが家マリナシリーズ最終巻」のくせに、実は終わってなくて、続きの巻のタイトルまで明記されてるんですよ。このまま終わらせたら、全然話がまとまってなくて、欲求不満になりますよ、これ。こんな酷い状態で放置するなんて、信じられない。作者がもっとアカデミックなものを書きたくなった のだとしたら、とりあえず続き物は終わらせてから、そちらの方向に進んで欲しいなあと思いました。

F-3

「マリー・アントワネットの娘」
藤本ひとみ
中公文庫

【2007年2月19日読了】

この文庫の中にはマリー・アントワネットの娘であるマリー・テレーズについての部分と、フランスのアンリ2世の娘である王妃マルゴの部分があった。どちらも正直に言えば、歴史的な背景を知らない女性だったので、そういう意味で面白かった。小説で読むのとはまったく別な書き方をしている藤本さんの文体が気になった。
F-3 「離婚まで」
藤本ひとみ
集英社文庫

【2006年11月6日読了】

作品の多くがフランスを中心とするヨーロッパの中世を舞台としている作家である藤本ひとみが書いた、日本を舞台にした、日本人女性を主人公にした作品。なんでも作者の「初の自伝的作品」らしい。元々彼女が長野出身で、長期に渡り役所に勤めていたこと、家庭があることなどは知っていたが、普段の作品との違いに戸惑った。その上、主人公が自分が苦しくなるまで、当たり前だと思っていたことが、実は当たり前ではなかった、とか、若い時には自己分析したことないのか、この主人公?って感じで、結構今の日本人の精神的に弱いところを突いているなあと思った。
F-3 「見知らぬ遊戯 
鑑定医シャルル」
「歓びの娘 
鑑定医シャルル」
「快楽の伏流 
鑑定医シャルル」
藤本ひとみ
集英社文庫

このシリーズは、藤本ひとみさんの著書の中でも、ちょっと異色かもしれません。元々、彼女の作品を読み始めたのは、宝塚で上演された「ブルボンの封印」という作品の原作がきっかけでした。その後も次々と、日本人の著者が書く、ヨーロッパを舞台にした作品(しかも、このシャルルシリーズ以外は歴史物)の世界に引き込まれていきました。

このシャルルシリーズは、現代が舞台の作品です。犯罪事件を、犯罪心理学、司法精神医学、臨床医学専攻で司法解剖適任者の医学博士である、美貌の24歳のシャルル・ドゥ・アルディが心理学的な見解から解決していくというのが主な筋書きです。しかし、このシャルル、24歳の若造にしては、とてつもなく自分勝手で、自信満々で、他人に構わない人物として書かれています。その彼が、ふと見せる、自分の内側の世界が切なくて、1冊読み終わった後に、「あー、次も読みたい」と思わされてしまいます。

藤本ひとみさんの他の著書では、「ハプスブルグの宝剣」(文藝春秋社刊)、「逆光のメディチ」(新潮社刊)などもお勧めです。

F-2 「ダックスフントのワープ」
藤原伊織
文春文庫

【2007年3月17日読了】

短編集。今まで藤原さんの作品は「テロリストのパラソル」や「てのひらの闇」などを読んでいたが、それらとは趣のかなり違った作品。どちらかというと、哲学的で、なんとなく村上春樹っぽい作品に仕上がっているような感じ。あまり得意な方向ではないので、読むのに時間がかかり、かなり読了まで大変だった。
F-2 「雪が降る」
藤原伊織
講談社文庫
電通に務めながら作品を書いていた作家様(2004年現在はどうなのでしょうか?)これは短編集です。この作家の短編集ははじめてでした。6編入っています。作者はミステリー作家なのですが、この中にはファンタジーっぽい物や、仁義物、それにスリラーっぽい物も入っています。作家を余り枠にはめてしまいたくないと考えている私には嬉しかったです。
F-1 「自由の地を求めて」上下
ケン・フォレット
新潮文庫
ケン・フォレットの作品にはいくつかパターンがある。これは歴史モノか。実は彼の歴史モノはあまり面白いと思ったことがない。それでも読んでしまう自分が悲しい。「風と共に去りぬ」の時代の好きな人には良いかな〜。私はあの時代が好きだけど、でもちょっと駄目だったわ。

 

 

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